本音は段階的に開く

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先週、ある企業様で終日のコーチング研修を
実施させていただきました。
その中で、上司役とメンバー役の2人1組になって
「本音を引き出せるか?」というロールプレイに
取り組んでいただいたんです。

メンバー役の方には、それぞれ細かい設定が書かれた
シートをお渡ししています。
そのシートは、上司役には見せません。
そしてメンバー役の最初のセリフは、たとえば
「特に問題ありません」「すみません、これから気をつけます」。
あえて本音を言わない設定なんですね。
役割は交代して、全員が上司役とメンバー役の
両方を経験します。

上司役は10分間の面談で、その奥にある
本当の気持ちまでたどり着けるかに挑戦します。
ロールプレイでは、本音が3段階で設定されていると
分かっているので、上司役の皆さんは
「大丈夫です」と言われても、質問を重ねたり、
掘り下げたり、寄り添ったりしながら
何とか本音を引き出そうとされていました。

ところが振り返りの時間に、
「実際の職場で同じことを言われたら、
『そっか』で終わってしまっている…」
という気付きを口にされる方がとても多かったんです。
ロールプレイだから粘れたけれど、
現場では「大丈夫です」をそのまま受け取って
面談を終わらせてしまっている。
皆さん、ハッとした表情をされていました。

ここで私の体験談を…。
実は私、なんでも何とかなる!と
思い込んでしまうところが多々あるんです(笑)。
仕事で起こることは基本なんでも何とかなるから大丈夫、
と自分では思っているので、
当然メンバーもそうなんだ、と思い込んでいました。
なので「大丈夫です」と言われると、
「そりゃそうよね」と思って、そのまま返してしまう。
その結果、何も大丈夫じゃなかった…ということが
本当にいっぱいありました。

自分の「大丈夫」と、メンバーの「大丈夫」は
同じとは限らないんですね。
思い込みを外して、まっさらな気持ちで聴くことが
とっても大事なんだと、今は痛感しています。

この研修では、本音は一度に出てくるのではなく
3つの段階で少しずつ開いていくとお伝えしています。
①表向きの言葉(「大丈夫です」)
②理由・事情(「実は最近…」)
③本音(不安や、本当はどうしたいか)
の順番です。

では、思い込みを外して本音を引き出すために
何ができるか。
今回の研修で実感していただいたコツを
3つにまとめてお伝えしますね。

まず1つ目は、最初の「大丈夫です」を
ゴールではなく、入口だと思うことです。
表向きの言葉が出てきたということは、
話し始めてくれた、ということでもあるんですね。
「そっか」で終わらせずに、「そうなんだね」と
一度受け止めたうえで、もう一歩だけ
「最近どう?」と聞いてみてください。

次に2つ目は、最後まで聞いて、受け止めることです。
話を遮らない、先に結論を言わない、
そして相手の言葉をオウム返しにして
「聞いていますよ」と伝えます。
これだけで、メンバー役の方は
「実は最近…」と、1段階だけ開いてくれていました。

3つ目は、解決を急がないことです。
「せっかくのチャンスだよ」とすぐ説得したり、
「何とかならないの?」と詰めたりすると、
本音の扉は一瞬で閉じてしまいます。
これではあかん!と分かっていても、
やってしまうのが人間なんですよね。
どんな状況なのか、何か困っていることはないか、
気持ちに寄り添って聞くことが大切です。
「話してくれてありがとう」のひと言があるだけでも、
空気は少しやわらぐものなんですね。

本音が出てくる条件は、
受け止めてもらえる(受容)、
気持ちを分かろうとしてもらえる(共感)、
話しても不利にならないと思える(安全)。
この3つがそろったときなんです。
以前にもお伝えしましたが、
答えは常に相手の中にあります。
その答えが出てくる場をつくるのが、
聞く側の役割なんですね。

10月も後半になり、朝晩はぐっと
冷え込むようになりました。
上半期の振り返りや面談の時期という企業様も
多いのではないでしょうか。
ぜひ皆さんも、自分の思い込みをいったん脇に置いて、
メンバーの「大丈夫です」のその先に、
そっと耳を傾けてみてください。
私も、聞く力をもっと磨いていきたいと思います。
来週もワクワク!おもろく働いていきましょう!

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