真の女性活躍推進ってなんだろう?

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203030という政府の女性活躍推進プロジェクトが施行され、

各社ともに、女性活躍に向けて様々な施策が行われています。

先日も大手小売業の企業様からご相談を頂きました。

 

昨年から当社も女性活躍推進プロジェクトの1つとして

女性社員を対象とした研修を行っているが

まだまだ全員の女性には出来なくて

子育て中の女性社員に限定して行ったが…

結果彼女たちのモチベーションは上がった人もいるし

このままの働き方でゆっくりキャリアでいいんです。

今更キャリアキャリアって言われても…という女性社員も半分くらいいました。

また、受け入れ側の男性管理職からも

女性活躍ってどうなの??権利ばかり主張するようになった社員もいて

これって本当に有益なのか?という不満や疑問の声も上がってきています。。。

 

こういうご相談、実は昨年から増え続けています。

一概に女性活躍といっても、全員の女性社員が管理職を目指し

バリバリ働いていく、という働き方を望んでいるわけではありません。

またいくら望もうとも、例えばお子様の年齢や近くに祖父母がいるのかどうか

ご主人の職業や性格など。。。

女性一人ではなかなか思った通りに出来ないというのも現実です。

 

また、男性管理職としても、女性がモチベーション高く、

やる気や向上心を持って仕事に取り組んでくれるのは嬉しいものの、

「私、女性なんで」とある意味権利ばかり主張しているように

見えてしまう、というのも現実問題あります。

ただ、彼女たちが本当に権利ばかりを主張しているのかというと

そうではないケースも多々あります。

ここには双方のコミュニケーションの問題が潜んでいるんですね。

また、男性と女性とでは事象に対して感じること、求めることが

大きく異なります。

特に、役職が異なり、上司と部下の立場にあって

しかも女性社員が子育て中で時短社員ともなれば

全く立場も状況も異なるわけですから

コミュニケーションは更に難しくなってしまっているのです。

そんなつもりで言ったのではなないのに…ということです(笑)

 

ある面白い例をご紹介しましょう。

ある映像を見て、そんなときなんて声を掛けるか?という質問です。

映像の内容は…

時短で働いている女性社員。毎日限られた時間の中で

非常に責任感の強い彼女は、他の社員に出来る限り迷惑をかけないように

毎日おしゃべりする時間も惜しんで仕事に邁進していました。

それでも、上司や周りの男性社員、時短社員ではない女性社員から

「自分がお荷物的な存在」として思われているのではないか

と日々感じていたのです。(実際はそうではないことも多くありますが…)

ある日、保育所から子供が熱があるので早めに迎えに来るように

と連絡が来ました。

旦那様に連絡しても「無理」とのことです。

近くに頼れる祖父母もいません。

彼女は上司や周りの社員に残っていた仕事をお願いし

謝りながら会社を早退します。

そしてダッシュで保育所に向かい、子供を連れて帰る道すがら

子供もしんどいので、泣き始めます。

仕事も中途半端。みんなに迷惑を掛けている。

子育ても中途半端。子供にも申し訳ない。

そんな思いのとき、子供がふと「ママ、大丈夫?」と聞きます。

色んな気持ちが溢れ出て、彼女は泣いてしまいます。

さて、そんな彼女になんて声を掛けますか?

 

女性活躍研修で男性管理職に聞くと…

「旦那さんは手伝ってくれないの?」

「もう少し期限のない仕事だけに変更しようか?」

「大丈夫?疲れているんじゃない?」

といった回答が多いのです。

 

実はこの回答、全て間違っています。

余計に彼女を追い詰めてしまうんですね。

「うん。良く頑張ってるね。」

これだけでいいんです。

同僚であれば、軽くハグしてあげるのもいいでしょう。

女性が求めているのは、「今の自分を分かってほしい」という共感です。

しかし男性は「問題があるのであれば解決してあげなければ」と

問題解決に走ります。

特に管理職ともなれば、「自分が何とかしなければ」という責任感も

出てきます。

それではなかなかうまくいかないんですね。

 

女性活躍、と言いますが、今の時代女性だけけではなく

若手男性も同じ傾向が強くあります。

もちろんそれを支える制度や風土も必要ではありますが

女性活躍って本当は女性だけではなく

男女関係なく、もっともっとお互いの立場を理解し

状況や背景を踏まえた真のコミュニケーションを取ること

解決していくことが多いんですね。