先週ある会社で、ロジカルシンキング研修を実施させていただきました。
参加者は若手から中堅の皆様です。
研修の冒頭でいつも聞くのですが、「ロジカルシンキングが得意な方?」と聞くと、
ほぼ手は挙がりません。
逆に「苦手な方?」と聞くと、ほとんどの方の手が挙がります。
私は感覚で仕事をしているので…とか、頭の中では分かってるのに、
話すとぐちゃぐちゃになってしまうんですよ〜とか。
そもそも理屈っぽい人だと思われたくない、という声もよく出てきます。
その気持ち、本当によく分かります。
というのも、以前にもお伝えしましたが、私自身が超感情人間で、
昔はロジカルシンキングがとても苦手だったからです。
若い頃の私は、なんとなくこっちの方がいい感じがする、絶対こっちの方が面白いやん、
で物事を決めていました。
ですから提案をしても、上司から「で、根拠は?」と聞かれた瞬間に固まってしまう。
熱意だけで押し切ろうとして、伝わらないのは相手のせいだと思っていたことも
ありました。
今思うと、なかなかの自己中ですね(笑)
ただ20代後半の時に、これではあかん!と思ってロジカルシンキングを学び、
意識して実践するように心がけてきました。
すると今では、論理的に考えることは意識しなくてもできるようになりました。
つまりロジカルシンキングと言うのは、生まれ持った性格やセンスではなく、
完全に訓練で身に付くスキルなんですね。
私が実際にやってきたのは、とても地味なことです。
まず1つ目は、話す前に「結論は一言で言うと何か?」と自分に問うことです。
頭の中で一度だけ、この問いを挟む。それだけです。
最初はとても不自然ですし、時間もかかります。
でもこれを何百回と繰り返していると、勝手に口が結論から動くようになります。
2つ目は、「なぜそう思うのか?」と「だから何が言えるのか?」を、
自分の意見に対して何度も問いかけることです。
感情型の人は、実は理由がないわけではありません。
感覚の下にちゃんと理由が眠っているのに、それを言語化していないだけなんです。
ですからこの問いかけを繰り返すと、自分の感覚がだんだん言葉になっていきます。
3つ目は、頭の中で考えずに、必ず紙に書き出して並べることです。
頭の中でこねくり回すから、ぐちゃぐちゃになるんですね。
書き出して、似たものをまとめて、順番に並べる。
これだけで話は驚くほど整理されます。
このロジカルシンキングが身に付くと、ビジネスにおいてはとても有利です。
まず提案が通りやすくなります。
相手が納得するための材料を、こちらから渡せるようになるからです。
次に、意思決定が速くなります。
自分が何で迷っているのか、その論点がはっきりするからです。
そして何より、この人は物事を整理して考えられる人だ、と信頼されます。
任される仕事の質そのものが、変わってくるんです。
ただ、ここで一つお伝えしておきたいことがあります。
ロジカルになるということは、感情を捨てるということでは決してありません。
熱意や共感は、人を動かす最大のエネルギーです。
ただ、そのエネルギーを相手に届けるには、通り道が必要なんです。
ロジックはその通り道であり、器なんですね。
ですから感情型の方がロジックを手に入れると、
実は一番強いんじゃないかな、と思っています。
中身の熱さは、元々持っているわけですから。
研修の最後に、冒頭で「苦手です」と言っていた方が、
これって才能じゃないんですね、練習なんですね、と笑って言ってくださいました。
まさにその通りです。
苦手だと思っていることの多くは、才能の問題ではなく、単に練習量の問題だったりします。
早いもので、8月ももう終わります。
9月からの後半戦、まずは「結論は一言で言うと何か?」の問いかけ1つだけでも、
ぜひ皆さんも普段の会話の中に取り入れてみてください。
そうすることでトレーニングされ、無意識にできるようになります。










