期待を言葉にする

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先週ある会社で、新入社員研修を実施させていただきました。
入社して半年、現場にも少しずつ慣れてきたタイミングなんですね。
入室するときにはきちんと挨拶をしてくれて、
プリントを配ると「ありがとうございます」の声が返ってくる。
休憩時間もスマホを見るより、同期と話している人が多くて、
基本的なところは本当によく身についているなと感じました。

一方で、お話を聞いていて印象的だったのが、
「すごく成長したい」「がむしゃらに頑張りたい」というより、
「ほどほどに楽で、ほどほどに成長して、楽しく過ごしたい」
という志向の方が、とても多かったことなんです。
人ともあまり摩擦を起こさず、ストレスなく働きたい。
最近の新入社員の意識調査でも、負荷が軽めの職場を望む声が
多いという結果が出ていましたが、まさにその通りでした。

研修の途中、グループで考えるワークの場面で、
「分からない」と言って、考えることをやめてしまう…
そんな空気が流れたことがありました。
そこで私は、少し厳しめにお伝えしたんです。
学生のときは、自分でお金を払って学んでいましたよね。
でも今は、会社からお給料をもらって、就業時間の中で学んでいる。
会社が皆さんに何を期待して、この研修に送り出しているのか。
そこを考えて取り組んでほしい、と。

以前にもお伝えしましたが、学生と社会人の違いは、
新入社員の皆さんがつまずきやすいところなんですね。
ただ今回印象に残ったのは、そのあとの変化なんです。
少しずつ顔つきが変わって、ディスカッションでも
自分から意見を出す人が増えていきました。
ゲームでも「話したらダメ」「ちゃんとやろうよ」と、
ルールを守るようにチームに声をかける人まで出てきて。
彼らは「やる気がない」のではなく、
「何を期待されているか」を知らなかっただけなのかもしれません。

ここで私自身を振り返ると、反省しかないんです…(笑)
起業する前、私はサラリーマンで管理職をしていました。
10年で100人育てて3人しか残らない、そんな世界でした。
当時の私は、やり方や数字の指示はたくさん出していたのに、
「なぜこれをやるのか」「あなたに何を期待しているのか」は、
ほとんど言葉にしていなかったと思います。
「言わなくても分かるやろ」と思い込んでいたんですね。
今思えば、これではあかん!ですよね。

期待は、伝えなければ相手には届きません。
伝えていないのに「最近の若い人は…」と嘆くのは、
少し他責なのかもしれないんです。
事実は事実として受け止めて、じゃあ自分はどう伝える??
そこで、期待を伝えるときのコツを3つご紹介します。

まず1つ目は、「なぜ」とセットで伝えることです。
仕事を任せるとき、研修に送り出すとき、
「これをやっておいて」だけで終わらせていないでしょうか??
「この仕事は、お客様のこんな安心につながっている」
「この研修を通して、半年後にはこうなっていてほしい」
目的と期待をひと言添えるだけで、受け取り方が変わるんです。

次に、期待は「ちょっと先の具体的な姿」で伝えることです。
「もっと成長してほしい」「主体的に動いてほしい」では、
ほどほど志向の若手には遠すぎて、ピンとこないんですね。
「3か月後には、このお客様対応を1人でできるようにしよう」
「報告するときは、自分の考えを1つ添えてみよう」
手が届きそうな具体的な姿なら、一歩を踏み出しやすくなります。
今回の研修でも、報連相のワークで「〜がありました。
どうしたらいいですか?」で止まってしまう人が多かったので、
この「自分の考えを1つ添える」は特におすすめです。

3つ目は、できていることを先に認めることです。
今回の新入社員の皆さんも、挨拶や同期との関わりなど、
できていることがたくさんありました。
まずそこをきちんと言葉にして認めてから、期待を伝える。
「ちゃんと見てくれている」という安心感があるからこそ、
少し高めの期待も、前向きに受け止めてもらえるんです。

「ほどほどでいい」と思っている若手も、
期待が伝わると、ちゃんと応えようとしてくれます。
一番もったいないのは、何も伝えないままにしておくこと。
うまく伝わらなければ、伝え方を変えてまた試せばいいんです。
ぜひ皆さんも、部下や後輩に
「あなたに期待していること」を言葉にしてみてください。

10月も半ばになり、朝晩はすっかり涼しくなってきましたね。
秋は新しいことを始めるのにもぴったりの季節です。
私も、伝え方の試行錯誤を続けていきたいと思います。

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