最近、いろんな企業様でハラスメント研修を実施させていただく機会が
本当に多いのですが、現場の管理職の方々と本音でお話しすると、
ちょっと心配になる声をよく聞くんです。
「指導して『パワハラだ』って言われるのが怖い」
「そこまでリスクを負うくらいなら、最初から部下とは少し距離を置きたい…」
「いろいろ面倒くさいから、だったら言わない(任せない)。」
圧倒的に多いのが、こういう戸惑いの声なんですよね。
昔のような理不尽な指導がなくなるのは、もちろん良いことです。
でも、その反動で
「とにかく波風を立てないようにしよう」
「相手を否定しないようにしよう」
という防衛本能が働きすぎている気がします。
その結果、どうなっているか?
当たり障りのない意見しか出ない、「ぬるま湯の仲良しクラブ」になってしまっている
組織がめちゃくちゃ増えているんです。
ハッキリ言ってしまうと、全員が「それ、いいですね!」と
ただ賛同するだけの会議や仕事なら、
わざわざ集まってやる意味ってないと思うんです。
新しい価値やイノベーションって、異なる意見や価値観が少しぶつかり合う中から
「じゃあ、こういうアプローチはどう?」と生まれてくるものです。
「心理的安全性」はすごく大事なキーワードですが、
それを「誰も反対意見を言わないこと」だと勘違いしてしまうと、
組織はただ衰退を待つだけになってしまいます。
今の時代、経営層や管理職が仕掛けないといけないのは、
表面的な馴れ合いではなく「健全なコンフリクト(生産的な衝突)」だと思います。
では、人間関係を壊さずに、どうやって意見をぶつけ合うのか?
1. 「ヒト」と「コト」をきっちり切り離す
私たちは「自分の意見を否定される=自分自身を否定された」と
受け取ってしまいがちです。
「あなたの『案』には反対やけど、あなたの『人柄や能力』はリスペクトしているよ」
という共通認識を、組織のカルチャーとして根付かせることが第一歩です。
2. あえて「悪魔の代弁者」を任命する
会議や意見交換の場で、
「今日は〇〇さんに、あえて反対意見を言う『ツッコミ役』をお願いします」
と最初に設定してしまうんです。
役割として反対意見を言うなら、角も立ちません。
「それって本当にそう?」という視点が入るだけで、
議論の質はグッと上がります。
3. 経営陣・管理職から「自分の非」を認める
健全な衝突を生むには、上の立場にいる人が「完璧なふり」
をやめるのが一番早いです。
「この前の私の判断、ちょっとズレてたかもしれん。みんなはどう思う?」
と、リーダー自らが「突っ込まれどころ」を見せる。
これが最高のカンフル剤になります。
この方法、私はしょっちゅう使っています(意図的ではなく、結構素です)
間違えることは多々あるし、ほぼ色んなものを忘れてしまうし
結構その時のノリみたいなもので物事決めてしまうし…。
なので「あっ。ちゃうわー。ごめんごめん。」は日常茶飯事です。
ハラスメントを恐れて「波風を立てない組織」を作っても、
それは一見平和そうに見えるだけで、
実は組織の成長が止まってしまっている状態です。
表面的な「仲良しクラブ」ではなく、
時にはしっかりと意見をぶつけ合える「本当の意味で強いチーム」
が、今まさに必要な時代になっていると日々強く感じます。
早いもので、今年も半分終わりました。
梅雨が明けた瞬間、夏本番の暑さと蝉の声がやってきましたね。
暑さに負けず、強いチームで、更に加速度を上げていきたいと思います。
