先日、ある大手通信グループが新しい人事制度を発表しました。
社員が登録したスキルや経験、キャリアの志向をもとに、
グループ各社の組織から、本人へ直接オファーが届くという仕組みです。
対象は66社、約10万人。いわば社内スカウトなんですね。

このグループには、社員が自分から応募する社内公募もすでにあり、
この3年間で約4,000件の応募、約2,100件の異動があったそうです。
「手を挙げる」に加えて、「声がかかる」道もできたわけです。
異動は会社が決めるもの、と思ってきた世代の私には、
時代が変わったなあと感じるニュースでした。

ただ、このニュースを読んで、ふと思ったんです。
声をかける側は、登録された情報を見て探すんですよね。
ということは、何ができて、何をやりたいのかを言葉にしていない人は、
そもそも見つけてもらえないんじゃないでしょうか??

これ、我が家にも似た話があるんです(笑)
中学2年生の娘に、以前大好きだったキャラクターのグッズを
「きっと喜ぶだろうな」と買って帰ったところ、
「それ、もう卒業したよ」とあっさり言われてしまいました…。
親というのは、子どもの「好き」が何年か前で止まっているものなんですね。
子育て中の方なら、きっと身に覚えがあると思います(笑)

逆に娘に「将来何やりたいの?」と聞くと、返ってくるのは「別に」。
これでは親としても、応援のしようがありません。
職場も同じで、上司の中の部下の情報は、
本人が言わなければ何年も前のままなのかもしれません。

では、見つけてもらえる自分になるにはどうすればいいのか。
大きな会社の話に聞こえるかもしれませんが、
「これ、誰に頼もう?」は、どの職場でも毎日起きている社内スカウトです。
そこで、明日からできるコツを3つお伝えします。

まず1つ目は、「肩書きではなく、動詞で書く」ことです。
「営業5年」だけでは、何ができるのか伝わりません。
「怒っているお客様の話を聞いて、取引を続けていただいた」
「新人が辞めないように、毎週声をかけ続けた」のように、
自分がしたことを動詞で書いてみてください。
本人は当たり前と思っていることに、強みが隠れているものなんです。

次に、「やりたいことを、仮でいいから口に出す」ことです。
立派な目標でなくてかまいません。
「人に教える仕事をもう少しやってみたい」くらいで十分です。
言うのが怖いという方もいますが、変わったらまた更新すればいいんです。
趣味のダイビングでも、潜るたびにログをつけていくから、
次はどんな海に行けそうかが見えてくるんですね。
キャリアも同じで、一度書いて終わりではないと思っています。

そして3つ目は、「小さく手を挙げる」ことです。
いきなり異動を希望しなくても、会議の進行役や勉強会の幹事で十分です。
小さな経験が増えれば、書けることも増えます。
すると、次の声がかかりやすくなるんですね。

管理職の方には、もう一つお願いがあります。
部下の情報を、ぜひ更新してあげてください。
「最近、どの仕事が面白い?」と聞くだけでも、
何年も前の印象のままだった部下が、違って見えてくると思います。
人事の皆様も、制度を整えるのと同じくらい、
社員が自分を言葉にできる機会を作っていただけたらと思います。

会社が自分を分かってくれないと嘆くのは簡単です。
でも、じゃあ自分はどうする?と考えるほうが、絶対におもろいやん!と私は思います。
書いてみて、言ってみて、違ったらまた直せばいいんです。

11月に入り、朝晩の冷え込みも増してきました。
ぜひ皆さんも、寒くなる前に自分の「できること」を、
動詞で3つ書き出してみてください。
私も娘の「今の好き」を、もう一度聞き直していきたいと思います。
「別に」と言われそうですが…(笑)