この時期、全国の企業様からお声がけいただき、
数多くの新入社員研修に登壇させていただいています。
多くの真新しいスーツ姿の若者たちと真正面から向き合っていて、
ここ数年、私の中にものすごく強烈な危機感として蓄積しているものがあります。
「最初から自分に100%フィットする『天職』がどこかに用意されている」
と信じて疑わない新入社員が、あまりにも多いなぁと思います。
研修の現場で飛び交う「配属ガチャ」と「やりがい」の不安…。(配属ガチャ、普通に使われてますよね…)
彼らは、決して不真面目なわけではありません。
むしろすごく素直で、超真面目で、情報収集能力にも長けています。
でも、研修の質疑応答やディスカッションでの話を聞いてると…
こんな質問(話)が次々と飛び出してくるんです。
「もし、自分のやりたいことと違う部署や嫌な上司の元に配属されたら、どうしよう…」
「この仕事が自分に向いていない(天職ではない)と思うわ…」(まだ入社1週間なのに…)
私は心の中で「ああ、またか……」です。
メディア・CMやSNSで声高らかに言っている
「好きなことを仕事にしよう」
「自分らしさを大切に」
という言葉の呪縛にかかり、
彼らは「天職(正解)は、外の世界のどこかに転がっているものだ」と
本気で思い込んでいるんです。
研修内ではよくお伝えしますが…
「『天職』なんて、この会社のどこにも、いや、世の中のどこの会社にもないし
そもそも待っていて現れるものでもない」と。
最初からやりがいがあって、自分にぴったりで、
毎日ワクワクして楽しくて、会社に行くのが楽しみー!
なんて仕事はありません。
仕事の面白さや『やりがい』というのは、
目の前の泥臭いことから逃げずに没頭し、
できることが増え、先輩や上司・お客様から
『ありがとう、助かったよ』と言われた後から、
ようやく最後についてくるものです。
しかも、ちょっとずつちょっとずつ見えてきます。
(一気に現れるものではない)
天職は探すものではなく、自分自身の手で、
今の仕事を天職に創り変えていくものなんです。
研修では、確かに…なるほど…と分かったつもりでいる彼らですが…
研修という「非日常」が終わり、現場という「日常」に配属された後、
彼らは再び、思い通りにならない壁にぶつかり、
「やっぱりここは私の居場所じゃないかも」
という青い鳥症候群の誘惑に駆られる人が多くいます。
彼らが「やりたいことと違いました」と弱音を吐いたとき、
「じゃあ、このつまらないと思っている業務を、
君のアイデアで少しでも面白く、変えてみて。任せるから」と、
小さな裁量を与え、彼ら自身の手で仕事を「面白くする」経験を積ませてあげること。
これがすごく大切だなぁと思います。
一見すると、任される、自分の裁量で出来る、と思うことですが…
言われたことを言われたとおりにやることとは
比べ物にならないほど、本当に根気のいる、しんどい道のりです。
でも、考えて、試行錯誤し、をやっているうちに
時間はあっという間に過ぎていき、
そこに実績もついてくるし、認めてくれる人も現れます。
是非現場でも
「仕事は自分で創り出すもの」をなるべく早い段階から
経験させていってほしい、それが早期育成への近道だと思います。
