部下育成

経営理念とは…ダイレクトに生き様!

昨日ご縁を頂いて、30代の若い社長様から社員育成のご相談を頂きました。

さすが!という方で、非常に熱い志をお持ちの社長様で、

日々ご自身での多くのセミナーや研修に参加され、毎日学んでいるとおっしゃっていました。

そして、いよいよ本題の社員育成の話へ。

「結局、社員育成って言うけど、、、

いくらこちら側(会社)が色々研修したり、育成しようと思っても、

本人が『こうなりたい!』とか心の中から湧き出るものがないと、

どうにもならないのではないか??

研修ではいわゆるマネジメントや論理的思考などといったテクニックスキルも重要だが、

それ以上に、心の中からの湧き出るものを刺激してほしいと思ってるんだよね。。。」

 

まさしくその通りなんです!

私はいつも研修の冒頭でもお伝えしますが、所詮テクニック論はどこまでいってもテクニック論!

まさに、心の中から湧き出るもの、これが『想い』だと思いますが

これがないことには、人は成長しません。

 

そしてこの想い、そしてその情熱、

これを表現したものがダイレクトに経営理念なんです。

つまり経営理念とは、社長・経営者の想い、情熱なんです。

社長・経営者の夢であり、描くビジョン、そして絶対やってやるというミッション

そのために行動をこうしていくという行動指針。

つまり経営理念とは、社長・経営者の生き様なんです。

 

対外的には、当社はこういう考え方、想いを持って事業をさせて頂いています。

社内的には、同じ方向を見て一緒に頑張っていこうと意思表明しているものなんです。

 

理念浸透とは、この想いが社員一人一人も同じように思っていることなんですね。

ただ、現実問題として、どうなのか?

それはやはり経営者と社員。隔たりがあっても仕方がないものです。

そして経営理念と現実問題現場の毎日の業務とはかけ離れていることもしばしば。

 

なので、研修では、経営理念を自分の部署に置き換えて

自分自身の言葉で表現する、というプログラムがあります。

ここにいつも管理職の方々はかなり頭を抱えます。

なかには、このプログラムに3時間もかけた、なんて企業様もあります。

もっとこうした方がいいのではないか?

こういう表現の方がいいのではないか?

など、意見交換やアイデアがどんどん出てくるものです。

そうして同じ仲間とディスカッションしたり、これまでの自分の仕事の仕方や考え方を

振り返ったり、という時間を経て、創り上げていくと

ある意味それが、自分自身の「生きる芯」になっていきます。

 

そしてそれを各メンバーに伝えていく。

もちろん、日々の業務に即していなければいけませんし、

経営理念ともリンクをしていかなくてはいけません。

そして、力のある夢のある言葉でなくてもいけません。

 

宿題で各メンバーへしっかり伝えていくことにより

「今まで以上に、仕事に対する遣り甲斐が明確になった」

「自分の今の仕事が大きな夢の1つにちゃんとなっていることを実感した」

といった言葉をよく聞きます。

 

これが、「心に火を付ける」ということなのではないかと私は思います。

是非皆さんも実践していってみてください。

問題が起こったとき「どうして?」って聞いてませんか??

ついつい、何かトラブルが起こった時に「どうして??なぜ???」と原因をまずは追及しがちです。もちろん再犯防止の観点からも、その原因を明確にし対策を講じることは重要です。しかし、「どうして?なぜ?」と聞かれ過ぎると、責められている、怒られている、と感じることも多いのです。そしてついつい上司も人間ですので、感情的になってしまったり、中には結論を早く知りたいのでどんどん質問攻めにしてしまったり、という状況をよく見ます。彼らは質問攻めにすればするほど、どんどん萎縮していってしまいます。そしてどんどん自信を失くしていきます。

ですから、何かトラブルが起こった時には、まずは感情的にならずに冷静に落ち着いて、彼らの話をじっくり聴いてみてください。その際に出来る限り口を挟まずに、聴いてあげてください。時々説明に詰まりながらも、彼らは実はしっかりと問題を捉えていることが多く、その原因追及や今後の対策についてもしっかり考えられていることが多いです。しかし上司から怒鳴られたり、質問攻めにされてしまうと、単純に委縮して何も言えなくなってしまっていることが多いです。すると上司は「何も考えられていない」と誤解してしまうことが多いんですね。

そして、その原因追及や今後の対策で、あなた自身も「なるほど」と納得するところがあれば、その点について認めてあげる発言をしてあげてください。

 

「なるほど。そういう対策を今後すれば、こういう問題は起こりにくくなるね。」

「この時点でそこに気付けたのは、今回いい勉強になったね。」

「ご迷惑をお掛けした方々に、既にしっかり謝罪が出来ていることは素晴らしい点だね。」

といったように、この時点であなた自身が「ここは良く出来ているな、よく考えられているな、いい気付きになっているな」と感じた点について、きちんと具体的に認めてあげてください。そうすることで彼らは、自己反省から自己容認出来るようなり、自分のしてしまったミスについてはしっかり反省しながらも、しっかりそこを取り戻そうと前向きになってくれます。ここがしっかりと出来ていなければ、次の対策考案に対して前向きになれません。ですので、しっかりと認めてあげてください。

その上で、「じゃあ、次はどうしたらいい?どうすべきだと思う?」と聴いてあげてください。ほとんどの場合、彼ら自身でしっかりと対策を立てていることが多いですが、もし仮にこの対策が立てられていない、もしくは不十分と言う場合には、彼らに考えさせ、自ら答えを導き出すように促してあげてください。

「それだと、A側にはいいけれども、B側が納得しないと思うんだけど、どう思う?」

「その方法だとかなり時間的に無理があるけれども、どうしたらそこはクリアできると思う?」

といったように少しヒントを与えながら、彼らが答えを出すように導いてあげてください。前述した「認めてあげる」ことがしっかり出来ていると、ここでの会話は活発になり、彼らが自らの問題として捉えることが出来、しっかり考え実行してくれるようになるのです。

ついつい…「ながら」報告、受けてませんか??

 上司のほうが部下よりも仕事の量も多くその質も難易度が高いです。そんなことは当然ですね。もちろん分かります。上司の方が、部下よりも時間がないこと、時間に追われていること、十分分かっています。だから、ついついやってしまいますね。「ながら」報告…。パソコン打ちながら、資料見ながら、考えながら、、、ついつい「ながら報告」になってしまっています。また、そういう癖が既についてしまっている方も多いのではないでしょうか?意識していないけど、気が付けば何かしながら報告受けているよな…、そんな上司のほうがむしろ普通ではないでしょうか?

 

しかし、この「ながら報告」では部下の心情までは受けとめられないんです。

もちろん何が起こったのか、これからどう対策を取るのか、などの事象は「ながら報告」でも把握できます。しかし、その事象に対して、部下がどんな気持ちなのか?今上司に何を求めているのか?といった心情までは把握できないのです。

なぜか?それは部下の顔、目、細かな表情を見逃してしまっているからなんですね。部下はいろんな報告をするときに、事象の報告にあわせて、心情の変化も伝えてくれています。上司はむしろ事象よりもその心情をキャッチし、そこに理解を深め、寄り添っていかなくてはいけません。部下の話を聴くときは、手を止め、目を見て、細かな表情を読み解きながら、話を聴いてみてあげてください。