先日ある会社で、管理職研修を実施させていただきました。
次々に持ち込まれてくる案件に優先順位をつけて、限られた時間で判断していく
インバスケットというプログラムを実施いたしました。
面白かったのは、皆さんの手が止まる場所がとてもよく似ていたことです。
「情報が足りないので判断できません」「もう少し様子を見てから決めます」
そう書かれた意思決定シートが、いくつもありました。
決めきれない理由をお聞きしてみると…。
「もし外したときに部下や上司にどう思われるだろう」という不安が、
いちばん大きいとおっしゃるんです。
つまり決める力は、性格ではなくて習慣です。
だからこそ、練習すれば誰でも鍛えることができるんですね。
私も起業する前はサラリーマンで、管理職をしていた時期があります。
当時の私は、決めるのが本当に怖かったんです。
間違ったらどうしよう、「もう少し情報を集めてから」と、
いつも先延ばしにしていました。
自分では慎重に考えているつもりでした。
でも部下から見れば、ただ待たされているだけやん。
そのことに気づいたときは、これではあかん!と深く反省しました。
決めないというのは、いちばん優しくない答えだったんですね。
皆さんの職場では、どれくらい決まっているでしょうか??
ここからは、決める力を鍛えるポイントを3つお伝えしたいと思います。
まず1つ目は、重要度と緊急度で仕分けることです。机の上の案件を、
すべて同じ重さで見てしまうと、目の前の急ぎのものから手をつけます。
そうすると、重要だけれど急ぎではない仕事が後ろに回されてしまいます。
たとえば部下の育成や仕組みづくりが、いつまでも手つかずのままです。
まず仕分ける。それだけで判断はぐっと軽くなるんですね。
次に、100点の答えを待たないことです。管理職が扱う案件に、
完璧な情報がそろうことはほとんどありません。7割の材料で決めて、
やってみて違っていたら直す。この順番でいいんです。研修でも、
先に決めた方ほど次の案件に進んでいて、扱えた量が多くなっていました。
何もしないことがいちばんの失敗で、やってみて直すことが成功なんです。
小さく決めて早く直すほうが、結果として遠くまで進めるんですね。
3つ目は、決めた理由を言葉にして伝えることです。結論だけを渡されると、
部下は納得できません。なぜそう決めたのか、何を大事にしたのかを添えると、
次に似た場面が来たとき、部下は自分で判断できるようになります。
上司の判断の基準が見えることが、いちばんの教材になるんですね。
判断の数だけ、チームに共通の基準が積み上がっていきます。
決めることは、部下を育てることでもあるんですね。
判断を先延ばしにしないだけで、チームのスピードは本当に変わります。
そして決める回数を重ねるほど、外したときの立て直しも早くなります。
ぜひ皆さんも、いま抱えている案件をひとつ選んで、今日決めてみてください。
10月からは下期のスタートですね。朝晩も少しずつ涼しくなってきました。
気持ちのいい季節に、気持ちよく決めて前に進んでいきたいと思います。
