広い意味のコンプライアンス

先日ある企業様で実施したコンプライアンス研修で、
非常に深い気づきがありましたので、今日はそれをお伝えしようと思います。

コンプライアンスと聞くと、皆様はどのようなことを思い浮かべますか?
横領やデータ改ざん、情報漏洩といった「明らかな法律違反」を
イメージされる方が多いのではないでしょうか。

今回の研修では、参加者に
「マナーやモラルの欠如も、広い意味でのコンプライアンス違反になり得るか?」
という問いを投げかけました。
(ケーススタディ問題を研修前に、コンプラ違反になるか否か?をしてもらったんです)

すると、驚くべきことに…
「ほとんどの人が、マナーやモラル違反はコンプライアンス違反ではない」
と回答されていました。(研修前は)

たしかに、法律に違反していなければ警察に捕まることはありません。
しかし、現代のビジネスにおいて「コンプライアンス(法令遵守)」の定義は、
単なる法律の範囲を超え、「社会的規範や企業倫理を守ること」
へと大きく広がっています。

では、法律違反ではないけれど「コンプライアンス違反」として
企業に大ダメージを与えるのは、どのようなケースでしょうか。
現場でよくある「身近にも潜んでいそうな具体的な例」
= 法令違反ではないが「アウト=広い意味でコンプラ違反」  
を5つご紹介します。

1、SNSでの「ちょっとした悪ふざけ」(モラルの欠如)
 従業員が個人のSNSで、特定の顧客や取引先を揶揄するような発言をしたとします。
 発覚すれば「モラルのない社員を放置している企業」として大炎上し、
 企業のブランドイメージや社会的信用は一瞬で地に落ちます。

2、度重なる遅刻やルーズな対応(ビジネスマナーの欠如)
 「いつも会議に数分遅れてくる」
 「メールの返信が極端に遅い」
 単なる個人のマナーの問題と片付けられがちですが、
 組織全体で蔓延すると「あの会社はだらしない」という評価に直結し、
 取引先からの信用を失います。

3、威圧的な態度や言葉遣い(コミュニケーションのモラル)
 明確なパワハラ認定されるレベルでなくても、
 常に機嫌が悪く、周囲に威圧的な態度をとる人がいるとします。
 職場の心理的安全性を著しく低下させ、離職率の増加や生産性の低下を招くため、
 企業倫理の観点からは明らかな「違反」です。

4、常態化している「ギリギリ出勤」(職場モラルの低下)
 始業時間の1分前やジャストに駆け込んでくる出勤態度。
 労働法上は「遅刻」ではなくても、
 周囲に「今日も来るのだろうか」と無用な心配をかけたり、
 朝の業務のスタートダッシュを遅らせたりします。
 また、そのような時間管理しか出来ない人に重要な仕事は任せられません。
 (社内でも顧客からも)
 こうした「自分さえルール(時間)に間に合えばいい」という利己的な姿勢は、
 チームワークを乱すモラル違反と言えます。

5、外出先や通勤時での「態度の悪さ」(公共マナーの欠如)
 「歩きスマホで人にぶつかりそうになる」
 「駅や路上で大声で話す」
 「指定外の場所での喫煙」など。
 これらも直接的な法律違反に問われにくいものですが、
 もし会社のロゴ入りバッジをつけていたり、
 社名がわかる状態であったりすれば、
 「〇〇会社の社員はマナーが悪い」と、
 地域社会からの信頼を根底から崩す重大なリスクになります。

これらの例からわかるように、現代のコンプライアンスは
「世間や周囲から見て、正しい(恥ずかしくない)行動ができているか」
という社会からの期待に応えることと同義になっています。

「法律違反ではないから(就業規則違反ではないから)大丈夫」という認識は、
実は非常に危険です。
日々の小さなマナー違反やモラルの欠如が積み重なることで、
企業のブランドは少しずつ削られ、
最終的に大きなコンプライアンス違反(不祥事)へと繋がっていきます。

という研修をして、お昼休みに休憩場所でランチを取ってたら
(レンタル会議場で、休憩場所がありました)
同じビルで研修をしていた、別の会社の参加者たち(おそらく2-3年目くらい?)が
昼休憩に、ランチをとっていたんですが…
社内情報(誰がどんな人か(良くない情報)も業務内容も)も
顧客情報(どんなお客様に対してどう思っているか?=良くない情報)も
大きな声でわぁわぁ言っていて…
耳に入り、不快感を感じる内容が盛りだくさんでした…。
表の案内板をみると、誰もが知ってる大手上場企業の名前が…。
あぁ、残念…。
という、正しく!!コンプライアンスの重要さを痛感した次第です。

給与逆転現象はこれからどうなる?

採用市場がかつてない激戦を迎えている2026年、
新卒初任給の引き上げは多くの企業で「不可避な経営戦略」となりました。

直近のデータによると、主要企業の初任給平均は28万円を超え、
(なんと60万円越えという企業もあります ※残業代等含む、や次世代リーダー採用など)
平均で、この3年間で上昇率は約15%に達しています。
優秀な若手を確保するための「投資」として、
初任給を上げざるを得ない経営判断は、合理的なものかもしれません。

しかし、その「合理的な判断」が、現場では「不条理な現実」として
色んな問題を引き起こしていることを忘れてはいけません。
今日は、ある企業様からご相談いただいた、2つの会話をご紹介します。

「現場の空気が最悪…」
このご時世なので、新人を採用するために初任給を上げたのは理解できます。
でも、既存社員の給与テーブルが据え置きのままなんです。
手のかかる新人より、残業をして現場を回している
入社3年目の社員の給与が低いという事態が、
隠しようもなくバレてしまいました。
入社3年目の社員からは『やってられない…』と詰められ、私には返す言葉がありませんでした……
客観的に見ても…必死に新人育成をしている彼らが、
新入社員よりも安い給与で現場を担っています。やってられない、と思うのは私から見ても当然のように思えます…。

「エース社員から辞めていく…」
会社が新人を欲しがるのは分かります。
でも、ビジネスマナーから実務の何から何まで、
私が時間を削って指導している新人の方が、
私より給料が高いなんて。。。
これまで、私が必死に積み上げてきた努力や成果は、
会社にとって『その程度の価値』しかなかったということですよね。
と言われて返す言葉がありませんでした…。

このお悩み…奥が深すぎます…。
「市場相場」という理屈だけでは、人は動かないんですよね。
頭では、最近の新入社員は人口減もあり、売り手市場。
だから給与がどんどん上昇していくのは仕方ない…と分かっています。
でも現実としては…やってられない、と感じるわけです。

日本の人口減少は今後ますます激化します。
ではこの「給与逆転」による既存社員の不満問題、どうなるのか?
これは、今だけの一過性のトラブルではなく、
日本の雇用システム全体が根底から変わるための「生みの苦しみ」とも言えるでしょう。

2026年現在、初任給の引き上げ競争は激化の一途を辿っていますが、
この先、企業や働く個人の環境は以下の3点において変化していくと予想されます。

1. 企業間の「二極化」の加速
べースアップできるか、脱落するか?
企業は「全社員の給与テーブルを丸ごと引き上げられる(ベースアップできる)企業」と、
「原資がなく、新卒の初任給だけを上げて既存社員の不満を放置する(あるいは初任給アップすら諦める)企業」
の2つにはっきりと分かれます。

大手企業はすでに、新卒の給与引き上げと同時に既存社員の大幅なベースアップを実施し、
逆転現象の解消に動いています。
一方で、多くの中小企業にとっては人件費の高騰が重荷となり、
「新卒が採れない」か「既存社員が辞める」かの残酷な二者択一を迫られています。

2. 「年功序列」の完全な終焉と「ジョブ型」への強制シフト
「入社3年目だから、新人より給料が高いはずだ」
という年次ベースの考え方(職能資格制度など)は、完全に崩壊しそうです。
高騰する初任給を正当化し、かつ既存社員の不満を抑えるためには、
「年齢や社歴に関係なく、今どんな役割(ジョブ)を担い、どれだけ成果を出しているか」
で給与を決めるシステム(ジョブ型雇用・役割給)へ移行せざるを得ません。
「新人はこの役割だから〇〇万円」「OJT担当はこの役割だから〇〇万円」
と明確に定義づけられ、実力主義がかつてないスピードで浸透していきます。

3. 報われない「中堅社員」の大移動時代
自社で不遇な扱いを受けた入社3年目〜中堅層が、
自分の市場価値を正当に評価してくれる他社へと流出する「大移動」が本格化します。
労働市場全体で給与水準が上がっている今、
「自社に不満を抱えながら残るより、他社に『経験者』として転職した方が
一気に給料が上がる」という事実に多くの若手・中堅が気づいています。
企業側からすれば、莫大なコストをかけて採用・育成した社員を
他社に奪われることになるため、これからは「いかに採用するか」以上に
「いかに既存社員を辞めさせないか(リテンション)」が経営の最重要課題となります。

中小企業にとって、さらに難しい時代に突入しているとヒシヒシと感じます。
人が採用できないから、AIにシフトする、も多いと思います。
優秀な人材をいかに辞めさせずに育てるか?
人材育成もこれまで以上に色んな方法が出てきそうです。
私も時代を先取りできるように更に学んでいかないと!ですね。

インプットすることで得る気付き

最近、幼稚園や保育園のお客様から
「メンタルヘルス対策」や「不適切保育の防止」に関する研修を
ご依頼いただく機会が増えています。

実はこの研修の準備のおかげで、私自身本当に勉強とそして反省をした次第です。
それは、保育現場で「不適切」とされる言葉がけが、
そのまま『大人のマネジメントや部下育成(子育て)にも当てはまる』からです。

例えば、無意識のうちに(嫌味とかいうつもりじゃなく…)
メンバーに対してこんな言葉を普通にたくさん言ってしまっていることに
改めて気づいたんです…。

「他の人はもっと早くやってるよ」
「急いで! これ終わらないと帰れないよ」
「これができないと、やばいって…」

皆様、いかがでしょうか。
「ハッとした」
「焦っている時に言ってしまうかも…」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

私自身も現在中学生になる娘の子育ての中で、

「〇〇しないと、〜させてあげないよ」
「みんなやってるから、〇〇もしないと…」
といった言葉を、1日に何十回も言っていたなと
猛反省したばかりです。

これらは決して悪意があるわけではなく、
「相手(メンバーや子ども)をなんとか動かそう」
「チームをまとめよう」
とする一生懸命さや、業績へのプレッシャーから無意識に出てしまう言葉です。

しかし、言われた側からすると
「脅し」や「比較」「一方的な押し付け」として受け取られ、
結果的にモチベーションや自主性を奪ってしまいます。
(何度も言われると…心が傷付く、もありますね)

では、こうした言葉を現場でどう防ぎ、
自発的なチームを作ればよいのか?
ポイントは大きく2つです。

1. 「肯定的な言葉」と「目的」に言い換える
「〇〇しないと〜させない」という否定的な条件付けは、
「これを達成したら、次の〇〇ができるね」
と肯定的な見通しに変えるだけで、相手の受け取り方が大きく変わります。

「急いで」という曖昧な指示も、
「〇日までに終わらせるために、今日はここまでやろう」
と具体化することで、相手は安心して動くことができます。

2. リーダー自身に「心の余裕」を持たせる環境づくり
強い言葉が出てしまう時、リーダーの心の中には
「焦り」や「余裕のなさ」があります。
スケジュールに少しの余白を持たせること。

そして何より、「今いっぱいいっぱいだから手伝って」と、
上司自身がチームにSOSを出せる心理的安全性こそが、
マネジメントの質を保つ最大の防波堤になります。

マネジメントの改善は、決して「リーダーの言葉尻を監視すること」ではありません。
リーダー自身が心にゆとりを持ち、
メンバーと前向きなコミュニケーションが取れる環境を作ることこそが、
本質的な解決策です。

私は研修でも、こうした
「無意識の言葉の改善(コミュニケーションスキル)」から
「心理的安全性の高いチームビルディング」まで、
受講者の方に、ある意味「偉そうに」前に立ち、研修しているわけですが…
自分はどうなの?と振り返ると、子育てにおいても社内のマネジメントでも
反省することが本当に多かったです。

喉元過ぎれば熱さ忘れる
ではないですが、何か問題が起こった時には
その原因や自分自身の言動を振り返り反省するんですが
ついつい日々の中で、忘れていってしまいます。
特に無意識のコミュニケーションは
無意識なので、自覚がなかなか出来ない…。

私もいつも研修をするたび、新しいコンテンツを作る際に勉強するたび
あああ…。そうだった…。
と反省ばかりです。
だからこそ、インプットする機会って本当に大事だな、と思います。

アンコンシャスバイアス実感体験

先日、アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)に関する研修を
実施してきました。
その際、思い込みの危険を伝える例として「カマス理論」をご紹介しました。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、このような実験です。

水槽の中に肉食魚のカマスを入れ、透明なガラスの仕切りを挟んで、
反対側に餌となる小魚を入れます。
カマスは小魚を食べようと突進しますが、何度もガラスにぶつかるうちに
「ここから先には行けない」と学びます。

しばらくして透明な仕切りを外しても、
カマスは「見えない壁がある」と思い込み、
目の前に小魚がいても食べに行こうとしません。

これは、「本当はもう障壁などないのに、過去の経験や思い込みによって
自らの可能性を閉ざしてしまう」
という戒めとしてよく使われる理論です。

研修の休憩時間、ある受講者の方から非常に興味深いご質問をいただきました。
これまで何度もカマス理論をお話ししてきましたが、
このような視点をいただいたのは初めてでした。

「カマスにも見えない壁の思い込みがあると思いますが、
『小魚側』にも思い込みがあるのではないでしょうか?」

その方の解釈は、次のようなものでした。
「小魚は『壁があるから絶対に食べられない』と安心しきっている。
でも、本当はすでに壁が取り払われていて危険な状態なのに、
それに気づかず悠々と過ごしてしまっている。
これはつまり、『味方だと思っていた人が実はそうではなかった』
『危害を加えられないと思っていた人から、実は狙われているかもしれない』
というような、もっと危機感を持てという教訓にも聞こえました」

改めてカマス理論を再度説明した後、少しお話を伺うと…
その方は現在とても「追い詰められている心理状態」にいらっしゃるようでした。
「何でもかんでもマイナスに捉えてしまう」
「すべての矢印が自分に向かってきているように感じる」と、
ご自身の心理状態を「ダメなところだと分かっているんですが…」と
言いながらも仰っていました。
※研修内で実施したストレスセルフチェックテストでも
非常にストレスが多い、という結果をご本人も
「この通りなんです…」と見せてくださいました。

この出来事を通して、私はハッとさせられました。
同じ「カマスと小魚」の1つのストーリーであったとしても、
その時の心理状態や置かれている環境、背景によって、
出来事の捉え方や感じ方には信じられないほどの差が生まれるんです。

私自身は「カマスの思い込み(自らの限界を決めてしまうこと)」を
伝えたつもりでしたが、その方の心には
「小魚の危機管理(周囲への警戒心)」として響いていました。
これもまた、人間が持つフィルターであり、
ある種のバイアスの姿なのだと実感しました。

職場のコミュニケーションにおいても、
全く同じ言葉や出来事を共有しているはずなのに、
人によって受け取り方が180度違うことがあります。
「そんなこと言った??」と思うことも多く
これは私の言ったつもりの内容と、相手が捉えた内容が大きく違うからです。

「なんで分からんの??」
「なんでそんな風に解釈するん??」
と条件反射的に思いがちですが…
相手の捉え方に「おや?」と思うことがあれば、
その言葉自体(捉え方自体)ではなく、
相手の背景にある心理状態や状況に目を向けてみると、
本当のメッセージが見えてくるのかもしれません。
研修等でアンコンシャスバイアスをいつもお伝えしていますが
改めてアンコンシャスバイアスを痛感した出来事でした。

「答え=相手にとっての正解」は常に相手の中にある

最近、我が家の中学2年生の娘との間で、
ちょっと笑える(でも、私のプライドは折れつつ気づきのあった)事件がありました。
コミュニケーションの奥深さについて改めて考えさせられる出来事でしたので、
今日はそれをご紹介しますね。

中学1年の時に、演劇部(結構本格的)に入っていた娘。
2〜3ヶ月に1回は大会や学院祭があり、
役決めは毎回ガチのオーディションでした。
「選ばれなくて悔しい」
「どうしてもあの役がやりたかった」
という、まさに勝ち負けのある競争社会のど真ん中。

しかし、中2になった娘から突然の宣言がありました。
「私、演劇部やめて美術部に変わるわ。自分の好きな絵を描きたいねん」

私の心の中は…
「やっぱり、競争社会は向いてへんわ…。
私の営業遺伝子、欠片も引き継いでないわぁ…。」

そう思いつつも、そこは母として、
まずは彼女の言葉をしっかり受け止めようと試みました。
子どもは自分とは別人格。

「そっかそっか。
演劇部は毎回オーディションで勝ち負けが決まっちゃうもんね。
(勝気な子たちが多いしね…)
だから、競争じゃなくて、
自分のペースで好きな絵を表現できる美術部に移りたいってことやね。
うんうん、それもええんちゃう?」

前後の背景を踏まえ、娘の気持ちに寄り添いながら、きれいに要約。
いわゆるコミュニケーションの鉄則、「傾聴・オウム返し・復唱」のフルコースです。
私としては「完璧なヒアリングや…!」と心の中でドヤ顔をしていました。

ところが…。
まさかの大逆鱗!「私が考えたのに!」
なんと、娘が突然怒り出したのです。

「……なんかママと話してると、
ママが全部考えて決めたみたいでめっちゃ腹立つ!!!」

「えっ!?!?(頭の中に大量の『?』マーク)」

よくよく聞いてみると、こういうことでした。
娘にとっては、「自分で悩んで、自分で答えを出した大切なアイデア」だったんです。
それを、私が傾聴スキルを使って前後の文脈から感情まで「きれ〜いに」
まとめて復唱してしまったせいで、
「まるでママが最初から論理的に導き出した結論」
のように聞こえてしまったとのこと。

「せっかく私が自分で決めたのに、
全部ママのおかげみたいになってるやん!」と。

お客様やメンバーとの会話では、この「要約・まとめ」こそが
安心感や相互理解を生む正解だと思っています。
まさか、その「きれいにまとめること」が、
思春期の娘の『自分で決めたというドヤ感』を奪い、
主導権を私が取った!みたいになってしまったんです。

「答え=相手にとっての正解」は常に相手の中にある

まじで。ほんとに。

思春期の娘との会話って本当に難しいですね(笑)。
「あの幼稚園の頃の無条件の可愛さはどこ行ってん!」
と心の中でツッコミつつ、
「これも自立(成長)への大切なプロセスや…」と
必死に頭に言い聞かせてイラつきを抑える毎日です。

でも、今回のことでハッとさせられました。
コミュニケーションの鉄則は「相手に合わせること」。
どれだけ自分が「これが正しいテクニック(正解=正論)だ」と思っていても、
相手が求めていなければ、それはただの押し付けになってしまうんですよね。

時には、きれいにまとめず、ただ「へえ〜!すごいな!自分で考えたんや!」と、
驚いてあげるだけの「余白」が必要だったのだと思います。

ビジネスの場でも、同じことが言えるのではないでしょうか。
良かれと思ってやった「完璧な提案」や「整理された結論」が、
実はお客様やメンバー自身の「自分で見つけた!」「自分で決めた!」
という喜びや納得感を奪ってしまっていることもあるかもしれません。

中2の娘に、コミュニケーションの奥深さを改めて教えられた母でした。
相手の「自分で決めた!」という気持ちや余白を大切に、
今日も一日、前向きに頑張っていきましょう!

みんな違うからこそ組織である

先日、ある企業様で一般職員向けハラスメント研修」を実施して参りました。
多くの企業様が直面しているであろう「あるある」について研修をしてきたので
そこでの気づきや想いを今日はお伝えしたいと思います。

最近、インターネットやSNSなどで「〇〇ハラ」という言葉を本当によく目にしますよね。
先日の研修でも、以下のような日常の些細な摩擦までハラスメントだと捉えている方が
非常に多くいらっしゃいました。

「スメハラ(ニオイのハラスメント)」
「フキハラ(不機嫌ハラスメント)」
「あの人、いつも言い方が少しきつい!」
「今日はちょっと機嫌が悪そう…」
「顔つきや雰囲気が、なんだか怒っているみたいで怖い」

こういった事例を挙げて、
「自分が不快・不愉快に感じたら、それはもうすべてハラスメントだ!」
という認識が、現場レベルで広く浸透しつつあるのを感じます。

しかし、こうした「インターネットや世間一般で言われるハラスメント」と、
「組織において法的に問われるハラスメント」は違います。

研修の中で「皆さんがハラスメントだと思っているその事象、
実は組織におけるハラスメントの定義とは少し違うんですよ」
とお伝えしたところ……
会場からは「えっ!?そうなの!?」と大きなどよめきが起きました(笑)!

その後のディスカッションで「これはハラスメントか否か?」
というケーススタディを解いていただいたのですが、
「今までだったら120%ハラスメントだと思っていたけれど、
今日学んだ基準に照らし合わせると違うよね…」と、
皆さんの視点がガラッと変わる瞬間を目の当たりにし、
しっかり学んでいただけたことが、私個人的にもすごく嬉しかったです。

そしてもう一つ。
現場には非常に根深い誤解がありました。
それは「相談窓口=懲罰機関」だと思っている方が多い、ということです。

「窓口に訴えたのに、なんであの人が罰せられないんだ!」
と不満を持たれるケース、皆さんの会社でも耳にしたことはありませんか?

これも研修の中でしっかりとお伝えしました。
相談窓口は決して「罰を与えるための機関」ではなく、
「組織を良くするための改善機関」なのです。

もちろん、調査の結果として組織の法的なハラスメントに該当すれば、
懲戒処分になることもあります。
しかしそうでない場合は、当事者間のコミュニケーションを改善する施策に乗り出したり、
再発防止に努めていくことこそが、窓口の本来の役割です。

このお話をすると、「なるほど…」と、深く頷かれる受講生の方が
たくさんいらっしゃいました。

「何でもかんでもハラスメントになるのでは…」
と腫れ物に触るようなコミュニケーションになったり、
逆に窓口への過剰な期待から不満が生まれたり。
こうした現場のモヤモヤは、「正しい定義」と「窓口の本来の役割」
を知ることで大きく改善できます。

さらに研修の最後では、もう一つ大切なことをお伝えしました。
会社という社会は、価値観や感じ方、考え方、そして物事の解釈の仕方が
まったく違う人たちが一緒に働いている場所です。
逆にこれが全員一緒、という組織の方がおかしいですよね…。

それが大前提だからこそ、
「相手はこう思うかもしれない」
「こう感じるかもしれない」
と、相手の立場や状況を踏まえた上で、お互いが一歩歩み寄って
コミュニケーションを取ることが何よりも大切になってきます。

今回の研修を通じて、受講生の皆さんが「正しい知識」という安心感を手に入れ、
お互いを思いやるコミュニケーションへの第一歩を踏み出してくださったことを、
私もとても嬉しく思いました。

みんな違うからこそ、強い組織である。
これはまさしくそうで、だからこそイノベーションも生まれるし
切磋琢磨も相乗効果もあります。
みんな一緒、の方が実は恐ろしい組織ですよね。
みんな違うからこそ起こり得る不愉快。
これはハラスメントではなく、その不愉快に気付き、
お互いに理解し合うポイントなんですよね。

皆さんの会社では、「不快=ハラスメント」という誤解は広がっていませんか?
もし「うちもそうかも…」と思われたら、
ぜひ一度、組織内の認識をすり合わせる機会を作ってみてはいかがでしょうか。

「AIの言いなりロボット」になる前に必要なこと

最近、チームのマネジメントや育成にAIをガンガン活用している私ですが、
(先日もお客様のAI活用について盛り上がりました(笑)!)
今日は、活用しつつも…頭をよぎる「落とし穴」についてお話しします。

AIの商談分析やトークの改善案って、ホンマに的確なんです。
「ここをこう直せばもっと良くなる」っていう正解を、
一瞬で出してくれます。
普段ずっと社内にいてメンバーの営業活動を見ているわけではなく
出張等での外出も多いので…
「これで教育の手間がめっちゃ省けるやん!」
って、最初は感動しっぱなしでした。

今のところ、メンバーもAIのアドバイスを素直に聞いて、
うまく営業活動に活かしてくれています。

でも、同時に怖さも感じています。
「このままAIが『完璧な正解』を出し続けたら、
メンバーはそのうち自分の頭で考えるのをやめてしまうんじゃない…?」と。

今はまだ大丈夫です。
でも、もしこのまま「AIの言う通りにすればうまくいく」
という環境に慣れきってしまったら、どうなるか。

「AIがこう言ってたので、この通りにやります」
「AIが作ったスクリプトやから、そのまま読みます」

そんな風に、「AIの言いなりに動くだけのロボット」になってしまう危険性が、
すぐそこまで来ている気がしたんです。

もし考える力を手放してしまったら、
想定外の質問をお客様からされた時にフリーズしてしまうし、
何より仕事への「当事者意識」が完全にゼロになってしまいます。

それを防ぐために、これからメンバーに絶対に身につけさせないといけないもの。
それは【まずは自分で考える癖】だと痛感しています。

具体的には…
① AIの言うことを「疑問視」できる知識を持つこと
AIは賢いですが、現場のリアルな空気や
お客様の感情まで完璧に読めるわけじゃありません。
だからこそ、「AIはこう言ってるけど、このお客様にこのアプローチでいいんかな?」
と、一度立ち止まって疑問を持てるだけの「基礎知識」や
「自分の頭で考えるベース」が絶対に必要です。

② 実際にやってみて、「自分の強み」と照らし合わせて振り返ること
AIのアドバイス通りにやってみて、「できた!やったー!」で終わらせないこと。
「実際に言われた通りやってみたけど、
私の『親しみやすさ』っていう強みには合ってなかったな。
次は自分のキャラに合わせてこうアレンジしてみよう」
という風に、自分の経験と強みをフィルターにして振り返るプロセスです。

AIが「最適な正解」を即座に出してくれる今の時代。
私たち人間の上司の役割は、その正解をただメンバーに実行させることじゃありません。
AIの答えを「絶対のルール」ではなく、
「自分で考えるための素材」として扱うように促しています。

メンバーを「AIの言いなりロボット」にするか、
「自分の強みを活かしてAIを使いこなす優秀なプロ」に育てるか。
それは、私たち上司が「自分で考える癖」をどう引き出せるかにかかっています。

もし、「最近、AIの出した答えに頼りすぎちゃうかな…」と少しでも不安を感じたら、
ぜひ今日から「AIはこう言ってるけど、あなたはどう思う?」
って問いかけてみてくださいね!

昨年よりも一気に夏が来た!と感じる暑さですが…
暑さ以上に、今日も熱い1日にしていきましょう!

「見守られてる安心感」と「おもろく働く」姿勢

GWも明けて、初夏を感じる季節になりましたね。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
そろそろ新入社員研修も終え、いよいよ現場配属という
企業様も多いかと思います。

一方で、5月中旬は新しい環境に飛び込んだ新入社員や若手社員に、
そろそろ心身の疲れが出やすい時期でもあります。

彼らのメンタルヘルスを守る上で一番効くのは、特別な制度ではなく、
現場の上司や先輩である皆様との「毎日の関わり」です。

「週末はゆっくり休めた?」
「ちょっと顔色疲れてるみたいやけど、大丈夫?」
といった些細な気遣いが、
「ちゃんと見てくれてるんやな」という強力な安心感に繋がります。

新しい環境でプレッシャーを感じている新入社員にとって、
上司や先輩との毎日のちょっとした対話は、不安を解消するための大事な時間です。

また単に不安を解消するだけではなく、それに加えて、
先輩や管理職自身が「おもろく働く」背中を見せることも、
立派なメンタルケアになります。
「今日こんな失敗やってしまった~」と笑い飛ばしたり、
「この仕事のこういう所、けっこうおもろくない?」
「このお客様、じつはこんな課題を持ってらっしゃってて…
そこでこんな風に盛り上がったわ~」
とポジティブな面を共有したり。。。
肩の力が抜けたコミュニケーションが、
ガチガチに緊張した新入社員の心をスッと軽くしてくれます。

ここで意識していただきたいのが「ワクワクおもろく働く」というスパイスです。
真面目に指導する時間も大事ですが、
時には「最近なんかおもろいことあった?」と聞いてみたり、
新入社員の失敗を「それ、ええネタになるな!」と笑いに変えてあげたり。
仕事の「おもろさ」を一緒に見つける関わりが、最高のストレス発散にもなります。

いわゆる今の時期の五月病。
気温差の激しい気候で、疲れが溜まっている時はどうしても体調を崩しやすくなります。
もうベテランの社会人にとってみれば、
そんな体調管理も社会人として当たり前!と思うところもありますが…
社会人になってまだ日の浅い新入社員や若手社員にとっては
まだまだ「当たり前」にはなっていないものです。

「ちょっと疲れ溜まってへん?」
「休む時はしっかり休もうね」と、
上司や先輩から率先して声に出してもらうことで、ふっと心が軽くなります。
心も体も健やかに「おもろく働ける」風土を作っていくことが大事ですね。

船上の一座建立

先週末、今年はじめてのタイミングをしに宮古島に行ってきました。
今回も2日間のダイビングでしたが、前回10月の時と同じメンバーでした。(偶然!)
ダイビングをすると、船の上の休憩時間は結構長いです。
宮古島では1日3本潜りますが、1本目と2本目の間は1時間弱ほどあり、
2本目と3本目の間もお昼休憩を挟んで1時間程度あります。
そして宮古島は港からポイントまで大体1時間位移動するので、
往復時間も合わせると合計4時間位が、潜っていないときの時間です。

私が宮古島が大好きな理由はいくつもありますが、
第1に、宮古ブルーと言われる海の色の青さ!!透明度!!!
第2に、宮古島特有の地形、横穴もあれば、縦穴もあり、
様々な地形があるので、宮古島でしか味わえないダイナミックなダイビングができます。
そして第3の理由が、とにかく潜っていない時間が楽しい!!です。

お互い苗字も知らず、呼び合う名前しか知らないメンバー同士ですが、
休憩時間にお茶会をしたり、一緒にご飯を食べる時も、みんな一緒になって
ワイワイ話しながら過ごす。
もう1000本以上潜っている熟練ダイバーさんから
いろんなアドバイスを受けることも有難い!!

海の中でかけっこしよう!と面白い提案が出てきたりもします!
とにかく宮古島の「この船」はとっても楽しいんです。
今回宮古島ではなかなか珍しい砂地に行って、
砂の上でフィンを脱ぎ、かけっこしました。
反則OKなんでもあり!のレースなので、チームを組んだり、足を掴んだり…
いろんな楽しみながら「海の底で泳がない」がとっても面白い経験でした。

新入社員や若手向け研修の中に、
茶道の心得から働くマインドを醸成するプログラムがあります。
そこで出てくる「一座建立」。
主と客だけではなく、その場にいる全員がお互いが気持ちの良い時間を過ごせるように
思いやりや配慮を持って、その場を楽しませようという心を持つこと。
働く上ではチームワークの醸成や生産性にも影響してきます。

自分だけでなく働いているみんなが「どうしたら気持ちの良い空間で働けるのか?」を
お互いが考え、それぞれ実行することです。
昨今では心理的安全性ともよく言われますね。

まさに船の上ではこの一座建立ができていたんです。
1日目は海上の波がひどく、とにかく船が大揺れに揺れている状態でした。
その中で私もかなり船酔いしていたんですが、
あったかい飲み物を入れてくれたり、この姿勢が良いよと教えてくれたり、
しばらくそっと放っておいてくれたり…。
楽しいときだけではなく、そうじゃない時も、お互いを思いやる。
この「船の上の泳がない時間」が私は大好きで、
何度も宮古島に行ってしまう理由の1つになっています。

つい先日4月が始まったばかりだというのに
気づけば、あっという間にゴールデンウィークです。
新入社員の方々もみんな少しずつ仕事や職場に慣れ、
そしてゴールデンウィークが明けたら現場配属の会社も多いと思います。

入社したばかりで緊張している新入社員だけでなく、
先輩方や職種が異なる人たちも、ほんの少し意識をして周りを見てみる。
そうすることで、お互いが気持ちよく、
そしてお互いが生産性を高められる職場づくりにつながると思います。
来週はゴールデンウィークですのでメルマガはお休みになります。
また再来週お会いしましょう!
皆さま、素敵なGWを!

新入社員への応援メッセージ

この時期4月は新入社員研修と、
また新入社員を育成するトレーナー側やメンターの研修が続いている山口です。
新入社員研修をしていて、率直に、本当に可愛らしい、と感じます。
これも私が彼らの母親くらいの年齢になったからだと思います。
どうしても親の目線で見てしまいます(笑)。

まだまだ学生気分が抜けていない方も多いですが、
素直に吸収しようという姿勢が非常に強く感じられる毎日です。
ここ数年、新入社員研修をしてきて変化に感じることが
まず第一に、数年前までは働く目的がお金や生活のため、自分のやりたいことをやるため
と言うのが圧倒的に多かったものが、
いわゆる社会貢献といわれる領域がの意見が多くなったと思います。

誰かの役に立ちたい
地域の役に立ちたい
この意見がヒントを出さずとも、すらすらと出てくるようになっているなぁと感じます。
これはもちろん就職活動の際に、そのような教育を受けている影響もあると思いますが、
入社した当時、彼らは本当に役に立ちたい思考ってすごく持っているなぁと思います。

またもう一つ。
親に恩返しをしたい、もかなり多く出てきます。
正社員として就職をするのが、親がやっぱり喜ぶから、だったり、
今まで育ててもらった恩を、自分もにこれから返していきたい
というような意見も素直に出てきます。

私が新入社員だった約30年ほど前には、恥ずかしながら…
こんなことを言っている人が私自身も含めて、あまりいなかったように感じます。
もちろん心も中では思っていたかもしれませんし、
実際に給料日には親にご馳走する人も実際にいたと思います。

ただそれを口に出すのは、何か恥ずかしかったり、虚勢を張っていたりした思いますが、
最近の人たちは、これを素直に言えるところが、
ほんとにすごく素直な人たちなんだなぁと感じます。

研修をしていても、体ごと前に向けて聞いたり、メモをものすごく取ったり、
何か私が疑問形で尋ねると、口々に答えたり、
本当に反応が良く素直だなと思います。

最近の若者の傾向は…みたいなことも言われることもありますが、
改めて彼らと直接接してみると、良いところがすごくたくさんあることに気づきます。

ただ残念なことに、これが1年2年と経っていくと、
いつしかそれが薄れていったり、気づかないうちに変わっていったりしています。
誰かの役に立ちたい気持ちよりも、もっと給料が欲しいに変わっていたり、
いろんなことにチャレンジをしたいよりも、できる限り楽に仕事をしていたいに変わったり
いろんなことを1つ残さず吸収しようよりも、なんだかめんどくさいなぁに変わっていったり、
もちろんそうではない人もたくさんいらっしゃいます。

だんだんと当初の気持ちが、自分でも気づかないうちに変わっていったりしてしまいます。
改めてこの4月の新入社員の彼らを見ていると、
自分がフレッシュだったときの気持ちを思い出す機会に恵まれます。

だからこそ、これから新入社員研修を終えて現場に出たとき、
教える側や、周りで支える先輩たちもいろんな思いはあると思いますが、
こんなこともできないのか
ここまで教えないといけないのか
(これも実際によく現場で聞く意見ですが)
と頭ごなしに思うのではなく、

彼らは入社したときには、明るい未来を夢見て、
自分が社会人になり、誰かに貢献し、
そして自分じゃなくてはダメだと言われるような存在意義を見出したい、
と思っている気持ちも、ぜひ汲み取っていただけたらと思います。

連日の研修で
仕事が創り出すものだし、やりがいは最初からはないし、
居心地が良くて優しい上司に囲まれて、
残業も少なくて、周りもいつも優しく教えてくれて、
みんなが応援して支えてくれる。
自分のやりたい仕事ができて、自分の成長を感じられる。
そんな夢のような職場は最初からは絶対ない。
それは自分で創り出すものだと熱く彼らに語っています。

すると彼らも、理解をしてくれているように私には感じられます。
ただ実際に現場に配属になると、今までになかった壁に打ち当たったり
できない自分を痛感して挫折を味わったり
いろんなストレスも感じます。

ストレスとは、自分が成長している成長痛だと捉え、楽しんでいただけたらと思います。
もうすぐ5月。
ゴールデンウィークが明けると現場に配属になる新入社員たちも多いです。
今の彼らの、仕事に対して大きな夢を持ち、こうなりたいこんなことをやってみたいを
いろんな壁を乗り越えながら、彼らがいつか自分の存在価値を自分で創りだせるよう
期待をしてやみません。

がんばれ、新入社員たち。
今日もそんな気持ちを込めて研修をしていきたいと思います。