娘の学院祭

皆さん3連休はいかがお過ごしでしたでしょうか?
私は3連休、とっても忙しい三日間でした。
日曜日に娘の学校の学院祭があり、娘は演劇部に所属をしているので
その講演を見に行ってきました。

また土曜日はそのプレ講演リハーサルということで、
保護者を対象にしてリハーサルをしてくれたので、
土曜日も日曜日も娘の学校に行ってきた次第です。

演劇部では3つの演目を行っていました。
中学生の部では恋愛物をテーマとした舞台で、
娘はその主人公に「カツアゲをするヤンキー高校生役」を演じました。
男の子です。

また高校生の部では娘は出ていないのですが、
認知症のおばあちゃんをテーマとした演劇で
15分程度の劇だったのですが思わず泣いてしまいました。

中高合同の演劇では「十二支の話」で娘は神様の付き人役をやりました。
これは男性とも女性とも言えない中性的な役割でした。

娘は中学生の部と中高合同の部と2つに出たんですが、
どちらも違った役割を上手に演じていて(親の目ですが…)、
初めての演劇、初めての舞台。
本人曰く…とっても緊張したらしいですが、上手にできていたと思います。

私も中高を私立一貫中高だったので、
中学の時からこの文化祭というものがあったのですが、
娘の学院祭に行ってみて…。
「あれ?こんなちっちゃい??」
と思ったのが、正直な第一感想だったんですね。

というのも、来場者も在校生以外には1家庭2名の保護者や家族のみ
の限定で外部のお友達を呼んだりはできません。
私が中学高校の時には誰でも呼んでよかったし、
名前さえ書けば誰でも入れました。

ですので、学校中が人でごった返していたし、
その分すごく盛り上がっていた思い出があります。
不特定多数の人が入ると、危ない…。
何か問題が起こってからでは…というのが今の時代だと思いますが、
何かちょっと寂しいなぁと感じました。

また文化祭の中の講演についても…
娘の学校はダンスが日本一なんすが、残念ながらダンス部の講演はありませんでした。
これはダンス部は運動部だから…と言う理由らしいです。

文化祭なので文化部が主催になるんですが、
私が中高のときには、クラスの出し物もクラブの出し物もあり
運動部も文化部も両方出ていたので、それはそれはすごく盛り上がって。。。

しかも文化祭も二日間もあって、二日間で回り切れない位だったんですが、
娘の学校は1日しか開催がなく(ほとんどの学校は1日が多いらしいです)で
数時間で全部回れてしまうという位だったので、
昔を知っている私からすると…なんかちょっと寂しいなぁと思います。

もちろん学校の先生の働き方改革や、学校の先生の負担が大きいこと、
いろんな危険があったりとか…。
出し物にしても法律もあり、自分たちで作ったものを出せない(業者に入ってもらう)など、
いろんな制約があるのが今の時代だと思います。
(昔がザルだった、でしょうが…)

もちろんそれはそれで安全になったでしょうし、衛生的になったと思います。
ただ一方で…なんかちょっと寂しいよねと思う部分もありました。
準備期間が短くて済む利点もあると思います。
私が中高の時には文化祭の準備は夏休み前から少しずつ始まり、
文化祭準備には丸一日半ぐらいかけて文化祭の準備に当てていました。
連日みんな遅くまで残り、私はダンス部もやっていたので、
連日練習の後、徹夜して衣装を作ってました。。。
要は、文化祭って一大イベント!だったんです。

学校生活は勉強するだけではなく、
このような学院祭や運動会、遠足や修学旅行などのイベント行仕事を通じて、
それぞれの得意なところを発揮し、自分の興味のあることを見つけ、
探究心や向上心、好奇心を育てること。
またいろんな人と触れ合うことで人間関係を学び、
そしていろんな人がいることでストレス耐性も学んでいくと思います。
これって、社会人にとってとっても大事なスキルですよね。

ですので、私個人としてはもちろん勉強も大事だと思うし、
先生方のご負担もあると思うんですが、
もう少しこのイベント行仕事っていうのを昔のようにしてくれたらなぁ…と思います。

最後に…
3連休の最終日の月曜日は娘の誕生日でした。
娘はいとこと遊びに行き、そこに私も合流をしたんですが、
もう中学1年生。
お誕生日の欲しいものも昔と随分変わりました。
昔はおもちゃやゲームだったものが、今はお洋服に変わっています。
こうやって成長していくんだなぁというのをありがたく思うとともに
元気で育っていることに感謝し、
またこれからいろんな経験をして大きな人間に育っていってほしいと願うばかりです。

ビジョンを自分の言葉で伝える

先週とある会社様で、有志の方々へのコーチング研修を実施してきました。
コーチングマインドやスキルなどを1日でぎゅーっと凝縮して学ぶ
プラスして知識として学ぶだけではなく
その都度その都度学んだスキルを体得していくワークやロープレも
ふんだんに盛り込み、1日終われば、参加者の方々も
ぐったり疲れたーという研修でした。

コーチングをする際に大事なことはいくつかありますが
その中でも、ビジョンを自分の言葉で伝えること!!が肝です。
特に企業内でのコーチング(上司の1on1面談など)では
このビジョン提示力がないと…

●●さんに聴いてもらってすっきりしました!
私のやりたいことが見つかりました!
でもこの会社では無理なので、転職します!
になってしまう可能性大です。

ですから特に上司からメンバーへのコーチングセッションでは
本人のやりたいことや夢を引き出し、
そのうえで、企業のビジョンと融合させていくことが肝になります。

と、ある方から質問を頂きました。

「夢」「目標」「ビジョン」「希望」といった視点が欠けているのか、
具体性をもってうまく自分につなげられません。
この視点は、訓練やスキル習得・習慣化によって身に着くものなのでしょうか。

確かに…普段の業務では、この視点はなかなか形成が難しいものです。
よく、目的と目標を混同しがち、と言いますが…同様に
夢=ビジョン≒希望で、目標は少し異なります。
まず夢=ビジョン≒希望から。

大人になるとなかなか夢やビジョンは描けない、と言われますが、
これは原因の1つとして、考える機会が少なくなったからです。
子供はどんな大人になりたいか?をよく考える機会がありますが、
大人になると、どんな人になりたいか?
を考えることもなくなってきます。
自分のなりたい像をイメージして、そのイメージを単語で表す。
これが一番身近な夢の具現化になります。

次にこれを仕事に結びつける方法ですが、
仕事をしていて、嬉しいな、楽しいな、成長したな、
と感じる瞬間があると思います。
その都度、その感情やどんな時にそう感じたのか?
を書き留めておきます。

この書き留めた言葉を繋ぎ合わせて
「●●のために働いている=頑張っている」
といったような文を作成していきます。
これがビジョンやパーパスです。

特別なスキルは特に必要ないのですが、
自分の想いや感情を言語化するのは、
やはり慣れが必要なので、都度都度、自分の感情や想いを言語化していく、
言語化しやすいように誰かに話してみる、が大切です。

最後に、目標ですが、これは夢やビジョンの実現のために、
「いつまでに」「何を」「どれくらい」を決めることです。
ですので、非常にリアルで、数字が入ります。
この目標設定にはある程度のロジカルシンキングスキルが必要になります。

順番は、
まず①自分の夢を描く、
次に②会社のビジョンと結びつける
③実現のための目標設定する
という順番です。

普段は業務に翻弄されてしまっている…
ついつい後回しにしてしまっている…
あと1か月で上期も終わります。
ぜひこの機に、想いを言語化してみてください。

個々の成長が顧客満足を高める

先日会社の研修で感じたことを今日はお伝えしたいと思います。
今回の研修も、講義よりもグループディスカッションがたくさんあり、
グループディスカッションを前向きに建設的に進めるために、
あらかじめリーダー役を会社から指定して実施していただきました。

もちろん研修の中でも、リーダーの役割はお伝えをしています。
①リーダーは自分の意見をなるべく言わない。
どうしても言いたければ、最後に少しだけにする。
現場でもディスカッションする時は全く同じですが、
リーダーが「こうなんだよね」と意見を言ってしまうと、
それに近しい意見が集まりやすくなってしまいます。
役職者や、年齢が1番上だったり、キャリアが1番長かったり、この場合も全く同じです。

②どんな意見が出たとしても、積極的に口に出して肯定をすること。
そうすることで、よりいろんな意見が出やすくなります。

③全員に同じ時間分、話ができるように配慮すること。
話が大好きな人と、話すのが苦手な人、いらっしゃいますよね。
話をするのが苦手な人にとっても、話をする機会を均等に与えることが
リーダーの役割になります。

④時間を有効的に活用すること。
もちろん時間オーバーもダメですが、もっと良くないのは時間が余ることです。
もし時間が余れば、リーダーは積極的に質問をして、議論を掘り下げてください。

⑤目的意識を忘れないこと。
何のためにこのディスカッションしているのか、
前向きに建設的に、より良いアイディアが出るために
ディスカッションしていただいております。
もちろん現場での課題や、個人の不満もあるかもしれません。
でもそこに終始してしまうと、どんどんネガティブな方向に話は行ってしまいます。
リーダーはこの軌道修正を行うことが役割になります。

以上5つがグループディスカッション等でリーダーが担う役割になります。
リーダーとして最も大切な事は、意見を押し通したり、
何か共通の意見を持ってもらうことではなく、
それぞれに自分の頭で考えてもらい、そしてそれぞれの意見を引き出すことです。
それぞれがより良いアイディアが出るように、リーダーは質問を掘り下げること、
これが1番大きな役割になります。

このように研修の中でもご案内をし、ディスカッションしていくわけですが、
中にはやっぱりディスカッションの5割以上をリーダーが話しているグループもあればネガティブなことに引っ張られて、終始愚痴や文句に終わってしまうグループもありました。
特にこの終始ネガティブなものに引っ張られてしまう。これは結構よく見られます。

ポジティブシンキングやセルフモチベーションなどの研修でもよく言いますが、
ポジティブな意見よりもネガティブな意見のほうに人が引っ張られやすいです。
というのも人は元来ネガティブな生き物だからです。

今回のテーマは、お客様の期待に応えるにはどうしたらいいか?
のテーマでディスカッションをしてもらいました。
あるグループの方が…まず最初に口火を切って…
お客様の期待がおかしいことが多いよね。
我々は専門職でそれぞれの専門所属についているのに、
他の専門の事を聞かれても知るわけないよね。
それを我々に求めること自体がお客様っておかしいよね、と。

こんな風に話をスタートすると、周りの方々も
「確かにそういうところもある」だったり、
「以前私もこんなふうに言われて困った」と
ネガティブな話題にどんどん引っ張られていってしまいます。

最終的にそのグループがい行き着きそうな結論としては、
そのようなお客様をお断わりしようという結論になっていました。
そうではありません。
(研修内では結論に行き着く前に、私からアドバイスを入れ前向きに転換して
議論を進めて頂きましたが…)

お客様の期待はもちろん多岐に渡ります。
自分が持っていないスキルや、自分の専門外のことを聞かれることもあります。
ただこれは会社単位で見るとそうではないのです。

その会社では、複合的なサービスを提供しているわけなので、
自分が持っていないからといって、
そのお客様が間違っている…や、
そのお客様が過剰…と言う事は無いんです。

ディスカッションの最中に
「個人単位で見るのではなく会社に対して顧客が期待していること」に目を向け、
総合的なサービスをお客様に提供するには、我々はどうしたらいいか?
ここへの具体的なアイデアや意見を出してくださいね、とアドバイスをしました。

人はやはり自分が中心です。
自分の基準で物事を考えてしまいます。
だからこそ大事なのは、常に第三者の視点を持つこと。
相手は何を求めているのか、相手にとって喜ばれる事は無いのか。
そしてそこに対して自分が提供できる価値は何なのか?

またその価値を日々高めていかなければいけません。
研修の中でも言いましたが、顧客満足と言うのは年々上がっていきます。
今年と同じことをしていたら不満になります。
今年よりも来年。来年よりも再来年。
自分自身が成長することにより、顧客満足を高める。
だからこそ、自分の成長を止めてはいけない。
そんなふうに感じた研修でした。

試行錯誤=成長

先日の管理職研修終了後、参加者の方からこんな質問を頂きました。
どれだけの信頼関係を築いても、成長を支援しても、
心理的安全性を確保してあげても、
現代の若手がそもそも会社を自身のステップアップのための踏み台にしか考えてなかったり、
売り手市場の現在、ライフイベントに合わせて責任を持たずに賃金が上げられる企業へ
移っていく考えである以上、ずっとこの会社で働き続けたいという
帰属意識や貢献意欲を持たせるのはとても困難だと感じます。
それならば、いっそのこと企業側がそのスタイルに合わせて
短期間で成果を上げさせ、長くは居続けない社員を
上手に使える体制・制度に変えていくのも一つの考えではないかと感じましたが、
これについてはどう思われますでしょうか。

仰る通り、これが一番の今の社会課題だと私も思います。
組織も変革し、指導も一生懸命しても、結局はさらっと辞められてしまう…
と心が疲弊します。

この疲弊感が正直大きいです。
そのような人を続けて数人指導すると、期待すら出来なくなってしまう…
という方も実際には多くいらっしゃいます。

私自身、起業する前はサラリーマンで管理職でしたので、
この疲弊感も何度も経験しました。
中小企業でしたので…10年間で100人育てて、3人残るかな、程度です。
でも3人残った、と捉えて続けていくしかない、を経験し、
自分がGMとなり、これを解消するために色んな具体策を実際にしていくと、
それが5人、10人と増えていきました。
諦めず、音を上げず、小さな改善をずっと粘り強くやり続けるしかない、と思っています。

短期間で成果を上げさせ、長くは居続けない社員を上手に使える体制・制度に変えていく。
これが世に言う欧米式、だと思います。

例えば欧米では、新入社員研修はそもそもありません。
出来る人が成果を上げていき、所得が増えていきます。
ですから年収100万円以下の人から、年収数億円まで貧富の差があります。

逆にレイオフも突然やってきます。
どれだけ真面目に働いていても、結果がでなければレイオフです。
多くの企業は最初から正社員採用はありません。
3~12か月使用期間があり、その間は極端に言えばいつでもクビに出来ます。

これは日本企業とはかなり違っていて、
どれだけ真面目に働いていても成果が出なければレイオフになり得ます。
正社員になっても、未来永劫なんてことはなく、期間更新制です。

この期間も個人の評価により年数が異なり、早い人は3か月単位です。
と言う風にかなりドラスティックなんです。
これは企業にとってみると、優秀な人材のみを育成せずに短時間で使える、
という魅力的に見える制度かもしれませんが、
一方で企業力がなければこれは成り立ちませんし、
人も企業も競争力によってこれは成り立つので、
人材の質も量も豊富な国でなければ成り立ちません。

日本は少子化で、世界競争力がまだまだ低い国ですので、
日本ではこの方式は成り立たないのです。
また日本人特有の国民性には合わないところも多いと思います。

ですので、日本式と言われているのが、
欧米式のジョブグレードは一部取り入れつつ、
終身雇用の良さも残した融合的な今の制度や方法(エンゲージメントを高める)です。

これについては、まだまだこれが正解だ、というのはどの企業も出ていません。
どの企業も模索しながら、です。
私個人の意見ではありますが、この模索する、というのがとっても大事だと思っています。
何が良いのか、何が正解なのか、は当然人や企業によって異なります。
万人に良いものはないと思います。

ただ、どの企業もどうしたらいいか?
を模索し試行錯誤し続けることが、人も企業そのものも成長だと思います。
管理職や経営層の役割とは、この模索と試行錯誤を諦めず、
粘り強く、やり続けることではないかと思います。

私自身、弊社の社員育成もそうですが
研修内容やコンテンツもチャレンジと試行錯誤の連続です。
でもこの試行錯誤が面白いなぁと思っています。

早いもので、もう8月も終わります。
あっという間に過ぎていく毎日ですが、その中でも
昨日よりも今日、今日よりも明日と
試行錯誤という名の成長を続けていきたいと思います。

個とは何か??

9日間という長い夏季休暇を終えられた方も多いのではないでしょうか。
私は前半は仕事をして、後半は墓参り、子供の宿題を見たり…
とゆっくりと過ごさせていただきました。

さて先日の終戦の日、何十年かぶりにテレビで「火垂るの墓」を観ました。
戦争に対して、いろいろ思うことはありますが、今日は少し違う視点から。

初めてこの映画を観たのはおそらく中学生か高校生の時。
その時には、戦争の悲惨さや反戦映画として捉えていたと思います。
一方で主人公の清太や節子に同情し、西宮のおばさんには「ひどい人や」と
嫌悪感を覚えました。
先日初めてこの映画を観た娘も同じことを言っていました。
「この人、最低や。」と…。

しかし私が思ったのは、西宮のおばさんが言っていることは
言い方は多少キツイですが、すごく真っ当で正論です。
「清太さんなあんたもう大きいねんから、助け合いということ考えてくれな
あんたらはお米ちっとも出さんと
それでご飯食べたいいうても、そらいけませんよ
通りません」
はい、その通りです。

また、初めて観たときには清太も節子も可哀そうすぎて気づきませんでしたが
彼らの周りには、たくさんたくさん手を差し伸べてくれた人はいたんです。
・学校で親切にしてくれた近所の女性
・遠い親戚にも関わらず清太と節子を受け入れてくれたおばさん
・家出した清太に、謝ってもう一度おばさんの家で暮らしなさいと諭してくれたおじさん
・畑泥棒で清太の罪をとがめずに、やさしく解放してくれた警察官

一方、自分勝手に好き勝手したのは清太だな、と。
・清太は働きにも出ないし、家の手伝いもしない
・家ではゴロゴロしてるか、節子と遊んでいるだけ
・散々お世話になっているのに「お礼の言葉」ひとつもない
・清太は亡き母の財産(結構な大金)を、分け合うことなく自分たちだけに使う
・勝手に調理道具を買ってきて、自分たちだけ食事をする。
 でも後片付けをしてくれたのはおばさん
じっくり見て…私が母の立場になったのかもしれませんが
そりゃ、勝手やわ、と感じました。

そして清太も節子も亡くなります。
でも餓死です。
もちろんこの戦争の時代でしたので、餓死の人も多かったと思いますが
隣組にも属していない、好き勝手やってきた彼らには配給もなかったでしょう。
もし、あの時好き勝手にせずに、おばさんの家で集団の中で
こうあるべき、をしていたら…と考えられました。

これは戦争だけではありませんが、世の中がすごく変わり、
私が小さい時とはずいぶん違う世の中になりました。
いわゆる社会的悪が少なくなっていて、多様性が認められ、
それぞれの価値観や考え方も認められ、誰もが生きやすい世の中になったと思います。
(まだ完璧ではありませんが…)
そして、それはとても良いことだと思います。

どんな価値観もそれを否定されることなく、それぞれが幸せに生きる権利を得られ、
それぞれの「個」を大事に出来る世の中になりました。

ただ、個を大事にするあまり、集団での在り方も変わりつつあります。
一昔前は「こうあるべき社会」で集団でのあり方が1つでした。
そこに異を唱えるとかなくて、こうゆうもんなんだ、だったんです。

例えば私は中高ダンス部でしたが、新入生は誰よりも早く練習場に来て、
掃除をして、休憩中も、自分は休憩せずに先輩方にお茶をいれ、次の準備をする。
練習が終わると、後片付けと掃除をして、
そして集合場所には誰よりも早く行かなければいけない、がありました。
それを「なぜ??」と思うこともなく、自分でも「新入生だから」と納得していました。

新入社員になったときも、先輩よりも早く会社に行き、
上司や先輩のお茶を入れ、机を掃除し、ゴミを片付け、
コピーを取ったり、来ているファックスを配ったり、郵送物を配ったり。
そして当然ですが、サービス残業という言葉もなく、
先輩や上司が帰るまでは帰れない世の中でした。
それを嫌だなとか、理不尽だと感じたこともあったと思います。
ただ、「なぜ??」と思うこともなく、これも「新入社員だから」と納得していました。

多様性を認め、それぞれの価値観を大事にする。
これはすごく良いことです。
そして、一昔前と比べて良い時代になりました。これも事実です。
でも一方で…
個を大事にするあまり、集団に居られない(居ることが辛く感じる)人たちも
増えたと思います。
色んな企業で研修をさせて頂いていて、世代間価値観の違いやダイバーシティ
ハラスメントなど様々な研修をさせて頂いておりますが
その都度、いつもこの問いに戻るんです。

価値観や考え方の違いも分かる
時代が変わったのも分かる
個が大事にさせることはいいことだ
でも、本当にいいことばっかり??

すぐに辞める人たち。
感謝の言葉も言わずに退職代行を使う。
メンタルメンタル、とすぐに言われる。
なんでもかんでもハラスメント。
好きなことを、好きな場所で、自分の得意な方法でやりたい。
挑戦して成長したいけど、挫折はしたくない。

これらを「今の時代はそうなんだね」と許容することではなく…
個を大事にするということは、個だけを大事にしてたらダメで
個を活かしつつ集団で貢献することなんだと思います。
会社や社会は集団です。
集団で貢献してはじめて、個が生きるのだと思います。
そんなことを考えさせられた8月15日でした。

仕事も人生も自分事

あっという間に8月になりましたね。
気が付けば今週1週間でお盆休暇に入る企業様も
多いのではないでしょうか?
先週も西へ東へ、今週も西へ東へ
色んな企業様に研修にお伺いしております。

この1か月で複数の企業様にて実施している管理職研修で
「現場でよくある、Z世代あるある」というプログラムがあり
タイトル通り、Z世代(だけではないですが)を中心に
最近現場でよくある、あるある事例について
どんな背景があるのか?そしてどう対応すべきか?
をディスカッションで学んで頂いております。

例えば…
テレワークで良くないですか??出勤って意味あります??
昼休憩5分遅れで取ったので、午後からの研修、5分遅くスタートしてください。
その仕事、明日でいいですか??
この仕事、嫌なんですけど、あの仕事をしていいですか??
などなど。

ただ、実際に研修をしてみると…
こんな人いてる??うちの会社には全然いないけど…
という会社様と(超羨ましい…)
わかるわかる~。毎日この会話してるわ。
という会社様と完全に二極化しているな、と改めて感じます。

全ての企業様でリサーチをしたわけではないですが…
前者は大手上場企業。後者は中小企業が多かったです。
(もちろん全員がそうではありません。)
やはり優秀な人は大手に集中しているのか、と改めて感じるんです。

加えて…
管理職になりたい、なりたくない、という若手の話もよく出ますね。
大手企業様の場合は…
うちのメンバーは管理職になりたい、という具体的な言葉ではないが
チームを持ちたい、プロジェクトリーダーをやってみたい
といった言葉はよく聞くけどね。
と仰います。(正直めちゃくちゃ羨ましい…)
もしかするとこれも企業規模によって違うのかもしれません。
この志向性も優秀たる所以なんでしょう。

ではこの優秀というキーワード、何をもって優秀というのか?
私は「自分事」に尽きると思います。
自分の仕事を、自分事として捉えていると
当然そこへの責任感も生まれるし、向上心も出てきます。
でもやらされ感や「会社の仕事」として捉えていると
言われたことだけやる、出来る限り楽な方法でやる
になっていきます。

新入社員研修でもよく伝える言葉ですが
仕事とは、相手があって初めて成り立つものです。
ですので、自分がどれだけ出来ていると思っていても
相手の期待を超えないことには、出来ている、になりません。
相手とはお客様も、お取引先様も、社内の他の人も同じです。

ですから常に、自分に掛けられている期待は何か?
自分がどう見られているのか?
何をすれば、相手に喜んでもらえるのか?
を行動し続けることが「自分事」であり、
それが相手の期待がどう変わろうとも、
応え続けられることが優秀だと思っています。

そして自分事になれば、仕事も人生も面白くなります。
先日お客様と会食の際に、仰っていたのが
「楽と楽しいは同じ漢字を使うけど、意味は真逆」です。
仰る通りだと思います。

他人事になれば、楽だけど楽しくない
自分事になれば、大変なこともあるけど楽しい
この違いですね。
大変なこともあるし、辛いこともあるし、もちろん凹むこともあるけど
でも楽しい。
そこには、自分事として自分から取り組むことが第一歩です。
毎日うだるような暑さですが…
皆様今日も自分の人生をめいっぱい生きましょう!

お知らせ
来週は夏季休暇により、お休みさせて頂きます。
8月19日に皆様お会いしましょう!

情報って大事よね

日曜日に久しぶりに自宅のマンションの理事会に参加しました。
1年ぶり位でしょうか。。。
というのも…3~4年ほど理事を勤めさせていただき、
毎回出席していましたが、
仕事が忙しくなったこともありますが、、、正直足が遠のいていたんです。

というのも、この理事会…
時間が本当にもったいないと感じてしまったんです。
うちのマンションは少規模で10戸程度です。
ですので理事会と言っても…理事以外の方も多く出てこられて
色んな話をします。

理事会(会議)と言うのは、今後マンションが何をしていくか?
を話し合って決めていくのが主な役割・目的になるんですが、
うちのマンションの場合は…
それぞれが言いたいことを言ってしまう。(議題に関係なくても)

特に文句や愚痴が多く、、、
理事会の時間が2時間3時間は当たり前。
日曜日はなんと!!!4時間もかかりました。(はぁ…)

この4時間のうち3時間はほとんど文句です。
だんだんイライラする方も増えてくるんですが、(私も含めて)
とにかく言いたくて仕方がない。。。ようです。

昨年ようやく大規模修繕を終えたのですが、
その大規模修繕に対して文句を言う方がいらっしゃいました。
ただその方は…
この7年間1度も理事会や総会に参加をされていらっしゃいません。

大規模修繕について、何を不満に思っていらっしゃるか聞いてみると…
あれをやってもらってない、これもやってない。
おかしいだろう。(前回の大規模修繕の時にはやってもらっていた)
これだけやってもらってないのに、この金額はおかしい

以前から理事会などにずっと参加してたメンバーは、
その内容はもうとっくに終わっている内容だし、
大規模修繕だけれはなく理事会で
みんなで話し合って決めたことを蒸し返されるので
当然「何を今さら???」になります。
というご意見です。

しばらくみんな聞いてたんですが…
とうとうある方が「これ、何の話してます??」
と口を切られました。

その後、それぞれのやり取りを聞いていて…
(私もやり取りに入りましたが…)
情報量が不満に繋がるってほんとやな、を目の当たりにしました。

理事会に参加せず、その過程も検討してボツにした内容も
業者様の選定にも参加しなかった人は、
自分の過去の経験だけの主観のみになるので、
やってもらっていない、と不満がたくさん出てきます。

でもずっと参加して、その過程で意見を出し
討議した人たちは、たとえ同じ結果でもそうは感じないんです。
この部分は、納期よりも料金を優先したから想定内とか
この部分は、今は必要ないって討議になったのでなしになる、とか。

更には、以前に大規模修繕をした時と、今とでは
当然法律も変わっているし、工法も新しいものも出来ているし
費用感も全然違う。

でもその理由も過程も比較検討を繰り返したので
参加してたメンバーは納得感があるんです。
参加してない人は、単に「金額が高い」と感じる。
この差です。

研修でもよくコンセンサスを得る、シナジーコミュニケーションをしますが
意思決定するプロセスに参加することで
情報量が増えます。
情報量が増え、意見交換することで納得感が生まれ
コンセンサスが生まれます。

意見交換も…自分はこう思う、だけではなく
その根拠や事実がないと、当然ただの「思っただけ」になりますね。
だから、根拠(しかも数字で)が必要なんです。

やっぱり情報量ってすごい大事だよなぁ。。。

プラスして情報の質(数値化して把握する)ことって
それによって主観も変わってくるから、大事よね、と
理事会の間ずーーーーっと思いながら
4時間を過ごし、疲れ果てた山口でした(笑)。

相手目線で考える

先日ある会社様でOJTトレーナー研修を実施してきました。
業務を通じて知識を教えるOJTトレーナーですが、
早くて2年目社員が実施することがあります。
一般的には3年目から5年目位の社員が多く、
業務がほとんど自分で完遂できるようになって
それを教える立場になる、が多いですね。

ハラスメント研修もいろんな会社様で実施させていただいており、
その時には私もよく申し上げますが…。
昨今ですね。
上司から部下へのハラスメントも、まだまだ悲しいことに見られます。
が、少し数は減ってきているんです。
一方で増えているのが、このOJTトレーナーからのハラスメントなんです。

というのも、この10年、多くの企業様でハラスメント防止に向けて
いろんな対策をされてきました。
管理職の方々には、その多くが一度はハラスメント防止研修を受けていて
何をしたらハラスメントになるのか、
どのような言い方をしなければいけないのか
はもちろんですが、
世代間による価値観の違い、考え方の違いも学んでいらっしゃいます。

ですので管理職の方からよく聞かれるのが…
わかってるよ。僕らの時代とは全然違うってことも。
わかってるよ。根性論が伝わらないこともわかっている。
昭和は古いよねって言われることもよくわかってるよ…。
と仰います。
言い方伝え方にはすごく気をつけているし、
寄り添って聞くように努力しています
という声も、ものすごく聞きます。
そう、管理職からのハラスメントは全部ではないですが
少なくなっていると私も感じます。

しかし一方で…OJTトレーナーからのハラスメントが増えてきているように感じます。
彼らは新入社員や若手のトレーニーの方々と、2~3歳しか歳は離れていないんです。(離れていても5歳程度)
そして教える側のトレーナーも、自分たちはまだ20代、同じだよね
という感覚を持ってる方々が多いです。

そしてまだまだ20代ですから、コミュニケーション能力もそれほど長けているわけではありません。
思ったままに感情が出てしまったり、
態度に出てしまったりということが見られます。

なんでこんなこともできないの?
この前もそれ言ったよね?
もう何回目だよ。(ため息をつく・露骨に嫌な顔する)
といったことが毎日続くと…傷付きますよね。

今回のOJTトレーナー研修でもそのようなことをお伝えし、
DESC法を通じて、ポジティブな表現をできるようになっていこうね
とスキルを学んで頂きました。

休憩時間に、ある方からこんな質問があったんです。
僕の口癖は「お前って使えないね」が口癖なんですけど、
これってハラスメントですか?

何度も繰り返し、それを言われると人は傷つきますよ。
とお伝えすると…
「でも口が悪いのは俺の個性だし、
周りはみんな俺が口が悪い事はわかってます。
逆に俺が丁寧に言うとおかしくないですか??」と。

そんな事はありません。
口が悪いと言うのは個性ではなく、あなたの行動なんですよ。
言葉は人格を作るから自分の言葉を変えていってくださいね。
をやんわりお伝えしました。

プラスして聞いてみたんです。
あなたは使えないねって相手に言って、相手にどうなってほしいんですか?

すると…
使えるような人になって欲しいんです。

誰にとって使える人なんですか?
そこで言葉が詰まったんです。
(その前の講義で、仕事とは?みたいな内容をしていました)
そう、自分にとっての使える人という意味で
彼はずっと使っていたようです。

大切なことは、お客様にとって役に立つ人になることであり
お客様に貢献できる人です。
あなたは、使えるとか、使えないとか、
そんな言われたらどう思いますか??
彼らに成長してほしいと思うなら「使えないよね。」ではなく
成長してほしいとそのままポジティブな伝え方をしたほうが
相手はよし、頑張るぞって思いやすくなるよ。
とお伝えしましたが…
なんだか分かったような…分かってないようなお顔されてました。

その後の研修でDESC法のグループワークをやりながら
「難しいわ。俺、傷つける言葉しか出てこないわ」
グループの中でも仰っていたので
「そこに気づいたのっていいことですよね。」とお伝えすると
彼はにこっと笑っていらっしゃいます。
大事なのは「気づき」ですね。

自分の言動が相手にどのような影響をもたらすのか?
これを正しく理解をすること、
そしてそれを意図的にポジティブに変えていくこと、
これがリーダーシップの基礎、自己認識なんです。

ハラスメントだけではなく、ものの言い方だけではなく、
自分のことを客観視する重要性を、いろんなところでお伝えをしています。
自分がどう見られるのか?
自分の言動が相手にどう影響を与えるのか?
常に第三者視点で自分のことを見る癖をつける。
これが自分の言動に気づく第一歩になります。
これが自律です。
まだまだ暑い日も続きますが、
自分目線ではなく、相手目線を育てていきましょう。

自分事にする

連日参議院選挙のニュースや街頭演説など
ここ数日まさに選挙モードになっていますね。
一方で、社内や研修先で若手の方々にお会いすると
興味のない方が非常に多いな、を感じます。
(若手だけではないかもしれませんが…)

先週とある会社様での管理職向け研修で
今後待ち受ける様々な課題を考え、どうしたらいいか?
をディスカッションするプログラムがありました。
少子高齢化、ダイバーシティ、女性役員を増やす、
介護との両立、男性の育児共同参画、雇用延長制度の活用などなど
我々を取り巻く環境は、すべてがバラ色ではありません。
(バラ色ももちろんあります!AIの進歩とかすごいですし!)

これらの環境下で、企業も発展し続けるために、本当に大変です。
取り組むことが多く、またその正解もまだないものも多い。
そんな「正解が分からないものを考える」を中心としたプログラムですが
参加者の方から色んな意見がありました。

もちろん企業としてや個人として取り組むこともたくさんありますが
これは企業だけではどうにもならないよね、もたくさんあります。
国の施策や法律等で…みたいな話も結構多かったんです。
するとそこから、やっぱ選挙は行かないと!みたいな
発言も多くありました。

これ、仕事でも全く一緒ですね。
まずは自分事にならないと、所詮対岸の火事で
関係ない話なんです。

会社の売上って、私の仕事には関係ないよね?
⇒会社の売上や構成を知ろうとしない…

自分に関係のない部署や人の仕事内容、関係ないよね…
⇒自分の仕事しかしない、知ろうとしない…

売上に関係ないことは、直接必要ないよね…
⇒顧客に提供している商品は知ってるけど、顧客を知らない…

周囲の人の仕事をしても、自分には何も得にならない…
⇒助けを求めていることに気付けない…
※営業職種の場合、よく聞きます。
この仕事は自分の売上にならないので、やっても損です…。

これらは、政治に関心がないことと同じです。
自分事にならないと、関係ない、直接何かしているわけではない、
だから関係ないよね、となりがちです。
仕事も同じで、会社の方向性や売上がどうなろうが
自分の給与やボーナスにはあんまり関係ないよね、になると
会社の売上に関心が少なくなります。
ただ、ボーナスが出ない、減額する、給与カット、になると
急にみんな関心が出てくる。

仕事を、人生を、自分事にしよう、
とはよく言われますが、これがなかなか難しいものです。
ではどうしたらいいでしょうか??

①事象が引き起こす自分への影響を具体的に考えること
会社の売上がUPしたら?
従業員が今の2倍になったら?
景気が5%減少したら?
早期離職率が50%を超えたら?
こんな事象が、自分自身にどんな影響をもたらすのか?
を具体的にイメージすることが大事です。
いつも研修で言ってますが…
少子高齢化やインターネットの普及によって
私たちの仕事の仕方も価値も、必要なスキルも
何もかもが変わったんです。
自分にどんな影響があるのか?を根拠を基に考えることが大切ですね。

②仕事や業務に対して、「自分事」にすること
これは、この仕事の目的は何か?
何のためにこの業務は必要なのか?
誰に対してこの業務をしているのか?
を考えると…その結果
この方法はこれでベストだろうか?を考えることに繋がり
高品質の追求や効率化に繋がります。

③顧客に対して、「自分事」にすること
これは、顧客の課題に対して、顧客以上に真剣に考え取り組むことです。
自分の提供する商品以外のことも
例え売上に直結しなくても、です。
そこまでしてくれるのか、そこまで考えてくるのか
が、結果、顧客との信頼関係を強くします。
これが目指すべき顧客満足です。

④社会課題に対して、「自分事」にすること
冒頭にもお伝えしたように、
社会課題を抜きにして、ビジネスも人生も考えられません。
社会課題と私たちの仕事や人生は密接に繋がっています。
また社会課題の解決の一端も企業に求められるようになりました。
社会課題といった高次元の視点を持つことが
結果視座を高め、俯瞰的に物事を見ることが出来るようになります。

今日は自分事にする大切さと
(逆に言うと自分事にしない恐ろしさも…感じます)
自分事にするには?をお伝えしました。
最後に、この「自分事にする」、の大前提として
第三者目線で自分自身を見なければ「自分事」にはなりません。

自分なりにやっている
自分ではこれでいいと思う
そんなつもりじゃなかった
●●なんだから仕方ない

これらは全て「自分視点」です。
自分の言動が第三者から見た時にどう映るのか?
第三者からの期待は何か?
を捉えることは、「自分事」のファーストステップだと思います。

物事の成熟度​の段階

とうとう7月に入りました。
今年も半分が終わりましたね。
まだ7月初旬なのに、真夏の暑さが連日続いています。
皆さんお体を壊したり、体調が悪くなったりしてないでしょうか?
うだるような暑さが毎日ですが、
私は毎日、いろんなところで研修をさせていただいております。
ありがとうございます。

先週は管理職向け研修の特にロジカルシンキングワークが多い1週間でした。
皆さんロジカルシンキングは苦手な方が多いです。
特にロジックツリーで、課題を深掘りしていくことについては
結構わかっているようで…できていない、が多く見られました。
先週の研修の後にもある方から
「このツリーを作るときのコツみたいなものってありますか?」と
質問をいただきました。

ある意味コツと言えばコツなんですが、
「物事の成熟度の段階」をわかっていると結構ロジックツリーは考えやすいかもしれません。

物事の成熟度の段階とは?
まず最初は知らない状態から始まります。
この知らないを、「知る」状態に変えることが大事です。
知るには…
・やり方を理解する。
・各フェイスごとに数字化してみる。
・できている状態を100としたときに、今の状態を数字で表す。
といったものが該当します。
まずこれができていないと、結局はどうなっているのかがわからないので
対策の立てようがありません。

次に「知る」状態から「わかる」状態になります。
このわかる状態とは何か?
・一度そのやり方でやってみる。
・自分の得意なところ、不得意なところを理解する。
・不得意なところがどのぐらい不得意なのかを数字で表す。
といったことが、この「わかる」になります。

そして最終的に「できる」状態になります。
このできると言うのは、
・人に教えることができる
・背景や目的を理解して実施ができる。
・優先順位をつけられる。
・今やっているやり方から無駄なことや非効率なことを見つけ、改善策が出せる
というのが「できる」状態になります。

ですのでツリーを考えるときに、
まず「知っているか?」「わかっているか?」「できているか?」
を上記の概念で順番に考えると作りやすいと思います。

いろんな会社様でこのロジカルシンキングの研修をして思うことは、
多くの会社が「知る」状態になっていないことです。
漠然と…
「売り上げが上がらない」「効率化ができていない」「任せる人がいない」「人が育っていない」
と課題感をお持ちですが、じゃあそれって本当にどんな状態なのか?
と数値化をすると数値化ができていないところが多いというのがほとんどです。

ですので、現状を数値化してみることからスタートすると、
その数値化のところで標準値以下のものが見えてきます。
(標準値が分かっていないところも多いです。)
この標準値以下のものから手をつけてみる、が適切な解決策になります。
ぜひ皆さんご自身の仕事を分解をしてみる。
そしてその分解を数値化して分析してみるフェーズからスタートしてみてください。
見えていなかったものが見えてきます!