今は分かり合う時

先週1週間、いろんな会社様で管理職研修三昧の1週間でした。
管理職研修といっても各会社様によってプログラムが若干異なりますが、
3日間の研修は傾聴やコーチング。
ですので、私も先週1週間コーチング三昧の1週間でした。

どの企業様でも休憩時間にたくさんの方がご質問に来られ、
また先週は宿泊研修もありましたので、
懇親会にも、私も参加をさせていただいたんですが、
常にいろんな方からたくさんの質問をいただきました。
ありがとうございます。

また、このいただいた質問も、実はほとんど共通していて、
過去部下からこんなことを言われたときに、こんなふうに返答してしまった。
これは間違いだったでしょうか??
こんなことを相談されたときに、すぐにこんなふうにアドバイスをしてしまった。
これはやっぱりだめでしょうか??
といったように、皆さん普段の現場を思い起こしながら、自分に置き換えながら
研修を受けていただけることがよくわかります。

非常に勉強熱心な方々だなぁと思うと同時に、
この姿勢がいつもすごく大事だなぁと私も学ばせていただきます。
いろんな知識をインプットしたときに、今の自分の課題に置き換える。
そして事例を今の自分の事例に置き換えて考えてみる。

すると、あの時こうしたほうがよかったかも。
あの言い方が間違ってたかも。
と振り返ります。
もちろん相手あってのことですので、研修の中でご説明している回答が
常に全て正しいわけではありません。

研修の中でお伝えしている理論やメソッドは、あくまでも理論やメソッドです。
つまり、全て正解とは限りません。
いつも研修でお伝えしていますが、すべてがすべて万人に適用するわけではない。
大事な共通点としてはそういう考え方もあるんだな、
そういう感じ方もあるんだな、と
否定するのではなく、それもあるよねと思う(捉える)姿勢は
相手によらず共通で正解だと思います。

これ、私もすごく実感し、猛省するんですが、
私もいろんな知識を得て「これが正しいんだ」や、
「こういう方法もあるんだ」と日々学んでおりますが、
では実際にその場面に当たったときに、果たしてその通りのことができているか?
というと、そうではありません。
振り返ってみると、時には感情的になって言ってたな。。。
あの時は押し付けてしまっていたな。。。
と反省が常にあります。

大切な事は完璧にしようと焦ることではなく、
やはり学び続ける姿勢がすごく大事なのではないかと思います。

特に仕事においては、ある程度コントロールができるようにはなってきてますが、
家族の事や子供のことになると、このコントロールがやはり難しいです。
相手には相手の価値観や考え方があるとわかっていても、
特に子供の場合は、子供の人格はあるんだけど、
自分と同じなんだ、と錯覚をしてしまいます。

だからこそ、大事なのは
今、わかり合う時間なんだと思うようにしています。
会社のメンバーとも同じだと思うんです。

中には知識で学んだことと正反対の方もたくさんいらっしゃいますし、
そうじゃない ある意味知識通りの方も多くいらっしゃいます。
また中間もたくさんいらっしゃるわけです。

ですので、大事な事は習ったことと違う!と思うのではなく、
それも含めていろんな人がいるんだな、
今はそれを深めていってる時間なんだと捉えていただくと
自分をコントロールしやすくなるし、相手とも分かり合いやすくなるのでは?
と思います。
さぁ今日も1日研修です。いろんな方と分かり合う時間にしていきたいと思います。

コミュニケーションにロジカルシンキングを取り入れる

先日ある会社で、管理職研修を実施させていただきました。
今回のテーマはロジカルシンキングです。
ロジカルシンキングが苦手な方が多いんですが、
実は私も昔はロジカルシンキングがとても苦手でした。
お気づきの方も多いと思いますが、私は超感情人間なんですね。

ですから、自分で言うのもちょっと恥ずかしいですが(笑)
表情豊かだし顔にすぐ出ます。
その時の感情に左右される事は多々あります。

ただ20代後半時に「これではダメだ!」と思って、
ロジカルシンキングを学び、
そしてそれを常に意識して実践するように心がけてきました。

すると、今ではロジカルシンキングはとっても得意ですし、
論理的に考えることは意識しなくてもできるようになりました。
このロジカルシンキング。
いろんな手法があるんですが、
ポイントはチャンクアップとチャンクダウンの2つのスキルです。

ロジカルシンキングって物事考えるときに必要だよね
と思われる方も多いかもしれませんが、
もちろん色んなものを考えるときに、ロジカルシンキングは必須スキルになります。

しかしコミュニケーションにおいても
ロジカルシンキングは重要で、傾聴でも伝える時でも、
両方ともにおいてこのロジカルシンキングがとっても大事なんです。

傾聴の時に「オウム返しをしましょうね」とよく話していますが、
相手の言ったことをそのまま繰り返す。
繰り返して復唱するスキルです。
ただ、そのまま相手が言ったことを繰り返すのは一番難易度が低く
だんだん難易度が上がってくると、言葉を言い換えたり発展させたり
のオウム返しの仕方になるんですが、
言葉を変える、発展させるというのが正しくチャンクアップなんですね。

例えばこんなことを相手から言われたとします。
なかなかスキルがつかない…
目標が達成できない…
一生懸命頑張ってるんだけれども、成果が出ない…
気持ち的に落ち込んでしまう…
こんなことを言われたときに「そうだよね」と
相手が言ったことをそのまま繰り返す以上に、
これを一言でまとめて…
そっかいろいろ頑張って、今成長途中なんだよね
と一言でまとめる。
この一言でまとめるときに、
そっか辛いよね
とネガティブに一言でまとめる方法ありますが、
これはコミュニケーションにおいては有効ではありません。

頑張って今成長途中なんだよね、と言うポジティブな言葉で
チャンクアップをしてあげると、相手にそれがインプットされます。
しんどいんだ。ダメなんだ、とネガティブなインプットではなく、
成長途中なんだとポジティブなインプットをすることによって、
相手の気持ちを前向きにすることができます。

またチャンクダウンもコミュニケーションでよく使います。
例えば相手がこのやり方って非効率だと思うんですよね。
と言った時に…そっか非効率だと思うんだね
と分かったつもりで終わるのではなく、
具体的にどういうところが非効率だと思う??
と聞いてみると、この「非効率」がチャンクダウンされます。
すると実際に聞いてみると非効率ではないじゃん!と言うことも多々あります。

次に、伝えるときに、このロジカルシンキングはとっても必要になります。
相手にわかりやすいように具体例を出したり、
相手に納得感を持たせるために、客観的なエビデンスを示したり、
また身近なものに置き換えて例を挙げる(メタファー)ことによって、
相手の理解度はさらに上がります。

ですので、聞くだけではなく、伝える時にもこのロジカルシンキングは必要なんです。
ロジカルシンキングは、何か物事を考える、組み立てるときに必要なスキルだけではなく、
コミニケーションにおいてもとっても必要なスキルなんです。
ぜひ皆さん、チャンクアップ、チャンクダウン、
普段の会話の中に取り入れてみてください。
そうすることでトレーニングされ、無意識にできるようになります。

実は脳的に今がピーク!!!

先日ある会社様の5年目の方々へ研修を行って参りました。
終日コミュニケーションスキル。
伝えるスキル、聴くスキル、アサーティブコミュニケーション。
そしてそれを複合した営業場面を想定した営業スキル向上です。

各スキルごとにトレーニングを行い、ロープレをして
徐々に難易度を上げていく。
皆さん、最初は全然出来なかったのが、
研修終了後には見違えるほど、出来るようになっていきました。

全く同じ内容ではないですが、管理職向けに
部下育成のスキルとして、傾聴スキル、面談スキル、ポジティブに叱るスキルも
同じテクニックを使うので、同内容に近いことを実施して頂くのですが
成長スピードは、断然若い人の方が早い!!
(個人差ももちろんありますが、見てても成長早いなと私も感じます。)

実際に参加者の感覚的にも
若い方は、研修終了後には、なんとなく出来るようになってきた
が多いのに対し、
管理職層(40~50代)になると、分かるけど難しい…
なかなか出来るようにならない、と感じる方が多いんです。

歳を経ると、学べない学ばないと言われることも多いですが、
本当にそうなのか??ちょっと調べてみました。
脳のピークはいつなのか??
脳機能によってそのピークは違うようです。

  • 情報処理能力:18歳前後
  • 名前を覚える力:22歳前後
  • 顔を覚える力:32歳前
  • 集中力:43歳前後
  • 感情認知能力:48歳前後
  • 基本的な計算能力:50歳前後
  • 新しい情報を学び、理解する能力:50歳前後
  • 語彙力:67歳前後
  • 知識や経験による判断力:60代

と、私にも嬉しいピーク時が並んでます。
確かに、
こう見ると、新しい情報を学び理解する能力は50歳前後がピークなんですが…
なぜ歳を経ると、成長スピードが遅いと感じてしまうんでしょうか?

それはいい意味でも経験値があるから、なんですね。
それまでの自分のやり方が身体に沁みついてしまっていて
なかなかそこから新しいやり方への転換が難しい、からです。

でも脳的には、50歳前後が最も新しい情報を学び理解するピーク時ですので
決して、年を経ると学べない、ということではないんです。
自信を持って、新しいことを学び、それを身に付けていけるんだ!!
と思って頂ければ、夢があるよね、と感じます。

更には語彙力については67歳前後がピーク。
ということは、話したりまとめたり、訴求したりも
67歳前後がピークということは、
まだまだこれから伸びしろいっぱいあるなぁとワクワクしますよね。

情報処理や覚える能力は20代をピークに下がりますが
コミュニケーションに必要な感情認知、語彙力などは
50~70代とピークを迎えるようで、
そう考えるとまだまだ私たち中年世代にとっても
全然イケてる!!と希望が溢れてますね。

歳なんで…新しいこととかチャレンジとか…難しいんです。
ではなく、中年なんで、今が学びのピーク!と思うと
毎日の色んな気づきや学びがワクワクキラキラしてきます。
まだまだ50歳は人生のたった半分。
まだまだ私たちは成長過程なんだと嬉しくなった山口でした。

共感は態度で示すこと

先週も…新入社員研修から管理職研修、クレーム研修と
毎日様々な研修を実施している山口です。
先週ある会社様でカスタマーハラスメント(クレーム対応)研修を行ったんですが、
クレーム対応に必要なスキルは、皆さんよくご存知のように「傾聴」なんです。

お客様の話を親身になって聴く姿勢そのものがクレーム対応では必須になります。
この傾聴スキル、当然上司の話を聴く時や、部下メンバーの育成、営業の場面
面接、そしてクレーム対応と様々な場面で使うスキルになります。

傾聴というのが既にもう一般的になっているので、
皆さん聞かなきゃいけない!聞かなきゃいけない!!
=質問もしなくてはいけない
と思っている方も多いです。

しかし、傾聴の一つ前の共感が実はとっても大事なんです。
共感っていうのは「そう思う」と心の中で思うだけではなく、
私もあなたの気持ちがわかりますよ。同じ気持ちですよ。
と言葉に出して、態度で示して伝えることなんです。

先日のクレーム対応研修でディスカッションを行いました。
こんなクレームに対して、具体的にどう対応する??です。

「頼んでいたものと違うものが来た!金返せ!!」
このクレームについてどう対応しますか?
とディスカッションを行いました。

多くの方が、「金返せ」の言葉があるので、これは理不尽だ!カサハラだ!と
感じられた方が多いですが…
クレームの多くは、「表面的な言葉として出ているもの」と「本心」が違うんです。

この相手の気持ちになって考えてみると、
お金を返して欲しいが主ではなく、頼んでいたものと違うんじゃないか?が
1番言いたかったことだと分かりますよね。

もちろんこれが店側の提供ミスによって間違えてしまったのであれば
真摯に謝り、返品や交換する対応になりますが、
もしこれがお店のミスではなく、お客様の勘違いで
間違ってる!と思いこんでいらっしゃる場合は、
共感傾聴のスキルが使えるんです。

研修の中で私も具体的に例を出して実演しました。
私があなたに「お水をください」とお願いしました。
あなたは私に水を出しました。
でも、私から「これお水じゃないよね。コーラだよね。お金返してよ。」
といきなり言われたんです。
さぁ、なんて返します??

ほぼ100%の方が…
「お水ですよ。どう見ても…お水じゃないですか??」と返されました。
これ、正しいんです。正論なんです。

また、どう見ても水だと分かっているので
「いやいや…私は間違えてないですよ。間違えてるのはあなたですよ。」
と犯人探しをしてしまう。

共感の正しい返答は…
まず第一声に…
「えっ!!ほんとですか!!??コーラですか!!??」
とまず一緒になって驚くこと。
これがすごく大事!!相手と同じ心境になっている!を示すことです。

そして次に
「ほんとコーラだったら絶対ダメなんで、すぐ確認しますね!」
と飲んでみたり、持って行って確かめること。
ココでのポイントは、相手にとって大切なので、確かめますね、が伝わること。

最後に…
正論を伝えます。
「今、私もひと口飲んだんですけど…これお水です。でも間違いやすいですよね。」
と伝えます。
ココでのポイントは、思い込みや思い違いをしたのは、
決してあなたのせいではないですよ、を伝えること。

共感とは…自分が相手の立場に立ってどう感じるか?を表現することです。
水を頼んだのに、コーラが出てきた!
という状況に置かれた相手の心境です。

驚いたり、残念になったり、失望したり、の感情を
一緒になって演じること。
演じると言うと、少し芝居がかってしまうかもしれませんが、
一緒になってやる!と思っていただけると分かりやすいかなと思います。

この水とコーラの例を出して実演をすると、多くの方が
ほんとだ!!!と納得感を持ってくださったんですね。
傾聴は質問をすることが大事なのではなく、
相手の立場や状況を理解し、同じ気持ちになり、
同じ立場になったつもりで発言をする、表現をすることが共感なんです。
いろんな場面で使える、使うスキルになります。
相手の心境を一緒になってやる!を意識してみてください。

分かりやすい伝え方

ゴールデンウィークも終わり、研修ラッシュが続いております。
ありがたいことに1週間に4本5本と、毎日研修を実施させていただいております。
その中で多くの方からこんな質問をいただきます。

山口さんの研修はとっても話し方が上手で、
今まで受けた研修よりもストンと内容が落ちてきやすいです。
どうしたらそんなにわかりやすく話ができるんですか??

ありがとうございます。プロですから(笑)と言いたいところですが、
これにもいろんなスキルがあるんです。

まず1つ目。
相手にとって、わかりやすく聞こえる声を出すことです。
これ、結構私は研修中でも実演して見せたりするんですが、
声の出し方には胸式呼吸と腹式呼吸があります。

胸式呼吸と言うのは、胸で呼吸をして声を出すので、こもりやすいんですね。
反対に腹式呼吸と言うのは、歌を歌う時と同じで、腹筋を使って声を出すので、
お腹から声が出るんです。

つまり声が通るんです。

ですからこの複式呼吸で話すと、聞きやすい声になるんですね。
私の場合は終日研修の場合だと、1日7時間から8時間
ずっと話しっぱなしということがよくあります。

ではこの7時間8時間、どうしたらこの腹式呼吸で居続けられるのか?
これはもう訓練しかありません。
でも私は腹筋何回やるとか、筋トレとか…
実は大嫌いで、今までやったとしても、1日もできない位苦手です。

ではどうやって身に付いているのか?
ズバリちゃんと座ることです。
これは新入社員研修や若手研修の時にも、必ずお伝えしているんですが、
きちんと座れない方は、仕事ができないことが多いです。
脳に酸素が回りにくく、集中力が持たず
当然考えることも記憶することも劣ってしまうからです。

きちんと座るには、腰を立てて、背もたれにもたれず座ります。
腹筋が必要です。
何時間もこの姿勢でいる事は、慣れていないと(腹筋がないと)
辛い姿勢になりますが、
この姿勢をすることが当たり前になると、
腹式呼吸で話をすることなんて、簡単なんです。
ですからまず腰を立ててちゃんと座りましょう。
腹筋を使って!です。

次に話し方、これにもポイントがあります。
事実やデータなどを使ったり、学術的なことを話すときには
必ず「○○です」と断定の言い切りの言い方を使います。

そして事実やデータなどから基づき、私自身が思うこと、
特に私の経験だったり、私の過去の出来事を話したりするときには
「○○だと思います」と言うように、少し柔らかな良い方をします。
すると勝手に相手は、事実と憶側推測を分けて聞き取ってくれます。

3つ目。
難しい話をするときには、必ずメタファー(例え話:身近なものに例えて)
例を出すようにしています。

4つ目。
文章で説明するのではなく、絵や表を使って表現をします。

そして5つ目。
真面目な話ばかり続くと面白くありません。
聞いてて楽しいなぁ、面白いなぁ…時間があっという間に経つなぁ…
は面白いことが混じっているからです。
ですから、そういうときには敢えて私は、関西弁を用いて面白おかしく喋ります。
話すときの声も、関西弁を使うときには、
ワントーン上げて、やや早口で話します。
このように話し方に緩急をつけるんです。

ここ数日の研修で…
私も教えるときにわかりやすく教えられるようになりたい。
みんなの前で発表するときにみんなにわかりやすく伝えたい。
どうしたらそんな話し方ができるんですか??
と言う質問が多いので、今回そのネタバラシをしました。(笑)

お会いする時に…
「あぁ山口さん、このネタやってるなぁ」と
思わず優しく見守って頂ければ嬉しいです。
また、ぜひ皆さんもいろんなところで取り入れてみてください。

知識から気づきへ

先週、社内でコンプライアンスとハラスメントの研修を行いました。
今、ハラスメント防止法やコンプライアンスに関することは
年に1度は社員に向けて、このような研修を実施することが求められています。

特にハラスメント防止については、従業員数に関わらず
すべての企業が義務付けられております。
また、昨今テレビなどでもよく騒がれているコンプライアンス。
件数が一向に減らないハラスメント。
この両方とも、何が大事か??

多くの会社で、規定やルールがない会社はありません。
どの会社も守るべきルールがあって、
このルールは誰のために存在しているのか?
それはもちろん、従業員のためなんです。

特にコンプライアンスやハラスメントについては
知らなかった…そんなつもりじゃなかった…少し気が緩んでいた…
と言ったとしても、通用しません。
個人にも刑法や民法が適用され、懲罰になる可能性も十分にあります。

ですので、ルールは「自分を守るためにある」と理解していただくためにも
年に1度はこのような研修をし、浸透をし続けなければなりません。
もちろんそれは弊社も同じです。
いろんな会社様でコンプライアンスやハラスメントの研修をさせていただき、
内容はみんなよく分かっているとは言え、
では自分のことに落とし込んで、自分の会社に照らし合わせて
の機会は必要で、年に1回この研修を社内でも実施しています。

特にコンプライアンスについては…
ではうちの会社では何がコンプライアンス違反になるのだろうか?
と具体的にみんなでディスカッションをしてもらいました。

横領や着服はダメだ、は当たり前ですが、
例えば飲食店などで、自社やお客様の情報を大きな声で話をすることも
コンプライアンス違反です。
ちょっとした気の緩みでパソコンをつけっぱなしにして席を立つ…
これも情報漏洩=コンプライアンス違反になります。

よく私は研修でもおお伝えしますが、
コンビニ強盗しようと思うよりも、その数千分の1の労力や気持ちで
会社から窃盗すること(≒コンプライアンス違反に繋がること)は出来るんです。

だからこそ自分の行動はこれは正しいのかどうか?と厳しい目を
自分自身に持たなければいけませんし、
お互いに「それおかしくないと??」と言いあえる
心理的安全性を高めることも大事なんです。

弊社の社員も、いろんな企業様でコンプライアンスやハラスメント研修を
させていただき、研修に同席もしており、
ある程度の内容はみんな知ってはいますが、
改めて自分たちでディスカッションしてみて、
こんな身近なところで…こんな少しのことが…
コンプライアンス違反につながるんだと
しっかり理解してもらえたと思います。

研修と言うのはよく一過性と言われますが、
研修だけで終わってしまうのではなく、
その後の日々の現場の中で浸透させていくことが大事です。

ただ一方で
通常の業務と離れて、改めて学び、気づき、話す&聴く機会を
持つことによって、気が引き締まったり
そうだった!と思い出したり、
自分は気が緩んでたな…と反省したり、
と色んなきっかけになります。

知識を入れることも大切ですが、より大切なことは
自分の頭で考えてみること、そしてそれを発言すること
相手の話を聞いて、自分と照らし合わせてみること。
これらが気づくに繋がります。
気づくから行動変容が生まれるんです。
ぜひ皆さん今日もいろんなことに気づく1日にしてみてください。

やってみたら、結構できるようになる!

先日ある会社でクレーム対応研修を実施してきました。
クレーム対応について、最近ではカスタマーハラスメントもあるので、
クレーム=カスタマーハラスメントと思ってらっしゃる方も
中にはいらっしゃいますが、
当然ですがそうではありません。

クレームは大きく3種類に分けられます。
①ただ話を聞いてほしいだけのクレーム
②具体的な改善案を要求しているクレーム
③理不尽なクレーム
大きくこの3つに分けられます。

①と②が両方ある、が実際には多いです。
ではこの③の理不尽なクレームなんですが、
実際にワークで行っていただきました。

皆様に、自分が経験をした、
もしくは周りで見聞きしたクレームで
①②③それぞれ例を挙げてみましょう
をやっていただきました。
この企業様、様々な業態があります。
ですので起こりうるクレームも本当に様々あります。

グループワークを見て回ると、
この③理不尽なクレームに挙げられたほとんどが
実は①もしくは②だったことが分かります。
①もしくは②がエスカレートしていき、
理不尽なクレームにつながったというものが
実際にはほとんどなんです。
何でもかんでもカスタマーハラスメントではないんですね。

中にはお客様が大きな声を出してキレてくる!という、
まぁ一般的によくあるカスタマーハラスメントの行動だよねって言われるものも
最初からそうだったわけでは…ほとんどありません。

初期の対応が悪かったり、
対応そのものがぞんざいだったり、
言い訳ばっかりしてくると
結果ヒートアップしていて
③理不尽なクレームに近いような、
大きな声で威嚇するというクレームにつながっていきます。

およそ9割はこの①ただ聞いてほしい、
もしくは②具体的な改善策を求めているクレームの
どちらかなんです。
初期対応さえ間違えなければ、
カスタマーハラスメントと言われる、
理不尽なクレームは実は1割なんです。

もちろん中には、金品をせしめようと言う目的で、
最初から難癖をつけてくるクレームだったり、
SNSやウェブで晒すぞと
企業イメージを失墜させることを目的としたり、
それを脅し文句として使って
金品や補償を受け取ろうとする悪質なものも見られます。
これは最初から③理不尽なクレームに該当するわけですが、
このようなクレームがゼロではないですが、1割位です。

今回の研修では最初から③理不尽なクレーム以外の対応について、
皆さんに具体的にどんどん実践をやっていただきました。
実践をしながら…それ違うな…と思ったら、
個別指導でどんどん入っていき、こう言ってください。
こうしてください、とやっていくと。。。
皆さん少しずつですが、クレーム対応でこうしたらいいんだ!
をかなり体感をしていただきました。

途中、何度も私もクレーム対応者として
皆さんの中に入り、こうやるんだよと例を実演していったんですが、
皆さん自分がクレーマーの役割になって
私に対応されると、気持ちが収まっていく…もう言うことない…
とクレーマーの立場を体感していってもらいました。

クレームを言うお客様の心境や心理もよく理解できたと思います。
前回のメルマガでもお伝えしましたが、
クレーム対応、多くの方が苦手です。

昨日の研修でも最初に「クレーム好きな人?得意な人?」と聞くと
手は全く挙がりませんでした。
「どちらかと言うと苦手…絶対に嫌…!」は、ほぼ全員です。

でも研修でこのトレーニングを実施して…
じゃあ皆さん好きになりなしたか??と聞くと、
まぁさすがにそこはゼロでしたが・・・(笑)
でもあんまり抵抗感なく対応できるかなぁ。。。
そんなに嫌じゃないかな…って感じられた人!!
と聞くと…
そこは数人、手が挙がりました!!

これもやはり慣れなんです。
どんどんクレーム対応をしていくと
こういう方はこう対応したらきっと聞いてくれるよね。
こういう方はこういう答えを望んでるよね。
こういう方はやっぱり寄り添って、しっかり気持ちを汲んであげないといけないよね。
とある意味タイプ別とも言いますが、
個別の対応の仕方も身に付いてきます。

クレーム対応、多くの方が嫌がりますが、
実際ちゃんとスキルをつけてみると
意外と簡単と言えたりするんです。
クレーム対応だけれではなく、苦手かな、と思うことでもスキルを学んでやってみる。
すると「あっ!けっこういけるんちゃう??」になってきます。
やっぱりチャレンジとトライ&エラー、そして継続が大切ですね。

好きになるとスキルが付いて得意になっていく

先日ある会社様が主催されるフォーラムセミナーでの
ライブ配信がございましたので、
お客様先に行きライブ配信を行ってきました。

皆様、事前に申し込まれていると言うこともあって、
実技応答時間が10分ほどあったんですが、
10分の間ではお答えできないほど多くの質問をいただきました。
ありがとうございます。

改めてこのような機会をいただけたこと、
また皆さん真剣にライブ配信を見ていただき、
Q&Aなどで質問をいただけること、
とてもうれしいなぁと思います。

そしてその際の空き時間などにご担当の方といろいろ話をしてたんですが、
どうして山口さんてそんなに楽しそうなんですか??と言う質問をいただきました。

私は仕事はとっても楽しくて、大好きなんですけれども
仕事を楽しむ姿勢がすごく大事だなぁと思っていて。。。
現実として、今の私の仕事では、嫌な仕事とかやりたくない仕事は1つもありません。
でもじゃあこれサラリーマン時代や新入社員の時どうだったかなぁ?
と振り返ると…そうではなかったと思うんですね。

中にはこの仕事苦手だなぁとか、この仕事やりたくないなぁも
あったと思います。
ただあんまりそれを私は考えたことがなくて、
どちらかと言うと、じゃあどうやったら面白くするか??を念頭に
仕事をしていたように思います。

このよく言うんですよね。
好きなことを仕事にする。

これができれば、もちろん良いに越した事はないと思います。
ただこの好きなことって、変わっていくんだなぁとつくづく思います。

私の甥が小学校1年生頃から本格的にテニスを始め、
3年生の時には全国大会に出るなど、テニスでの才能が出てきました。
ただ…じゃあそれはプロになれるほどか?というと、そうではありません。

どれだけ練習をしても勝てない試合が続いたり、
どれだけトレーニングをしてもうまくいかない時もたくさんありました。
ただ本人はやっぱりテニスは楽しいと言って、、ずっと続けていたんですね。
中学の時も高校の時も遊ぶ暇なく、ずっとテニスをしていました。
大学もテニスの推薦で行きました。

今大学4年生になりましたが、1年ほど前に「テニス楽しい??」って聞くと、
楽しくはないよ。と返答が返ってきました。
もう楽しくはないんだけど、日常生活の一部かな…
そんなふうに答えていたのを鮮明に覚えています。

テニスをしていない他の大学生が遊んでいたりアルバイトをしていたり
すごくうらやましい。
どれだけしんどくても自分は練習しなきゃいけない。
どれだけ遊びに行きたくてもテニスをしなきゃいけない。
もちろんそれは自分が好きで選んだ道なんだけど、
やっぱり他の人を羨ましいなぁって思ったり、
もうやめてしまおうか。。。
なんていうのは何百回も思ったと言っていました。

これ、好きで始めたのに、
しんどいなぁ、他の人羨ましいなぁ、他のこと何かできるんじゃないかな?
って思ってしまう、良い例だと思います。
だからこそ、例え好きなことを仕事にしていたと仮にしても
それを楽しみ続ける努力ってやっぱり必要だと思うんですね。

実は私…。この楽しむ才能と言うのは昔からあったように思います(笑)。
高校生の時に物理の授業がありましたよね。
物理…私は…日本語と思えないほど理解ができなかったんです。

というのも先生はずっとぶつぶつぶつぶつ黒板に向かって何か書いてる。
彼にとってはこの物理っていうのは当たり前にわかること。
なので、すらすらすらすら物理の色んなことをしゃべってるんですけど、
苦手な私には、同じ日本語とは思えないほど全く理解ができませんでした。

当然授業はつまんないし、すぐ眠たくなります。
この先生、もう名前も忘れましたが…口癖があったんです。
モゴモゴしゃべっていて、「キューテンパー!」と大きく言いながら振り返る。
「キューテンパー!はい、山口さん!」みたいな感じで生徒を当てる。
この「キューテンパー!」9.8なので、
おそらく重力か何かの数字だったような気がすると思うんですが、
まぁそれすらも当時もあんまりよくわかってません。

ただこの「キューテンパー」の言い方が数パターンあって、
それを分析して、どんな時にどのパターンを使うのか、
1回の授業の中で何回それをどのぐらいの割合で使うのかを、
ずっと私は数えてたんです。

授業は全然面白くなくて、物理も全然わからなかったんですけど、
実は眠気は吹っ飛んでいったんですね。
そしてそれを分析したり数えたりすることが結構楽しくなって
物理の授業は好きになりました。点数は悪かったんですけど(笑)。

こんなふうに、自分の苦手なこと自分が嫌いなことも
どうやったら楽しくできるか?
少なくともプラマイゼロに持っていくにはどうしたらいいか?
そんなことをするのに、私は昔から長けていたように思います。

これ仕事でも全く一緒です。
若いときにはクレーム対応が最初は苦手だなと思ったんですけど、
おお、今度はそう来たか!!??
そんな言い方普通する???
次はどんな言い方が来るか?
じゃあどう言ったら納得してくれるか?
そんな感じで楽しみ出していくと、全然嫌じゃなくなったし、
むしろ楽しくなりました。

数年経つと、もうクレーム対応の天才と言われるようになって
実はちょっとややこしいお客様は全部私のところに担当になる…
みたいなことにもなりました。
難しいなぁと思ってたことも好きになる努力をやってみると、
当然そこにスキルがついてきます。
そして最終的にはそれが得意なことになっていく。

苦手かな?難しいなぁ…嫌いだな…
と思う事でも好きになる努力をしてみてください。
これは決して難しいことではなくて、
どうやったら楽しくなるか?どうやったら面白くなるか?
ここに集中する、ことだと思います。
ぜひ仕事を楽しんでいただけたらと思います。

いい唸り

2日間ある企業様でハラスメント防止研修応用編!
を実施させて頂きました。
90分研修を1日4回。
多くの方にご参加頂きました。

この企業様では昨年度も基礎編ということで
ハラスメントとは何か??
なぜ対策が必要か??
NGな具体的な言動とは??
といった基本的なことはご理解頂いているので
今年度はハラスメントにならない具体的な指導の仕方を
ロープレ、そしてディスカッション共有していく
を実践してもらいました。

ロープレはDESC法に基づいて
特にE!C!
この2つが重要なので、必ずこの2つを入れて
指導してくださいね、とお伝えしました。

みなさんDESC方については
これまでにも聞いた事あるし、理解もされているんです。
でも実際にやってみると。。。
難しい!!!
と唸る方々続出です。
この唸る、いいことなんです。
今まで使っていなかった部分の脳が活性化していってる証拠です!

それ、全部DとSですよ〜
と部下役の方にご指摘されている上司役の方も
中にはいらっしゃいました。

知ってると出来るは違うんですよね。
またやってみて。。。
これ実際にやったら、結構しんどい。
DとSだけで、じゃあ宜しくね!
って指導する方が早いし楽です〜
というお声もありました。

そう。良い気づきですね。
普段はDとS中心の指導なので、脳がD、そしてS!
になってるんです。
これを意識して、E!次にC!に脳を鍛えること
これが実践でトレーニングです。

慣れてくるとDもSもなしで
EとSのみ伝えるだけで
DとSは勝手に本人が自分で考えて自分で解決してくれるようになります。

DESC法だけではなく、どの研修でも
どのプログラムでも同じですが
知識として知っていることと
実際の出来ることは全然違います。 

どれだけ知ってても、使って、使って、
使い倒して、初めて自分のものになります。
これが所謂「出来る」状態です。

そしてそれをまた体系化したり
経験から知恵にしていき
その背景やなぜ?の部分まで繋がっていくと
本質の理解になります。
ここまでいかないと、人には教えられない。

そろそろ新入社員も現場配属となり
現場でOJT指導をすることも多いと思います。
是非唸りながら、今の自分の知識や経験を
本質的理解まで深めていき、教えてあげてくださいね。

夢やビジョンを描く

管理職研修を様々な企業様で実施させて頂いており
その中で、昨今必ず入れてほしいとご要望もあるプログラムが
ビジョンの浸透です。

これはスキルとは少し異なりますが
管理職にはマストな要素、ですよね。
ビジョンの浸透が出来ていなければ
当然モチベーションも維持しにくくなります。
大きな壁にぶち当たった時に、障壁が大きくなればなるほど
それを乗り越えるためのメンタルも必要になります。 
どの企業も「このビジョン共感できないわぁ」なんてものは1つもないんです。
どの企業のビジョンも、多くの人が共感できる内容です。
ビジョン=みんなで叶える大きな夢ですから、
「うちの会社だけ良ければいいよね」なんて内容は
絶対入ってないんです。
そもそもビジョンは社会的意義、ですから。

では、このビジョンを浸透させるには??ですが、一言で
個人のビジョンを組織のビジョンと融合させていくことなんです。
それはそうなんですけど、実際には…
いつも研修をしていて…個人のビジョンがない!!が一番よく出てくる悩みです。

先日の研修でも目標は分かるんですけど
夢とかビジョンとかなかなか分からなくて…
というご相談がありました。

大人になると…なかなか夢やビジョンは描けない、と言われますが、
これは原因の1つとして、考える機会が少なくなったからです。
子供はどんな大人になりたいか?をよく考える機会がありますが、
大人になると、どんな人になりたいか?を考えることもなくなってきます。

ミッションステイトメント、とも言いますが、
どんな人になりたいのか?を考えて、言語化してみることです。
例えば、自分のなりたい像をイメージして、
そのイメージを単語で表す、でも構いません。
1年に1回くらい、この考えて、言語化する時間を設けることが大事です。
これが一番身近な夢の具現化になります。

次に、これを組織=仕事に結びつける方法ですが、
仕事をしていて、嬉しいな、楽しいな、成長したな、
と感じる瞬間があると思います。

その都度、その感情やどんな時にそう感じたのか?を書き留めておきます。
この書き留めた言葉を繋ぎ合わせて「●●のために働いている=頑張っている」
といったような文を作成していきます。
これがビジョンやパーパスです。

特別なスキルは特に必要ないのですが、自分の想いや感情を言語化するのは、
やはり慣れが必要なので、都度都度、自分の感情や想いを言語化していく、
言語化しやすいように誰かに話してみる、が大切です。
まず…
①自分の夢を描く
②会社のビジョンと結びつける 
③実現のための目標設定する という順番です。
是非ご自身の、部下メンバーの想いを言語化してみてください。