2026年 7月 の投稿一覧

パーパスを生きたものにする

先日、ある企業様で管理職研修を実施させていただき
その時に感じたことを今日は共有したいと思います。

会社が掲げる立派なパーパス。
しかし、研修に参加された管理職の方々に話を伺うと、
「正直、壁に貼ってあるお題目にしか感じられない」
「日々の数字に追われて、それどころじゃない」
という、本音と諦めが入り交じった感じです。

管理職でさえ腹落ちしていないのだから、
現場の一般社員に浸透するはずないですよね。

でも今の時代、パーパスはめちゃくちゃ大事です。
正解のない環境(ものすごい勢いでどんどん変化する環境)で、
迷ったときの判断基準だからです。

では、このお題目になってしまっているパーパスを
どうすれば浸透(生きた言葉にする)できるのか?

会社の大きなパーパスを一旦横に置き、
自部署のパーパス、マイパーパス(自分自身の働く意義)を
ディスカッションして作るワークを行います。

「自分たちのチームは、誰の、どんな不を解消しているのか?」
「わたし自身は、この仕事を通じてどうありたいのか?」

はじめは戸惑っていた管理職の皆さんでしたが、
具体的にエピソードを話しているうちに、変化が起こります。

「うちの部署の仕事って、社会にこんな影響を与えてたんや…。」
「自分が若手時代に大切にしていた思いと、会社のパーパス、実は一緒やったやん」

遠くにあった会社のパーパス(お題目だった)が、
自部署や自分自身と結びついた瞬間、皆様が自分の言葉で話し始めます。
やらされ感や他人事だったパーパスが、自分ごととして見えた瞬間でした。

パーパスは、上から降らせるだけでは浸透しません。
全員で唱和する、暗記させる、テストして確かめる、なんてことは
愚の骨頂と言われています。(やらされ感しかない…)

現場のリーダーたちが、自分の言葉で翻訳するプロセス(=マイパーパスとの接続)
があって初めて、パーパスは強力なマネジメントの武器になります。
パーパスの言葉を使って指導する
パーパスの体現化する言動に対してほめる
パーパスを具現化しているエピソードを傾聴する

これは直接的な業務内容だけではなく、
特にマイパーパスについては、プライベートにも大きく影響してきます。
どんな人になりたいか?
どんな人生にしたいか?
それを支え応援するのも、仕事です。

ワークライフバランスという言葉が独り歩きを始めて
ワークとライフが完全に切り離され
どちらか一方が重くなれば、どちらか一方が軽くなる、
と思われがちですが、その一方で
ワークとライフが相乗効果を発揮することも多々あります。

私自身はワークもライフもどんどん境目がなくなり
どっちをしていても、どっちにも影響があり
どっちかで得た知識や経験は、片方でも大いに影響を及ぼし
その相乗効果で、何もストレスに感じない、
という非常に有難い環境にいます。(経営者だから、と言われればそうですが…)

ワークもライフも充実したい、今の時代だからこそ
パーパスはなくてはならないもの、なんですね。

熟練たちへのマネジメント

先週は、連日さまざまな企業様で「管理職研修」に登壇してまいりました。
現場で奮闘する管理職の皆様のリアルな悩みに触れる中で、
多くの企業様で共通して挙がった「ある切実な課題」について今日はお伝えします。

「40〜50代の『もう変わりたくない』というメンバー
(特に長年ルーティン業務を支えてきたベテラン事務職層)に対して、
どう指導・育成すればいいのか?」という悩みです。

私自身、ひとりの働く女性としてこのご相談を受けるたび、
非常に複雑な思いです。
正直なところ…
「自分はあんな風に変化を拒む姿勢にはなりたくない」と自戒する一方で、
「彼女たちがそうやって心を閉ざしてしまうのも、無理はない」と、
その背景にある現実も痛いほどわかるからです。

彼女たちの多くは、入社から長年
「決められた事務作業を、正確にミスなくこなすこと」を期待され、
その役割を何十年も忠実に全うし、縁の下の力持ちとして会社を支えてきました。
(もちろん女性だけではなく、男性も該当すると思いますが
圧倒的人数の多い女性という意味で「彼女たち」としています。)

ですが…
昨今のDXや業務効率化の波の中で、
突然「自ら業務を改善してほしい」「新しいITツールを使ってほしい」と求められる。
これは彼女たちからすれば、
「会社から突然、評価のルールを変えられた(後出しジャンケンをされた)」
という理不尽さに感じてしまうのは…気持ちは分かります。

これは決して「女性だから」「事務職だから」という個人の問題ではなく、
過去の組織システムと現在の変革期との間に起きた構造的なギャップです。

だからこそ、若手向けのマネジメント論をそのまま当てはめても通用しません。
では、彼女たちに前を向いてもらうためには、どうするか??

1. 「成長」の押し付けではなく、「実利」を共有する
長年、正確性を武器にしてきたベテラン層に
「スキルアップして市場価値を高めよう」という言葉は響かず…
むしろ「今までの自分を否定された」と自己防衛を招きかねません。
(私もこれ、何度も経験しました…)

変化を促す際は、「このシステムを入れると、月末の締め作業が1日早くなる」
「お互いに気兼ねなく有休が取れるようになる」といった、
日々の働きやすさや効率性(実利)のメリットに翻訳して伝えることがポイントです。

2. 「抵抗」の裏にある戸惑いに寄り添う
「変わりたくない」という頑なな態度は、単なる怠慢ではなく、
「これまで自分がやってきた仕事の価値がなくなるのではないか」
という恐怖や戸惑いの裏返しではないかな、と思います。
まずは管理職側が、その「ルールの急な変更に対する不安」を理解し、
頭ごなしの正論で追い詰めないスタンスを持つことが重要です。
不安に寄り添う感じです。

3. 過去の「貢献」に敬意を払い、プロとして頼る
長年部署を支えてきた彼女たちは、マニュアル化されていない暗黙知を握る
ある意味職場の熟練さんたちです。

「これまでミスなく業務が回ってきたのは〇〇さんのおかげです」と
過去の貢献に最大限の敬意(リスペクト)を払うこと。
その上で、
「今の課題を一番知っている〇〇さんの視点から、新しいツールの使い勝手を見てほしい」
と、事前にアドバイザーとして巻き込んでいく、が本当に大事です!(これなくしては、何もかもうまくいきません!過去これが面倒…と思ってすっ飛ばして何度も痛い目見ました…)

仕事でもプライベートでも…
正論だけを武器に真正面からぶつかると、空気が凍りつきます。
人間は機械ではなく、心がありますから、まずは心にアプローチ!です。
これを面倒くさくなって、正論突破しようとすると…
管理職自身もメンタル消耗してしまいがちです。
相手のプライドとこれまでの蓄積を尊重しながら、少しずつ変化の波に乗せていく
「熟練たちへのマネジメント」が求められます。

研修では、こうした「現場の泥臭いリアルな課題」に真正面から向き合い、
参加者の方が「明日から使える」実践的な解決策ろ武器として手に入れ
「お!!できるかも」と思って頂ける
プラス元気になる!を共に創ってます。
さすがに週5日、6日の研修続きになると、身体的にはハードなんですが…
でも心はあったかくなる、そんな山口です。
ということで今週も研修連続週。
元気に登壇したいと思います。

「ぬるま湯の仲良しクラブ」にならないために

最近、いろんな企業様でハラスメント研修を実施させていただく機会が
本当に多いのですが、現場の管理職の方々と本音でお話しすると、
ちょっと心配になる声をよく聞くんです。

「指導して『パワハラだ』って言われるのが怖い」
「そこまでリスクを負うくらいなら、最初から部下とは少し距離を置きたい…」
「いろいろ面倒くさいから、だったら言わない(任せない)。」

圧倒的に多いのが、こういう戸惑いの声なんですよね。

昔のような理不尽な指導がなくなるのは、もちろん良いことです。
でも、その反動で
「とにかく波風を立てないようにしよう」
「相手を否定しないようにしよう」
という防衛本能が働きすぎている気がします。

その結果、どうなっているか?
当たり障りのない意見しか出ない、「ぬるま湯の仲良しクラブ」になってしまっている
組織がめちゃくちゃ増えているんです。

ハッキリ言ってしまうと、全員が「それ、いいですね!」と
ただ賛同するだけの会議や仕事なら、
わざわざ集まってやる意味ってないと思うんです。

新しい価値やイノベーションって、異なる意見や価値観が少しぶつかり合う中から
「じゃあ、こういうアプローチはどう?」と生まれてくるものです。

「心理的安全性」はすごく大事なキーワードですが、
それを「誰も反対意見を言わないこと」だと勘違いしてしまうと、
組織はただ衰退を待つだけになってしまいます。

今の時代、経営層や管理職が仕掛けないといけないのは、
表面的な馴れ合いではなく「健全なコンフリクト(生産的な衝突)」だと思います。

では、人間関係を壊さずに、どうやって意見をぶつけ合うのか?

1. 「ヒト」と「コト」をきっちり切り離す
私たちは「自分の意見を否定される=自分自身を否定された」と
受け取ってしまいがちです。
「あなたの『案』には反対やけど、あなたの『人柄や能力』はリスペクトしているよ」
という共通認識を、組織のカルチャーとして根付かせることが第一歩です。

2. あえて「悪魔の代弁者」を任命する
会議や意見交換の場で、
「今日は〇〇さんに、あえて反対意見を言う『ツッコミ役』をお願いします」
と最初に設定してしまうんです。
役割として反対意見を言うなら、角も立ちません。
「それって本当にそう?」という視点が入るだけで、
議論の質はグッと上がります。

3. 経営陣・管理職から「自分の非」を認める
健全な衝突を生むには、上の立場にいる人が「完璧なふり」
をやめるのが一番早いです。
「この前の私の判断、ちょっとズレてたかもしれん。みんなはどう思う?」
と、リーダー自らが「突っ込まれどころ」を見せる。
これが最高のカンフル剤になります。
この方法、私はしょっちゅう使っています(意図的ではなく、結構素です)
間違えることは多々あるし、ほぼ色んなものを忘れてしまうし
結構その時のノリみたいなもので物事決めてしまうし…。
なので「あっ。ちゃうわー。ごめんごめん。」は日常茶飯事です。

ハラスメントを恐れて「波風を立てない組織」を作っても、
それは一見平和そうに見えるだけで、
実は組織の成長が止まってしまっている状態です。

表面的な「仲良しクラブ」ではなく、
時にはしっかりと意見をぶつけ合える「本当の意味で強いチーム」
が、今まさに必要な時代になっていると日々強く感じます。

早いもので、今年も半分終わりました。
梅雨が明けた瞬間、夏本番の暑さと蝉の声がやってきましたね。
暑さに負けず、強いチームで、更に加速度を上げていきたいと思います。

食わず嫌いをなくすには?

先日、会社のイベントでメンバーたちとスキューバダイビングに行ってきました。
私にとっては最高のリラックス方法の一つなのですが、
今回はちょっと嬉しいことがありました。

私はライセンスを持っていて、ご存じのように年に3~4回宮古島に
潜りに行っていますが、メンバーは体験ダイビングをしてもらって
私はその横でファンダイビングを楽しんできました!(別行動(笑)!)

これまで私が何度勧めても、
「海に潜るなんて絶対に怖い!」
「息ができなかったらどうしよう…」と
頑なに断っていたメンバーが、今回思い切って挑戦してくれました。
(無理やり私が超説得した、という背景がありますが…)

潜る前はガチガチに緊張していたメンバー。
しかし、いざ海から上がってくると……

「思った以上に怖くなかったです!」
「海の中ってすごい魚がいっぱいですね、すごく楽しかった!」

と、満面の笑みで言ってくれたんです。
その姿を見て、
「やっぱり、何事も実際にやってみないと本当のところは分からないし、
やってみたら印象は大きく変わるものだな」
と改めて実感しました。

これって、ビジネスの現場でもまったく同じことが言えますよね。
身近な例を挙げると、最近話題の「AIツールの導入」です。
何を隠そう、私自身も最初は
「操作が難しそう」「本当に仕事の役に立つの?」
と、どこか冷ややかな目で見ていた一人でした。

しかし、「まずは試しに…」と少しずつ触り始めてみたところ、
その印象は180度覆りました。

今では、議事録作成、データ分析、資料作成など、
ほぼすべての事務作業でAIをフル活用しています。
(AIなかったら、仕事がマジで回っていません)

以前なら数時間かかっていたデスクワークが、
AIという優秀なアシスタントに任せることで、
あっという間に終わるようになりました。

おかげで自分自身は、より本質的な考える仕事や、
お客様と向き合う時間に集中できています。
(実際に商談件数もものすごく増えています)

とはいえ、新しいことに対して「難しそう」「失敗したらどうしよう」
と抵抗感を覚えるのは、人間の防衛本能として当然のこと。

だからこそ、組織の中で新しいツールや手法を浸透させるには、
メンバーが「小さく試せる環境」をマネジメント側がどう整えるかが鍵になります。

いきなり「明日から全部AIでやれ!」と海に突き落とすのではなく、
まずは足の着く浅瀬で、ほんの少しだけ水に顔をつけるのを手伝ってあげる感覚です。

そのために必要なのは、失敗を許容し、心理的ハードルを極限まで下げる声かけです。
例えば、私がメンバーに新しいことを勧める時は、こんな言葉をかけるようにしています。

「まずは1週間だけ、とりあえず、お試しでやってみたら?」
(期間を限定してハードルを下げる)

「今回AIに書かせてみて。変な文章になったら、笑い話にすればいいし」
(一部だけ任せる・失敗を許容する)

「使ってみて使いにくかったら、元のやり方に戻して全然OKやし」
(逃げ道を用意して安心させる)

「設定だけ一緒にやろか。とりあえず触ってみよ~」
(最初の面倒な部分を伴走する)

「完璧にこなさなければ」というプレッシャーを取り除き、
「ダメなら戻せばいい」という安心感を与えられるかどうかが、
メンバーが最初の一歩を踏み出すための最大のモチベーションになります。
「ダメで元々、ちょっと試してみようよ」と、
声をかけてみるのが効果的です。

案外メンバーも、
「それならやってみようかな。……なんだ、思ったより簡単で便利ですね!」
と、笑顔を見せてくれるかもしれませんね。

何もしないことが失敗。
チャレンジをして、そこから軌道修正していくのが成功。
だから失敗したらダメ、ではなく
失敗いっぱいしようよ、がすごく大事ですね。
今週もたくさんチャレンジし、トライ&エラーをしていきましょう!