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自己分析ツールの活かし方

先週、ある企業様と研修の打ち合わせをさせていただきました。
研修の前に、社員の皆さんに自己分析テストを
受けていただく予定なのですが、
そのことについてご質問をいただいたんです。

「結果を見た社員が、自分はストレスを抱えているんだと
ネガティブに受け取ってしまわないでしょうか…?」
「そうなった場合、フォローできる仕組みはありますか?」

どれも、社員さんのことを本当に大切に思っているからこそ
出てくるご質問なんですね。
とてもありがたいなと思いながら、お話を伺いました。

お話をしていく中で見えてきたのは、
「自分を知るための診断」と「ストレスチェック」が、
少し混ざって受け止められていたということでした。
ストレスチェックは2028年4月から、50人未満の事業場でも
義務化されることが決まっていますので、
気になるのも当然なんです。

ただ、同じ「診断」でも、目的が違えば
結果の受け取り方はまったく変わります。
今回のテストは、自分の傾向を知ったうえで、
研修の中で「じゃあどうする?」を考えるための事前ステップ。
点数をつけて評価するためのものではないんですね。

実は私も、偉そうなことは言えません。
起業前、サラリーマンで管理職をしていた頃、
部下に評価や改善点を伝えては、
相手を落ち込ませてしまうことがよくありました…。

当時の私は「事実を伝えたんだから、あとは本人次第」と
思っていたんです。
でも、伝えられた側からすれば、何のための話なのか
分からないまま、ダメ出しだけが残ってしまうんですね。
これではあかん!と気づいたのは、
ずいぶん後になってからでした。

事実は事実として受け止める。でもそこで止まらずに、
「じゃあどうする?」まで一緒に考えて初めて、
結果は意味を持つんだと思います。

では、診断の結果を前向きに活かすにはどうしたらいいのか??
私が研修で大切にしているコツを3つお伝えします。

まず1つ目は、受ける前に「目的」を伝えることです。
「これは評価ではなく、自分を知るための地図です」と
最初に一言あるだけで、受け止め方が全然違います。
結果を見てから慌てて説明しても、
一度ついた不安はなかなか消えないんですね。
上司の方が「私も受けてみたよ、こんな結果だった」と
先に自分の結果を見せてあげるのも、とても効果的です。

次に、結果を「良い・悪い」ではなく、
「傾向」として読むことです。
例えば「慎重」という結果は、裏を返せば
「ミスが少ない」「丁寧」という強みでもあるんです。
人はどうしても苦手なところばかりに目が行きがちですが、
強みとセットで見ることで、自分の活かし方が見えてきます。
「当たってる」「当たってない」で終わらせずに、
「どんな場面でそう出ているかな?」と振り返ってみると、
結果がぐっと自分事になってくるんです。

3つ目は、結果を見たら「1つだけ」行動を決めることです。
全部を変えようとすると、しんどくなってしまいます。
「明日は自分から一声かけてみよう」くらいの
小さな一歩で十分なんです。
そして、それを上司や同僚と話せる場があると、
一人で抱え込まずにすみます。
研修はまさに、その場をつくるためにあるんですね。

診断は通知表ではなく、スタート地点です。
結果を見て何もしないことが、一番もったいないんです。
小さく試して、うまくいかなければまた変えてみる。
その繰り返しが、人も組織も成長させてくれるのだと思います。

ぜひ皆さんも、社内で診断やアンケートを行うときは、
「何のために行うのか」「結果をどう使うのか」を
先に伝えることから取り入れてみてください。

私は、仕事も遊びも全力で楽しむことを大切にしています。
先日、大好きなダイビングをしに宮古島へ行ってきたのですが、
台風の影響で、まず伊丹空港で5時間待ち…。
那覇で乗り継ぐ予定だった宮古島行きの便は欠航になり、
那覇で1泊して、翌朝1番の飛行機で宮古島へ向かいました。

それでも、いつもお願いしているインストラクターさんが
空港まで迎えに来てくださり、そのまま港へ直行です。
宮古島は台風の影響がほとんど収まっていて、
本当によく晴れた、最高のダイビング日和でした。
どうなることかと思いましたが、予定通り3本潜れて結果オーライ!
宮古島ブルーを思いっきり満喫してきました(笑)

10月に入り、朝晩はぐっと涼しくなってきましたね。
季節の変わり目、皆様どうぞご自愛ください。

決めることが仕事

先日ある会社で、管理職研修を実施させていただきました。
次々に持ち込まれてくる案件に優先順位をつけて、限られた時間で判断していく
インバスケットというプログラムを実施いたしました。

面白かったのは、皆さんの手が止まる場所がとてもよく似ていたことです。
「情報が足りないので判断できません」「もう少し様子を見てから決めます」
そう書かれた意思決定シートが、いくつもありました。

決めきれない理由をお聞きしてみると…。
「もし外したときに部下や上司にどう思われるだろう」という不安が、
いちばん大きいとおっしゃるんです。
つまり決める力は、性格ではなくて習慣です。
だからこそ、練習すれば誰でも鍛えることができるんですね。

私も起業する前はサラリーマンで、管理職をしていた時期があります。
当時の私は、決めるのが本当に怖かったんです。
間違ったらどうしよう、「もう少し情報を集めてから」と、
いつも先延ばしにしていました。
自分では慎重に考えているつもりでした。
でも部下から見れば、ただ待たされているだけやん。
そのことに気づいたときは、これではあかん!と深く反省しました。
決めないというのは、いちばん優しくない答えだったんですね。

皆さんの職場では、どれくらい決まっているでしょうか??
ここからは、決める力を鍛えるポイントを3つお伝えしたいと思います。

まず1つ目は、重要度と緊急度で仕分けることです。机の上の案件を、
すべて同じ重さで見てしまうと、目の前の急ぎのものから手をつけます。
そうすると、重要だけれど急ぎではない仕事が後ろに回されてしまいます。
たとえば部下の育成や仕組みづくりが、いつまでも手つかずのままです。
まず仕分ける。それだけで判断はぐっと軽くなるんですね。

次に、100点の答えを待たないことです。管理職が扱う案件に、
完璧な情報がそろうことはほとんどありません。7割の材料で決めて、
やってみて違っていたら直す。この順番でいいんです。研修でも、
先に決めた方ほど次の案件に進んでいて、扱えた量が多くなっていました。
何もしないことがいちばんの失敗で、やってみて直すことが成功なんです。
小さく決めて早く直すほうが、結果として遠くまで進めるんですね。

3つ目は、決めた理由を言葉にして伝えることです。結論だけを渡されると、
部下は納得できません。なぜそう決めたのか、何を大事にしたのかを添えると、
次に似た場面が来たとき、部下は自分で判断できるようになります。
上司の判断の基準が見えることが、いちばんの教材になるんですね。
判断の数だけ、チームに共通の基準が積み上がっていきます。
決めることは、部下を育てることでもあるんですね。

判断を先延ばしにしないだけで、チームのスピードは本当に変わります。
そして決める回数を重ねるほど、外したときの立て直しも早くなります。
ぜひ皆さんも、いま抱えている案件をひとつ選んで、今日決めてみてください。

10月からは下期のスタートですね。朝晩も少しずつ涼しくなってきました。
気持ちのいい季節に、気持ちよく決めて前に進んでいきたいと思います。

知ることがスタート

先週、熱海の海へダイビングに行ってきました。お目当ては、
海の底に眠っている沈船です。これが本当にすごすぎて、
水の中に大きな船体が現れた瞬間、思わず息をのみました。
まさにタイタニックの世界なんです…!もちろん、
あのタイタニックポーズもしっかりやってきました(笑)

以前にもお伝えしましたが、私はダイビングが大好きです。
超はまってます。
でも実は、ダイビングを始めるまでは、沈船を見に潜るという
楽しみ方があること自体、まったく知りませんでした。
沈船なるものがあることすら、知りませんでした。

ところが潜るようになると、どんどん海に興味が出てきて、
熱海にはこんな沈船があるらしい、と知るようになったんです。
知ってしまったら、もう行きたくて仕方がない。
1年前からずっと、行きたいと思い続けていた場所でした。

知らなければ、行きたいとも思わなかったはずなんですね。
興味は知ることから生まれるんだな、と改めて感じました。

そしてもう一つ、先週は「知る」ことの大切さを
痛感する出来事がありました。今週の火曜日は娘の誕生日で、
その日は私も仕事が入っているんです。平日は娘も学校があるので、
前後のどこかで一緒にプレゼントを買いに行ったり、
ご飯を食べに行ったりすればOKだろう、と考えていました。
仕事があるくらい普通のこと、と自分の感覚で思っていたんですね。

ところが娘に伝えたら、「ひどい」と泣かれてしまいました。
誕生日は当日じゃないと意味がない、と言うんです。
正直、最初は「そんなもの??」と思いました。
でもよく考えたら、私は中学生の頃の気持ちを、
すっかり忘れてしまっていたんですね。
自分と一緒と思ったらあかん!と、深く反省しました。

そこで日曜日に、娘の希望でステーキを食べに行きました。
すると店員さんが「親子でディナー、いいですね。
今日は何か特別な日ですか?」と声をかけてくださったので、
「火曜日が誕生日なんです」とお話ししたんです。
そうしたらなんと、サプライズで花火付きの
お誕生日デザートプレートが出てきたんです!

店員さんが「お誕生日おめでとうございます!」と
お祝いしてくださって、サービス精神、本当に最高でした。
この店員さんも、知ったからこそ祝ってあげたいと
思ってくださったんだと思います。

ダイビングも、娘の誕生日も、お店のサプライズも、
共通しているのは「知ることがスタート」だということ。
相手のことでも、興味のある分野でも、まず知らなければ、
関心も湧かないし、行動にもつながらないんですね。

これは職場でもまったく同じです。部下や後輩、お客様のことを、
皆さんはどれだけ知っているでしょうか??
ここからは、「知る」を始めるためのポイントを
3つお伝えしたいと思います。

まず1つ目は、自分の物差しを一度脇に置くことです。
私が娘に対してやってしまったように、人は無意識に
「このくらい普通」「自分ならこう思う」と考えがちです。
でも年代も立場も違えば、大事にしているものは違います。
サラリーマンで管理職をしていた頃の私も、自分の感覚で
部下を見てしまっていたことが、きっとあったと思います。
「相手は自分とは違う」という前提に立つことが、
知ることの第一歩なんですね。

次に、一歩踏み込んだ質問をすることです。
あの店員さんの「今日は何か特別な日ですか?」という
ひと言がなければ、サプライズは生まれませんでした。
職場でも「最近どう?」だけで終わらせずに、
「今いちばん力を入れていることは?」と、
相手が話したくなる問いを投げかけてみてください。
質問は、あなたに関心がありますよ、というメッセージにもなります。

3つ目は、知ったことを小さな行動に移すことです。
知っただけで終わってしまうと、相手には何も伝わりません。
資格試験を受けると聞いたら、結果を気にかけて声をかける。
好きだと言っていた分野の情報を、そっと共有してみる。
そんな小さな行動の積み重ねが、「この人は自分のことを
見てくれている」という信頼につながっていきます。

分かってもらえない、分かり合えない、と嘆く前に、
まずは自分から知ろうとしてみる。そこからすべてが始まります。
ぜひ皆さんも、身近な人のことを「知る」ところから、
日々のコミュニケーションに取り入れてみてください。

9月も半ばになりましたが、まだまだ暑い日が続きますね。
これからの秋の行楽シーズン、皆さんもぜひ新しい何かを
「知る」お出かけを楽しんでみてはいかがでしょうか。

情報は出して初めて価値になる

先週は、ある企業様で、参加者の層は若干異なりますが
情報整理と共有の研修コンテンツを実施させていただきました。
2社とも内容は少し違うのですが、どちらでも同じワークを取り入れました。
参加者それぞれにバラバラの情報カードを配り、それを出し合って
1つの答えにたどり着いてもらう、という情報整理のゲームです。

面白いのは、2社ともまったく同じところでつまずかれたことです。
制限時間が来ても、答えが出ない。
種明かしをすると、必ず誰かの手元に、まだ出されていないカードが
残っているんです。

「なんで言わなかったんですか?」と聞くと、
返ってくる答えもだいたい同じです。
これは関係ないと思ったので…
みんなもう知ってると思って…
わざわざ言うほどのことでもないかなと…

そうなんです。情報が足りなかったのではなく、
情報は全員がちゃんと持っていた。
ただ、出されなかっただけなんですね。

これ、私自身も本当によくやってしまいます。
社内でメンバーに仕事を頼む時、自分の頭の中にある背景を全部は言わずに、
結論だけ渡してしまうんです。
このお客様にはこういう経緯があって、だからこの資料はこの順番で…
という前提が、私の中では当たり前になっているので、
わざわざ言うことでもないと思ってしまう。

でも受け取った側からすると、判断する材料がない。
出来上がってきたものを見て、あれ?と思って、
そこで初めて「あ、あの話してなかったな」と気づくわけです。
言わなかった私が悪いのに、一瞬「なんでやろ」と思ってしまうんですから、
なかなか人間の思考とは…自分勝手ですね(笑)

自分が持っている情報の価値は、自分では判断できない。
これが、このゲームの一番の学びだと思っています。

では、どうすれば情報が出てくるチームになるのか。
ポイントは3つです。

まず1つ目は、「関係ないかもしれませんが」を前置きにして、
とにかく出してしまうことです。
その情報が要るのか要らないのかを決めるのは、自分ではなく場です。
自分で取捨選択してしまった時点で、
チームはその情報を検討する機会すら失います。

2つ目は、口頭だけで済ませず、書いて見えるようにすることです。
研修でポストイットを使うのには、ちゃんと理由があります。
口で言った情報は、その場で流れて消えてしまうんですね。
紙に書いて机に並べると、全員が同時に全体を見られるようになり、
何が足りていないのかも一目で分かります。

3つ目は、リーダーが「他に何かある人?」と
全体に向かって聞かないことです。
この聞き方だと、たいてい誰も手を挙げません。
そうではなく、「〇〇さん、手元には何が残ってますか?」と、
一人ずつ名前で聞く。
これだけで、埋もれていた情報が驚くほど出てきます。

会議で結論が出ない。認識がずれる。
後から「聞いてない」が出てくる。
その原因は、情報がなかったからではなく、
持っている人が出さなかったから、ということが本当に多いです。

そして出さなかった理由は、たいてい悪意ではありません。
気を遣った、遠慮した、大したことないと思った。
ただそれだけなんです。
だからこそ、出しやすい空気をつくることが、
リーダーの大事な仕事になります。

先週は福岡まで足を運びましたが、業種も地域も違う会社で
同じ場面に出会うと、これは業界の問題ではないな、と改めて感じます。
うちの中学生の娘も、先週から2学期が始まりました。
夏が終わって、いよいよ後半戦です。

今週の会議で1つだけ、「関係ないかもしれませんが」と言ってみる。
ぜひ皆さんも試してみてください。
そこから話が動き出すことが、本当によくあります。

ロジカルは訓練で身につく

先週ある会社で、ロジカルシンキング研修を実施させていただきました。
参加者は若手から中堅の皆様です。
研修の冒頭でいつも聞くのですが、「ロジカルシンキングが得意な方?」と聞くと、
ほぼ手は挙がりません。

逆に「苦手な方?」と聞くと、ほとんどの方の手が挙がります。
私は感覚で仕事をしているので…とか、頭の中では分かってるのに、
話すとぐちゃぐちゃになってしまうんですよ〜とか。
そもそも理屈っぽい人だと思われたくない、という声もよく出てきます。

その気持ち、本当によく分かります。
というのも、以前にもお伝えしましたが、私自身が超感情人間で、
昔はロジカルシンキングがとても苦手だったからです。

若い頃の私は、なんとなくこっちの方がいい感じがする、絶対こっちの方が面白いやん、
で物事を決めていました。
ですから提案をしても、上司から「で、根拠は?」と聞かれた瞬間に固まってしまう。
熱意だけで押し切ろうとして、伝わらないのは相手のせいだと思っていたことも
ありました。

今思うと、なかなかの自己中ですね(笑)
ただ20代後半の時に、これではあかん!と思ってロジカルシンキングを学び、
意識して実践するように心がけてきました。

すると今では、論理的に考えることは意識しなくてもできるようになりました。
つまりロジカルシンキングと言うのは、生まれ持った性格やセンスではなく、
完全に訓練で身に付くスキルなんですね。

私が実際にやってきたのは、とても地味なことです。
まず1つ目は、話す前に「結論は一言で言うと何か?」と自分に問うことです。
頭の中で一度だけ、この問いを挟む。それだけです。
最初はとても不自然ですし、時間もかかります。
でもこれを何百回と繰り返していると、勝手に口が結論から動くようになります。

2つ目は、「なぜそう思うのか?」と「だから何が言えるのか?」を、
自分の意見に対して何度も問いかけることです。
感情型の人は、実は理由がないわけではありません。
感覚の下にちゃんと理由が眠っているのに、それを言語化していないだけなんです。
ですからこの問いかけを繰り返すと、自分の感覚がだんだん言葉になっていきます。

3つ目は、頭の中で考えずに、必ず紙に書き出して並べることです。
頭の中でこねくり回すから、ぐちゃぐちゃになるんですね。
書き出して、似たものをまとめて、順番に並べる。
これだけで話は驚くほど整理されます。

このロジカルシンキングが身に付くと、ビジネスにおいてはとても有利です。
まず提案が通りやすくなります。
相手が納得するための材料を、こちらから渡せるようになるからです。

次に、意思決定が速くなります。
自分が何で迷っているのか、その論点がはっきりするからです。

そして何より、この人は物事を整理して考えられる人だ、と信頼されます。
任される仕事の質そのものが、変わってくるんです。

ただ、ここで一つお伝えしておきたいことがあります。
ロジカルになるということは、感情を捨てるということでは決してありません。
熱意や共感は、人を動かす最大のエネルギーです。
ただ、そのエネルギーを相手に届けるには、通り道が必要なんです。
ロジックはその通り道であり、器なんですね。
ですから感情型の方がロジックを手に入れると、
実は一番強いんじゃないかな、と思っています。
中身の熱さは、元々持っているわけですから。

研修の最後に、冒頭で「苦手です」と言っていた方が、
これって才能じゃないんですね、練習なんですね、と笑って言ってくださいました。
まさにその通りです。
苦手だと思っていることの多くは、才能の問題ではなく、単に練習量の問題だったりします。

早いもので、8月ももう終わります。
9月からの後半戦、まずは「結論は一言で言うと何か?」の問いかけ1つだけでも、
ぜひ皆さんも普段の会話の中に取り入れてみてください。
そうすることでトレーニングされ、無意識にできるようになります。

未来を明るく描くことが今の解決になる

先日、社会福祉法人様向けに「キャリアデザイン研修」を行ってきました。
今回の研修の1つのプログラムで、「20年後の未来」をリアルに想像し、
そのうえで、何を今しようか?を考える、
なんともワクワクする時間を過ごしてきたので、
今日はその時のことを共有させていただきますね。

まず、20年後である2046年の日本と福祉業界を想像してもらいました。
人口は減少し、AIや介護ロボットが当たり前になった世界です。
そんな社会を前提に、自分が2046年の経営陣になったつもりで、
「最強の自社」を妄想し、ビジネス誌の表紙を飾る見出し
を考えるワークを行いました。

ルールはただ一つ、「『今の自社には無理だ』という
現状の延長線上での思考(制約)を完全に捨てること」です。
最初は「ええ〜、20年後なんて…」「今のままで精一杯やのに…」と
戸惑っていた皆さんも、制約を外してはなしていくと、
少しずつペンが進み始めました。

そして、そのうえで次のプログラム、新規事業企画ゲームです。
ランダムに引いた2枚のカードを掛け合わせて、
「今のうちの会社じゃ絶対無理だろう」と思うくらいの斬新なアイデアを
どんどん短い時間の中で出し続ける、というゲームワークです。

「予算の心配も、上司の顔色も、今の法律も、一切気にしないでください!」
と伝えると…。

「これ、AIと○○掛け合わせたらめっちゃ良くない!?」
「いやいや、それやったら施設ごと空飛ぶようにしたらどう?」
「それ最高!これが出来る会社やったら、一生働きたいわ〜!」

あちこちから笑い声と熱い議論が飛び交い、
誰も否定することなく本気で面白がっていて、
参加者の皆さんの表情はめちゃくちゃキラキラしていました。
会場全体が、未来を創るおおもろさ、いっぱいでした。

この研修での皆さんの姿を見て、私自身も大きな気付きがありました。
それは、「制約を取っ払って未来を考えることで、
今まで思いつきもしなかったアイデアが広がり、
現状の壁を越えるヒントが見つかる」ことです。

日々の忙しい現場にいると、
どうしても「人が足りない」「予算がない」「ルールで決まっている」
という制約ばかりに目がいってしまい、
「今は無理やな」と諦めてしまうことが少なくありません。

でも、一旦そのリミッターを外して「こんなサービスがあったら絶対に楽しい!」と未来を明るく捉えてみる。

すると不思議なことに、そうやって自由に広げたアイデアを眺めているうちに、
「あれ?これ全部は無理でも、この部分なら今のやり方を少し変えれば
できるんちゃう?」と、今抱えている課題への解決策に繋がっていくんです。

制約をなくして未来をワクワクしながら描くことが、
結果的に「今の具体的な対策」への第一歩になる。
研修後の皆さんのスッキリとした笑顔を見て、改めてそう確信しました。

これからも、皆さんが「今」の限界を越えて、
ワクワクする未来を一緒に創っていけるよう、
全力でサポートしていきたいと思います!

海とAIに触れた夏休み

今年の夏休みは、思い切って「ダイビング三昧」のスケジュールを組んでみました。
まずは和歌山の豊かな海でしっかりと潜り込み、
そこから韓国の済州島(チェジュ)へ。
ひたすら青い海と向き合う、なんとも贅沢な日々を送っています。

今回のチェジュ旅行は、娘との2人旅。
普段のバタバタとした日常から離れ、
南国のゆったりとした時間の中で心底リラックスしています。
娘もすっかり大きくなり、他愛のないことから少し真面目なことまで、
ゆっくりと色々な話ができるのは、親としてとても嬉しく、
かけがえのない時間だなと感じています。

さて、そんなチェジュでのダイビングですが、
今回潜ってみて一番驚いたのは「日本とのシステムの違い」でした。

日本のダイビングといえば、1つのポイントに向けて船を出し、
終わったら港に戻るか、同じ船で次のポイントへ移動するスタイルが一般的ですよね。
ところがチェジュのダイビング船は、まるで「海の路線バス」なんです。

大きな船に大勢のダイバーを一度にドサッと乗せて出発したかと思うと、
ポイントA、ポイントB、ポイントC……と、
順番にダイバーをどんどん海へ降ろしていきます。
そして、ダイビングが終わって浮上する時間になると、
また同じ船が順番にポイントを回って、
海面で待つダイバーたちを次々と回収していくのです。

「なるほど、これなら船の稼働に無駄がない!」と唸ってしまいました。
国が変われば、海の楽しみ方だけでなく、それを支えるシステムや合理性もまったく違う。
文化の違いを肌で(しかも海の上で)感じる、とても面白い体験でした。

日中たっぷり海を満喫し、美味しいものを食べてホテルへ戻る。
ここからは、のんびり南の島のリゾートタイム……と言いたいところですが、
現実はそう甘くありません(笑)。

夜になると、私はホテルの部屋でPCを開き、ガッツリ仕事モードに突入しています。
そして私のすぐ隣では、娘がノートを広げて夏休みの宿題と必死に格闘中。
(ちなみに、休みの終わりが近づいているのに、宿題は全然終わっていません。
横でうんうん唸っています……!)

リゾート地特有ののんびりした空気が漂う窓の外とは裏腹に、
部屋の中は親子の静かな、しかし熾烈な作業空間となっています。

そんな夜のPC仕事中、私の中でちょっとした、
いや、かなり大きな衝撃体験がありました。

つい先日から、Cloud Codeを本格的に使い込んでみたのですが、
その精度が尋常ではない!!凄すぎる!!!
これまでもGeminiやマナスといったAIツールを活用してきましたが、
それらとは全く違う次元、数段も上のレベルです。
(とっくに私のレベルは超えてます!!)

こちらの意図を深く汲み取り、的確で無駄のない!
そして瞬時に生成してくれる。
まるで、超優秀なアシスタント(私よりもはるかに優秀な)が
数人以上いる感覚です。

自然とテクノロジーの両方の凄みを感じた今年の夏休み。
このエネルギーを胸に、休み明けからの仕事もさらに加速させていきたいと思います。

まだまだ暑い日が続きますが、皆様もどうか充実した夏をお過ごしください!
(まずは隣で唸っている娘の宿題が、無事に終わることを祈るばかりです……)

パーパスを生きたものにする

先日、ある企業様で管理職研修を実施させていただき
その時に感じたことを今日は共有したいと思います。

会社が掲げる立派なパーパス。
しかし、研修に参加された管理職の方々に話を伺うと、
「正直、壁に貼ってあるお題目にしか感じられない」
「日々の数字に追われて、それどころじゃない」
という、本音と諦めが入り交じった感じです。

管理職でさえ腹落ちしていないのだから、
現場の一般社員に浸透するはずないですよね。

でも今の時代、パーパスはめちゃくちゃ大事です。
正解のない環境(ものすごい勢いでどんどん変化する環境)で、
迷ったときの判断基準だからです。

では、このお題目になってしまっているパーパスを
どうすれば浸透(生きた言葉にする)できるのか?

会社の大きなパーパスを一旦横に置き、
自部署のパーパス、マイパーパス(自分自身の働く意義)を
ディスカッションして作るワークを行います。

「自分たちのチームは、誰の、どんな不を解消しているのか?」
「わたし自身は、この仕事を通じてどうありたいのか?」

はじめは戸惑っていた管理職の皆さんでしたが、
具体的にエピソードを話しているうちに、変化が起こります。

「うちの部署の仕事って、社会にこんな影響を与えてたんや…。」
「自分が若手時代に大切にしていた思いと、会社のパーパス、実は一緒やったやん」

遠くにあった会社のパーパス(お題目だった)が、
自部署や自分自身と結びついた瞬間、皆様が自分の言葉で話し始めます。
やらされ感や他人事だったパーパスが、自分ごととして見えた瞬間でした。

パーパスは、上から降らせるだけでは浸透しません。
全員で唱和する、暗記させる、テストして確かめる、なんてことは
愚の骨頂と言われています。(やらされ感しかない…)

現場のリーダーたちが、自分の言葉で翻訳するプロセス(=マイパーパスとの接続)
があって初めて、パーパスは強力なマネジメントの武器になります。
パーパスの言葉を使って指導する
パーパスの体現化する言動に対してほめる
パーパスを具現化しているエピソードを傾聴する

これは直接的な業務内容だけではなく、
特にマイパーパスについては、プライベートにも大きく影響してきます。
どんな人になりたいか?
どんな人生にしたいか?
それを支え応援するのも、仕事です。

ワークライフバランスという言葉が独り歩きを始めて
ワークとライフが完全に切り離され
どちらか一方が重くなれば、どちらか一方が軽くなる、
と思われがちですが、その一方で
ワークとライフが相乗効果を発揮することも多々あります。

私自身はワークもライフもどんどん境目がなくなり
どっちをしていても、どっちにも影響があり
どっちかで得た知識や経験は、片方でも大いに影響を及ぼし
その相乗効果で、何もストレスに感じない、
という非常に有難い環境にいます。(経営者だから、と言われればそうですが…)

ワークもライフも充実したい、今の時代だからこそ
パーパスはなくてはならないもの、なんですね。

熟練たちへのマネジメント

先週は、連日さまざまな企業様で「管理職研修」に登壇してまいりました。
現場で奮闘する管理職の皆様のリアルな悩みに触れる中で、
多くの企業様で共通して挙がった「ある切実な課題」について今日はお伝えします。

「40〜50代の『もう変わりたくない』というメンバー
(特に長年ルーティン業務を支えてきたベテラン事務職層)に対して、
どう指導・育成すればいいのか?」という悩みです。

私自身、ひとりの働く女性としてこのご相談を受けるたび、
非常に複雑な思いです。
正直なところ…
「自分はあんな風に変化を拒む姿勢にはなりたくない」と自戒する一方で、
「彼女たちがそうやって心を閉ざしてしまうのも、無理はない」と、
その背景にある現実も痛いほどわかるからです。

彼女たちの多くは、入社から長年
「決められた事務作業を、正確にミスなくこなすこと」を期待され、
その役割を何十年も忠実に全うし、縁の下の力持ちとして会社を支えてきました。
(もちろん女性だけではなく、男性も該当すると思いますが
圧倒的人数の多い女性という意味で「彼女たち」としています。)

ですが…
昨今のDXや業務効率化の波の中で、
突然「自ら業務を改善してほしい」「新しいITツールを使ってほしい」と求められる。
これは彼女たちからすれば、
「会社から突然、評価のルールを変えられた(後出しジャンケンをされた)」
という理不尽さに感じてしまうのは…気持ちは分かります。

これは決して「女性だから」「事務職だから」という個人の問題ではなく、
過去の組織システムと現在の変革期との間に起きた構造的なギャップです。

だからこそ、若手向けのマネジメント論をそのまま当てはめても通用しません。
では、彼女たちに前を向いてもらうためには、どうするか??

1. 「成長」の押し付けではなく、「実利」を共有する
長年、正確性を武器にしてきたベテラン層に
「スキルアップして市場価値を高めよう」という言葉は響かず…
むしろ「今までの自分を否定された」と自己防衛を招きかねません。
(私もこれ、何度も経験しました…)

変化を促す際は、「このシステムを入れると、月末の締め作業が1日早くなる」
「お互いに気兼ねなく有休が取れるようになる」といった、
日々の働きやすさや効率性(実利)のメリットに翻訳して伝えることがポイントです。

2. 「抵抗」の裏にある戸惑いに寄り添う
「変わりたくない」という頑なな態度は、単なる怠慢ではなく、
「これまで自分がやってきた仕事の価値がなくなるのではないか」
という恐怖や戸惑いの裏返しではないかな、と思います。
まずは管理職側が、その「ルールの急な変更に対する不安」を理解し、
頭ごなしの正論で追い詰めないスタンスを持つことが重要です。
不安に寄り添う感じです。

3. 過去の「貢献」に敬意を払い、プロとして頼る
長年部署を支えてきた彼女たちは、マニュアル化されていない暗黙知を握る
ある意味職場の熟練さんたちです。

「これまでミスなく業務が回ってきたのは〇〇さんのおかげです」と
過去の貢献に最大限の敬意(リスペクト)を払うこと。
その上で、
「今の課題を一番知っている〇〇さんの視点から、新しいツールの使い勝手を見てほしい」
と、事前にアドバイザーとして巻き込んでいく、が本当に大事です!(これなくしては、何もかもうまくいきません!過去これが面倒…と思ってすっ飛ばして何度も痛い目見ました…)

仕事でもプライベートでも…
正論だけを武器に真正面からぶつかると、空気が凍りつきます。
人間は機械ではなく、心がありますから、まずは心にアプローチ!です。
これを面倒くさくなって、正論突破しようとすると…
管理職自身もメンタル消耗してしまいがちです。
相手のプライドとこれまでの蓄積を尊重しながら、少しずつ変化の波に乗せていく
「熟練たちへのマネジメント」が求められます。

研修では、こうした「現場の泥臭いリアルな課題」に真正面から向き合い、
参加者の方が「明日から使える」実践的な解決策ろ武器として手に入れ
「お!!できるかも」と思って頂ける
プラス元気になる!を共に創ってます。
さすがに週5日、6日の研修続きになると、身体的にはハードなんですが…
でも心はあったかくなる、そんな山口です。
ということで今週も研修連続週。
元気に登壇したいと思います。

「ぬるま湯の仲良しクラブ」にならないために

最近、いろんな企業様でハラスメント研修を実施させていただく機会が
本当に多いのですが、現場の管理職の方々と本音でお話しすると、
ちょっと心配になる声をよく聞くんです。

「指導して『パワハラだ』って言われるのが怖い」
「そこまでリスクを負うくらいなら、最初から部下とは少し距離を置きたい…」
「いろいろ面倒くさいから、だったら言わない(任せない)。」

圧倒的に多いのが、こういう戸惑いの声なんですよね。

昔のような理不尽な指導がなくなるのは、もちろん良いことです。
でも、その反動で
「とにかく波風を立てないようにしよう」
「相手を否定しないようにしよう」
という防衛本能が働きすぎている気がします。

その結果、どうなっているか?
当たり障りのない意見しか出ない、「ぬるま湯の仲良しクラブ」になってしまっている
組織がめちゃくちゃ増えているんです。

ハッキリ言ってしまうと、全員が「それ、いいですね!」と
ただ賛同するだけの会議や仕事なら、
わざわざ集まってやる意味ってないと思うんです。

新しい価値やイノベーションって、異なる意見や価値観が少しぶつかり合う中から
「じゃあ、こういうアプローチはどう?」と生まれてくるものです。

「心理的安全性」はすごく大事なキーワードですが、
それを「誰も反対意見を言わないこと」だと勘違いしてしまうと、
組織はただ衰退を待つだけになってしまいます。

今の時代、経営層や管理職が仕掛けないといけないのは、
表面的な馴れ合いではなく「健全なコンフリクト(生産的な衝突)」だと思います。

では、人間関係を壊さずに、どうやって意見をぶつけ合うのか?

1. 「ヒト」と「コト」をきっちり切り離す
私たちは「自分の意見を否定される=自分自身を否定された」と
受け取ってしまいがちです。
「あなたの『案』には反対やけど、あなたの『人柄や能力』はリスペクトしているよ」
という共通認識を、組織のカルチャーとして根付かせることが第一歩です。

2. あえて「悪魔の代弁者」を任命する
会議や意見交換の場で、
「今日は〇〇さんに、あえて反対意見を言う『ツッコミ役』をお願いします」
と最初に設定してしまうんです。
役割として反対意見を言うなら、角も立ちません。
「それって本当にそう?」という視点が入るだけで、
議論の質はグッと上がります。

3. 経営陣・管理職から「自分の非」を認める
健全な衝突を生むには、上の立場にいる人が「完璧なふり」
をやめるのが一番早いです。
「この前の私の判断、ちょっとズレてたかもしれん。みんなはどう思う?」
と、リーダー自らが「突っ込まれどころ」を見せる。
これが最高のカンフル剤になります。
この方法、私はしょっちゅう使っています(意図的ではなく、結構素です)
間違えることは多々あるし、ほぼ色んなものを忘れてしまうし
結構その時のノリみたいなもので物事決めてしまうし…。
なので「あっ。ちゃうわー。ごめんごめん。」は日常茶飯事です。

ハラスメントを恐れて「波風を立てない組織」を作っても、
それは一見平和そうに見えるだけで、
実は組織の成長が止まってしまっている状態です。

表面的な「仲良しクラブ」ではなく、
時にはしっかりと意見をぶつけ合える「本当の意味で強いチーム」
が、今まさに必要な時代になっていると日々強く感じます。

早いもので、今年も半分終わりました。
梅雨が明けた瞬間、夏本番の暑さと蝉の声がやってきましたね。
暑さに負けず、強いチームで、更に加速度を上げていきたいと思います。