先週あるお客様企業で、自主性(自律を高める)テーマの研修を実施してきました。
今回の対象者は、20代後半から30代の中堅社員の皆さま。
現場の最前線でバリバリ働きつつ、後輩の指導や上司との調整にも追われる、
まさに会社の「次の担い手」とも言える世代です。

そんな彼ら(彼女ら)と一緒に考えたテーマは、
「20年後の未来を創造し、その上で、どう参画意欲を高めるか?」です。

研修の序盤、まずは「20年後、どんな社会になっていると思いますか?」
と参加者の皆さんに想像してもらいました。

20年後といえば、今の20代・30代は40代・50代。
まさに社会や会社の中心として舵取りをしている年齢です。
しかし、出てきた未来予想図は、見事なまでにダークな予測のオンパレードでした。

・止まらない人口減少と少子高齢化による市場の縮小
・「自分の今の仕事、AIに仕事を奪われてしまうのでは?」という雇用の不安
・年金支給額は減るのに、上がり続ける税金と社会保険料
・「これ、下手したら80歳まで働き続けないといけないのか…」という老後への疲弊

連日のニュースの刷り込みもあってか、グループワークを進めるにつれて、
会場全体が「なんだかお先真っ暗だな…」という、どんよりとした空気に包まれました。
これから会社を背負って立つ世代だからこそ、直面する現実の重さに
「やばすぎません?」と言いたくなるのも、気持ちはめちゃくちゃよく分かります。

悲観的な意見を存分に出し尽くしてもらった後、
もし、これが避けられない現実(やってくる未来)だとしたら、
そこからどうプラス面を見出すか?を議論してもらいました。

最初は「えっ、この状況でプラスですか?」と戸惑っていた皆さんですが、
少しずつ視点を変える議論を始めました。
すると、こんな声も上がってきたんです。

「 AIやロボットが大変な仕事を全部やってくれるなら、
人間はだいぶラクになるんじゃないか?」
「ということは、人間はもっと人間にしかできないクリエイティブなことや、
人でしか出来ない仕事(人と接する)に時間を使える!」
「80歳まで働くって聞くと絶望するけど、週休4日とか、1日4時間労働とか、
『働く』という概念そのものが変わるなら悪くないかも
(なんなら、そこは今すぐなってほしい!)」
「『生活費を稼ぐために嫌々働く』はなくて、趣味とか自分のやりたいことを
そのまま『仕事(仕事とはもう言わない)』になる社会が来るんじゃない?」

さっきまで「AIに仕事が奪われる」と嘆いていたのに、
一転して「AIにもっと頑張ってもらって…」という、
なんとも前向きで頼もしい空気に(笑)。
(人間は怠け者(怠けていい)になる!という意見もありました)

ネガティブな脅威だったテクノロジーが、
「自分たちをより豊かな生活に導いてくれるもの」になる。
参加者たちの表情が、未来への不安から
「自分たちでどんなふうにしようか」というワクワクへと
変わっていくその反応は、見ていて本当に面白かったです。

この研修での中堅社員の皆さんの変化を見ていて、
私自身「確かにその通りだ」と強く腑に落ちた結論があります。

それは…
事実は事実としてちゃんと受け止める。
その上で、そこからどう希望を見出し、『じゃあ、自分はどうする?』を考えること
が一番大事ということ。

人口減少やテクノロジーの急激な進化、社会保障の問題といった「事実」は、
私たち個人の力ではどうすることもできません。
でも、その事実に怯えてただ立ち止まるか、
この環境をどう解釈して、面白く生きていこうか?と考えるかは、
自分次第です。

悲観的な未来予測は、絶望するためのものではなく、
あくまで「準備をするための材料」でしかありません。
特に、これからの変化の激しい時代を牽引していく20代・30代にとって、
この思考プロセスこそが、不確実な未来を楽しむ(生き抜く)ための必須マインドだし、
目の前の仕事に対する参画意欲を高める原動力なのだと思います。

環境変化のせい(他責)にするのではなく、
自ら意味付けを変えていく(自責)。
さて、20年後の未来に向けて、今日も力強く生きたいと思います。