従来の支配型マネジメントをしていると
「どうして成果をあげれないんだ!?
それは気合と根性が足りないからだ!」
と安直に仰る上司が多くいます。
成果を上げるまでの努力をせず、
それまでに辛い、しんどいとすぐに辞めてしまうから成果が上がらないんだ!
と豪語されます。これも一理正しいと思います。
実際にすぐに辞めてしまう若者、
辛いことからすぐに逃げ出してしまう若者がいることも事実です。
しかし、今の時代、
なかなか成果を上げることが難しくなっているということも
少し理解して頂きたいと思います。
私が新入社員だった約20年前に比べて、
今の若者は大変だなぁと思うことが多くあります。
例えば、インターネットが普及したおかげで、
仕事のスピードがどんどん上がりました。
ひと昔前であれば、3日間の猶予があった仕事でも、
今では数時間で、みたいなことも日常茶飯事です。
単純に情報社会となり、お客様もひと昔前に比べて、
非常に博識になり、すぐに検索することで多くの情報を得ることが出来ます。
要は、お客様はひと昔前よりも随分賢くなったのです。
つまり新人レベルの人が簡単に成果を上げられる時代ではなくなってしまったのです。
今の時代は情報社会、ひいでは知識社会と言えます。
ひと昔前であれば、知識や経験の欠如は気合や根性でカバーできました。
これは「質」より「量」の時代だったからです。
しかし今は「量」よりも「質」の時代です。
ですから質が伴わない新人は成果を上げられない、という時代であること、
そしてそれは「量」ではカバーできないということを理解しましょう。
では、質を上げるにはどうしたらいいのか?ですね。
これは矛盾しているようですが、
量をすることでしか質を上げることは出来ません。
多くの仕事を経験し、そこから質を高め続けることでしか出来ないのです。
ただし、ひと昔前であれば、質の低い仕事を量をしていれば成果はついてきたので、
それだけで自分が成長していることを感じられたし、
上司にも認めて褒めてもらえたし、
自分でも少しずつ自信が付いてきたのです。
しかし今の時代は、質の低い仕事をしている間は
どれだけ量をしてもなかなか成果が結びついてこない、という時代です。
そして成果が出ないことで、上司にも怒られ、認めてもらえず、
自信喪失に繋がり、仕事もだんだん嫌になってきて、心が折れてしまいます。
そして上司には「気合・根性」が足りないと否定される。
必死になって頑張っても成果が出ない。
そしてまた叱られる。どんどん自分に自信がなくなり、
どんどん「この仕事が自分に合わないのではないか?」と疑問が生まれ、
そしてどんどん仕事が嫌になってくる。
この悪循環に陥ってしまうのです。
気合や根性だけではなかはなか売れない、
成果が上げられないという時代になってしまったと
いうことをしっかり理解した上で、
プロセスをしっかり評価してあげる、
成果にまだ結びついていなくてもそのプロセスを認め褒めてあげることで、
質の高い仕事につなげていくことが、
今の時代には求められているのです。