お勧めの1冊

【管理職にお勧め】管理職1年目の教科書(櫻田毅著)

今回のお勧めの1冊は「管理職1年目の教科書」(櫻田毅さん著作・東洋経済新報社)です。最近コロナの影響で、出張や研修が中止や延期になり、普段よりも本を読むペースが上がってきてしまっているこの頃です。仕方ないことですが、ここは第2領域を充実させる時間だと思って、日々インプットを増やしています。

さて、この本、管理職になりたての方に特におススメですね。外資系マネジャーが絶対にやらない36のルール、とサブタイトルが付いている通り、日本企業では当たり前になっていることを前提から疑う、というところが面白いですね。なかなか決断できない日本企業のよくある「あるあるケース」がたくさんあります。

人の育て方にも、かなり納得のあるルールがたくさん紹介されています。例えば…本人任せの無責任な「失敗から学べ」をやめる、です。これも現場でよく聞くあるある。「たくさん経験させてあげているのに、全然失敗から学んでないですよね。むしろ失敗することを恐れて、失敗すらしないんです。」とよく管理職の方々から相談されます。

失敗すらしない、というのは、そもそも何も経験させていないからなんですよね。上司の描いたとおりに動いている限り、ほとんど失敗しませんから。だからこそ、部下本人に考えさせることが大切ですし、それが成功に繋がる失敗になるように導いていかなければいけません。そのプロセスも丁寧に書かれています。

また、忙しいことをアピールするのをやめる。これも大いに賛成共感です。管理職が一番忙しいのは、アピールしなくても当たり前。アピールすればするほど、部下は相談しにくくなりますし、また自分はそんな上司になりたくないと、管理職になりたがらない人が増えるだけです。もっともっと余裕を見せないといけません。

でも、日本企業の多くにおいては、「忙しいとアピールすることが、優秀だ」みたいなバカげた当たり前があることも事実です。優秀だから、俺忙しい、みたいな感じです。

「忙しい」「難しい」「大変だ」このようなネガティブワードは自分自身の脳にもネガティブな思考を植え付けていきます。英語圏の人たちは、忙しいの代わりに「チャレンジだ」という言葉をよく使うそうです。するとポジティブなイメージに変わりますね。

私も研修でこのポジティブワードを使おうというメッセージをよくお伝えします。「疲れた」ではなく、「頑張った」という言葉を使うようにする。すると人間は疲れないんですよね。「頑張った」という言葉は、明日に向けての活力になります。「大変だよね」を「遣り甲斐あるよね」という言葉に変えていく。

これは自分自身にも有効ですし、部下や周りの人への影響も大いにあります。ネガティブの言葉をよく使う上司は、あの人に相談しても…と思われますし、逆に、ポジティブワードをよく使う上司は、頼りがいもありますし、何より何とかしてくれそう、と思われます。

この本に書いているには、心構えや考え方が全てなので、何か大きな仕組みや仕掛けは必要ありません。大手企業でも中小零細企業でも通じることばかり。ぜひ、管理職になりたての方に読んでほしい1冊ですね。

【自己啓発としてお勧め】バカとつき合うな(堀江貴文&西野亮廣著)

今回のお勧めの1冊は「バカとつき合うな」(堀江貴文さん&西野亮廣さん著作/徳間書店)です。

かなりのベストセラーになった1冊なので、手に取った人も多いのでは?ですね。いつものホリエモンさん節溢れる、また西野さんのキレキレなところがかなり見られる1冊になっています。やっぱり言い方がバッサリバッサリで気持ちいい。

今、彼らがこれほどまでに求心力があるのは、やはり時代が変わっているところだから、ではないかと思います。特に若者から絶大な支持を集め、憧れられ、尊敬されているのは、この時代が大きく変わっている最中に、先頭を走っているからですよね。

やはりこの本を読んでも、彼らは「行動力の天才」だと思うんです。その辺の評論家や口だけの人とは違うのは、彼ら自身が行動しまくっているから。そこに尽きます。彼らは好きなことをやっているだけ、と言ってますが、それにしても、これだけのことをするには、ものすごいエネルギー(身体も心も)が必要だと思うんですよね。

以前、とある若者から研修でこんなことを言われました。「ホリエモンさんも『会社に縛られるな、自分を時間を好きなように生きろ』って言ってますし、会社を辞めようと思うんですよね。」どうぞどうぞ。辞めたらいいと思います。で、辞めてどうするの?「もっと待遇のいい会社に行って、残業のない会社に行って、自分の時間を満喫します。」それってさぁ…ホリエモンさんの伝えたいメッセージの本当の意味わかってる???と議論になったことがあります。

もちろん彼自身の人生ですから、そんな風に会社を辞めて、次の会社に行って、自分の時間を満喫して、それもいいですよ。でもあなたは自分の時間を作って何がしたいの?と聞くと…「分からない。ゆっくりしたい。」そうです。これはちょっと違うんじゃないかな?と思うんです。いつも彼らの本を読んで思うのは「動けよ(行動せよ)」という強烈なメッセージを感じます。

これだけ時代が大きく変わっている今、どんどん自分が動かないと、やばいよ。もっと自分自身の夢を大きく持っていこうぜ、そのためにどんどん行動しろよ、ゆっくりしてる暇なんてないよ、という強烈なメッセージだと思うんですよね。

そしてそれに乗り遅れている、いわば旧態依然の状態から抜け出せない人、抜け出したくない人、あなたたち本当にやばいよ、時代はとっくに変わってるよ、というメッセージ。やはり管理職研修をしていると、50代以上の方々が参加者であることも多いんですが、かなり否定的な方々も多い。「今の若者は気概がない、礼儀がない、根性がない」と3拍子揃ってます(笑)。

それって今に時代に必要ですか?そしてそれがあったとしても成果って出ますか?という質問をします。「うちの会社ではそうだ!」という返答が多い。会社って普遍的なものではなく、その会社に居る人たちが作るものなんですよ。だから、その会社の管理職にいるあなたたちが変わることが、会社が変わることなんですよ、といつもお伝えしています。

今の時代に一番必要なのは「動けよ」です。そのメッセージをキレキレの理論とバッサリバッサリな物言いで爽快さを感じつつも、自分も出来てないよな、と考えさせられる1冊ですね。

【経営者にお勧め】上司のすごいしかけ(白潟敏郎著)

今回のお勧めの1冊は「上司のすごいしかけ」(白潟敏郎さん著作・㈱中経出版)です。

シンプルですぐ出来て、抜群の効果があり、継続できる、という20の仕掛けが書いてあります。2006年に書かれている本なので、今読むと、これって結構当たり前じゃない?と思うことが多いですが、出来ていない会社ってまだまだあるような気がしますね(笑)

すごく簡単なのに出来ていないなぁと感じることが、仕掛け1と12の2つ。まず仕掛け1ですが、「部下のやりたいことを聞く」です。これ、実は聞かれていないことが多いんです。やるべきことはたくさん言われているんですが、部下が何をしたいのか、聞いていない上司が多い!!そして部下も聞かれていないから、「やりたいこと」が分からない。

研修でも「なにがしてみたいの?」と若手の社員に聞くと「分からない」といった返答がよくあります。これは若手だけに限らず、管理職に聞いても「よく分からない…。考えたことがない…」といった返答がよくあります。常に「やるべきこと」を与えられているので、これまでに「自分が何をしたいのか?」を考える機会があまりなかったというのもあると思います。

今までの時代は「やるべきこと」がたくさんありました。常に改善改善の積み重ねで「やるべきだけども、まだ出来ていないこと」が山積みだったんですね。でも今の時代、右を見ても左を見ても、ものがあり溢れている時代。「もっとこうゆうものがあれば…」というのは、もうほとんどのケースもうあるんですよね。だからもっと新鮮な目で、常に「何が自分はしたいのか?」を問い続ける必要があると思います。そうすることで、新たな事業の芽が生まれてくるのではな以下と思います。

また、自らやりたいと言ったことなので、当然「自発的」になります。そのために、自分で情報を集めたり、当然やる気も出てくる。だからこそ、「何がしたいの?」を常に問い続ける必要があると思います。

仕掛け12は、できる上司は「なんで」を言わないことです。「なんで出来ないの?」「なんで遅れてるの?」ですね。

言い方を「どうしたら出来るの?」「どうしたら期日に間に合うの?」という風に言い方を変えるわけです。そうすることで、プラスの返答を促すことが出来ます。「なんで」と聞いても「出来なかった理由」(上司には言い訳に聞こえることが多いんですね(笑))が返ってくる。これを聞いてもしょうがないわけです。過去は変えられませんしね。だからこそ、「じゃあどうする?」という問いかけをするわけです。どうしたらできるのか?常にhowを聞いていくわけですね。

すると答える側も当然、視線が未来を向くわけです。「こんなサポートがあれば出来る」「ここで躓いている。ここを教えて欲しい」などなど。建設的な意見が出やすくなるわけです。

よく研修で「何を傾聴しても、マイナスな言葉ばかり返ってきて…愚痴や言い訳が多いので、ついつい腹が立つんですよ。」分かります。上司も人間ですから。でもその質門の仕方がマイナスを引き出しているんです。質問の仕方を変えることで、プラスの志向性や返答を促すことが出来ます。

この本には会社として取り組む仕掛けもたくさん載っているので、うちの会社には…という場合もあるかと思いますが、上司一人でも実行できることもたくさんあります。そして、さくっと読めちゃいます。是非参考にしてみてください。

【管理職のお勧め】エゴグラムが教える最良のリーダー(塚田治著)

今回のお勧めの1冊は「エゴグラムが教える最良のリーダー」(塚田治さん著作・日本実業出版社)です。

いつも管理職研修のコミュニケーションスキルのプログラムでエゴグラムを活用してます。自分自身のコミュニケーションの型を知って頂き、どのような対応をしていくのか?を考えてもらっています。やはり皆さん、自己分析大好きで、いつもたくさんの質問を頂いたり「僕のを見てください!」と言って頂きます。研修後もこのエゴグラムに関するご質問も結構頂きます。

そんな皆さんにお勧めなのが、この1冊。エゴグラムからみる自分自身の特徴やその対策など、結構簡単に学べます。さらっと読めちゃいます。

特におすすめなのが、第3章。リーダーとしてあるべきコミュニケーションの取り方が具体例を挙げて詳しく書かれています。「I am OK/ You are OK」のコミュニケーションが取れなければ、リーダーとしては厳しい。確かにその通りです。そのために関心を持って傾聴すること。これは基本中の基本ですよね。

関心を持って傾聴した上で、正しく評価すること。この正しく評価することが、出来ていない場面が多くあります。ついつい人間なので、感情が入ってしまう。「まだ出来てないね。(何度言ったらできるんだ!?)」ですね。あるがままの事実をちょこちょこ小出しにして冷静に言うこと。これが大事です。でもついつい人間なので、感情交じりに言ってしまう。そして返答のチャンスを奪ってしまう。で、矢継ぎ早にガンガン言ってしまう。よくありますね。

そして最後は、期待をすることです。これには、雰囲気作りも大事。多くのストリークを与え、成功するたくさんの機会を作る。そして小さな成功をほめる。この期待の掛け方も間違って、かなりのプレッシャーのみを与えてしまっている場合も多いですね。

先日管理職研修のご相談を頂き、商談してきました。その時も「そうなんですか!!??僕たちの時代はそんなこと言われませんでしたけど…時代が違ってるんですね。」確かに、時代は変わっています。しかし、傾聴すること、ほめることは結構昔からずっと言われてるんですよね(笑)。少し昔と違うなと感じるのは、昔の上司と部下は「かなり言い合って、腹を割って…」みたいなことを経験している方も多いと思いますが、今はこの「言い合って…」みたいなところがないような気がします。「どうせ分かってもらえないし…」「言っても無駄…」こんな風に捉えている若者が多いような気がしますね。

部下とのコミュニケーションに悩んでいる方は、自分自身の傾向を知ると、「自分はそういう傾向があるから、ここちょっと注意しとこう。」「自分はすぐ言いすぎちゃうから、半分くらいで止めておこう。」となります。エゴグラムは、自分自身の傾向が分かるので、お勧めですね。

【働く人にお勧め】2022これから10年、活躍できる人の条件(神田昌典著)

今回のお勧めの1冊は、「2022-これから10年、活躍できる人の条件」(神田昌典さん著作/PHPビジネス新書)です。

2012年に書かれた本なので、今となっては、ん???違うよ。という部分はもちろんあります。例えばiphoneはなくなっている、とありますが、全然そんなことはない(笑)ですね。2024年には会社はなくなる!?とありますが、これもないですね。ただ、働き方改革やリモートワークなど、それに近いことはあるような気もします。

共感できるところもあれば、そうかなと思うところもあった本ですが、最も私が共感したのは「電機メーカー勤務 25歳 サラリーマン3年生徒の対話」というところですね。これまで、会社では人は育たない、キャリアも望めない時代になるという内容がずっと続いていたのですが、最後の章にそれが覆されるんですね。

人生ゲームのルールという表があり、これは、オーストリア出身の思想家シュタイナーが、幼児教育において7年周期を説いていることにインスピレーションを受けたもので、それに米国メリーランド大学、キャロル・S・ピアソン博士の元型論、そして著者が開発に関わった春夏秋冬理論を複合して作成したチャートです。15~21歳までは戦士であり、障害やチャレンジの年、22~28歳までは世話役で、他社の必要性や依存に気付くこと、そして29~35歳までは探求者であり、不満足、離別、空虚感、機会に気付くこと、とあり、それが84歳まで続きます。

つまり28歳までの世話役の間は、修行の期間である、ということなんですね。会社での理不尽なこともあるだろうし、ダメダメ上司もいるだろう。しかしそれらの経験から人間力が磨かれ、その後の探求者となった時に、花が開く、というわけです。ここには非常に共感できました。

昨今、働き方改革もあり、給与がなかなか伸びないという背景もあり、副職が盛んに言われています。私もfacebookをしてますが、「家に居ながら年収1000万」みたいなことを書いている人、たくさんいます。さらにはここ数か月、コロナウィルスの影響もあり、個人事業主になろう、LINEで広告するだけで大儲け、や色んなネットワークビジネスの方々の投稿はどんどん盛んになっているように感じます。もちろん成功している人もいるでしょうが、その陰で借金ばかりを背負っている人の数はおそらく数十倍から数百倍いるんじゃないかな、と個人的には思います。

特に若い世代には、この理不尽から学ぶこと、を是非知ってもらいたい、と思います。だからと言って、理不尽になっちゃいけないんですが、組織の中でしか学べないこともたくさんあります。上司や先輩から教えてもらえること、お客様から教えて頂けることは、かけがえのない財産になります。安易に独立起業という雰囲気の中、是非この本を読んで頂きたいですね。

【議論するのにお勧め】お姫様とジェンダー(若桑みどり著)

今回のお勧めの1冊は、「お姫様とジェンダー(アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門)」若桑みどりさん著作(ちくま新書)です。

はっきり言って…この本は議論するのにおススメですが、この内容に私は全然理解も共感も出来ません。シンデレラや白雪姫、その他諸々のおとぎ話が「女性を受動的に」してしまっている、という内容です。確かにそうかもしれません。歴史としてはそうかもしれませんし、事実そうなんだと思います。ただ、この現代において、「待っているだけでいつか白馬の王子さまが来てくれる」「そのために美貌を磨き、おとなしく主張せずただただ待つことが全てである」と、私たち女性は思うでしょうか?

私も小さいころからプリンセスは大好きです。私の娘もプリンセスが大好きです。でも自分自身がプリンセスのように、仕事もせず「きれいで思いやりがあり、男性を支える存在になれば、人生ハッピーになれる」と思っていませんでした。それはそれ、これはこれです。小さいころからプリンセスのようにかわいくありたい、とは思ってましたが、それは、男性に受け入れられやすいから、や男性を支えるために優しさが必要と思ったことはありません。ただ、自分がキラキラしているプリンセスって素敵と思ったに過ぎなかったように感じます。

ジェンダーの歴史や、それを取り巻く時代などを学ぶのにはいい1冊だと思いますが、この本が書かれた2003年を思い返しても、本当に女性はそんな風に思っていたのか?と疑問を感じずにはいられない1冊です。ただ、この本の中で大学生の彼女たちの感想や感じたことがそのまま掲載されているのですが、ただその内容に驚嘆せずにはいられません。

この本が書かれてから約20年。時代は大きく変わりました。当然ながら男女の別なく働ける社会になりつつあります。もちろん男性が女性を理解し、育成方法や指導方法に取り入れていくことは、これからの時代ますます必要になるでしょう。

この本で著者が最も伝えたいメッセージとして「自ら目覚めよ」とあります。つまり女性たちに対して「待ってるだけではだめよ。自分で自分の人生を切り開いていかなければ、幸せにはなれないわよ!」と伝えています。ここには大いに共感できます。ただ、20年経った今、これは女性だけではなく、男性でも言えることで、何も若者だけではなく、年配者にも同じように言えることです。

時代は今、大きく変わっているし、まだまだもっともっと変わっていくでしょう。この時代の変化を感じることと、それに備えることが必要です。しかし、時代の変化を感じない人、感じているけれども変わりたくない人、変わりたいけれども何も行動しない人、ここが多いように感じるのです。

この本はこれまで読んだ「役に立つ」や「なるほど」といった納得や共感は、残念ながらあまりありませんでした。読みながら何度も「腹立つ!」と読むのを中断したくらいです。しかし、是非この本を基に、女性たちと男性たちと「どう感じたのか?」を議論していきたいと思える1冊です。

【管理職以上にお勧め】妻のトリセツ(黒川伊保子著)

今回のお勧めの1冊は、「妻のトリセツ」(黒川伊保子さん著作/講談社+α新書発行)です。

ここ数年、女性活躍推進の動きが各企業様でもかなり活発になっており、有難いことに毎年色んな企業様にて女性活躍推進研修や女性キャリアデザイン研修を実施させて頂いております。女性に向けての研修はもちろんですが、女性を多く持つ男性管理職向けの「女性部下とのコミュニケーション研修」もここ数年、飛躍的に多くなっています。

「女性の考えていること、よく分かりません。」

「どうして、今そうなるの??」

という男性からの質問が研修でも多く、なかなかご理解して頂くのが難しいところです。そこで、知識を増やそう&もっと分かりやすい例えが出来ないかなと、昨年読んだ1冊です。

ジェンダーコミュニケーションの基礎から、脳の仕組み、そして太古の昔からの培った男女間の習性や役割の違いなど、ものすごく分かりやすく書いてあります。また、例え話もタイトル通り「妻」なので、非常に腑に落ちやすい。

同じ女性ですが、なるほど、ふむふむと頷く場面がたくさんあります。 男性だと「そんな風になってたのかぁ…」と思うところ満載ではないでしょうか? また、「え?これ普通でしょ?」と思うところも多々あり、「これが男女の違いかぁ」と男性とのコミュニケーションを学ぶ1冊としても有りな1冊です。

コミュニケーションとは、相手を理解し、また自分自身を理解してもらうために取る方法であること。そのためには、相手のことをまず理解する必要があります。言葉ではなく、なぜそう感じるのか?ここにジェンダーの違いがあり、記憶の残り方や整理の仕方も異なります。

女性部下を持つ管理職の方々には、彼女たちをよく知る1つのきっかけになる1冊であり、また女性にとっても、男性にはこうゆう風に理解されやすいのだと理解する1冊でもあると思います。

【管理職以上におススメ】アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」につくり方(マイケル・アブラショフ著)

今回のお勧めの1冊は、「アメリカ海軍に学ぶ『最強のチーム』の作り方」(マイケル・アブラショフ著/三笠書房)です。

ダメダメだった軍艦ベルフォルドを海軍№1と言われるまでに改革したときの数々のエピソードを通じて、最強のチームの在り方、そのリーダーシップの在り方が、臨場感あふれるストーリー展開でハラハラドキドキしながら楽しめる1冊です。

所謂自己啓発本やノウハウ本のように、固い感じではなく、小説を読んでいるかのような感覚で読めるところが面白い!に尽きます。

アメリカ海軍と聞くと、超絶トップダウン!命令は絶対!意見はするな!上官は神様!的なイメージを持ってるかと思いますが、全然違う。

艦長でありながら、現場を訪れ、一人一人の顔と名前、家族構成、趣味を覚え、声掛けし、会話を通じて、心を通わせていきます。命令ではなく、傾聴。彼らの心の声を聴くことから始まります。

リーダーの人としての一貫性を持ち、ミッションを共有する。厳格なルールがありながらも(時には破り)、自ら考え、自ら学びたいと思える環境を創り続ける、原則に沿いながらも、なるほど、と唸るシーンがたくさんあります。

私も日々、管理職研修で多くの管理職の方々にお会いします。色んなご相談も頂きます。

「組織が大きすぎて、なかなか自由に出来ないんですよね…。」

「大手企業ならそれは出来ると思いますが、うちは小さすぎるから難しいんですよね…」

「とは言え、日々の仕事がたくさんあって、なかなか時間的余裕がないんですよね…。」

もちろんそれも分かります。忙しいことも、十分分かります。でもこの本を読んで思うこと。あんなに大きな(世界一大きな組織と言ってもいいんじゃない?)アメリカ軍という組織でも出来てます。

そしてやっていることも、1つ1つはお金のかかることではありません。(すごいシステムとか、そうゆうのは入ってません。)つまり中小零細企業でも真似できます。

軍隊に入ったことはありませんが…命の危険や国を守るという業務は、私たちの仕事よりも多分めちゃくちゃやること多いんじゃないかしら??ということは、時間的余裕とか関係ないと思うんですよね。

マネジメントやチームビルディングの要素もたくさん学べるだけではなく、「私でも出来そう!」と勇気をもらえる1冊だと思います。

【管理職以上にお勧め】NEWTYPEニュータイプの時代(山口周著)

今日のお勧めの1冊は「NEWTYPEニュータイプの時代」山口周さん著作(ダイヤモンド社発行)です。

情報革命時代の現代、どんどん時代が変化していることは、皆さん肌身に感じていることだと思います。ある学者が出した統計では、現在の10歳以下の子供たちの約8割は「今ない職種」に将来就くそうです。そう、8割もの職種がなくなると予想されているからです。

ビジネスの在り方、世界の広がり方、働き方もここ数年で、大きく変わりました。100億のビジネスではなく、1億のビジネスを100事業と言われる時代になり、もう10年くらい経ちますが、商品サービスだけではなく、働き方や働く意識についてもここ数年で大きく変化してきています。

これまでの仕事においては優秀な能力として、「問題解決力」と「推進力」と言われていました。ですから、多くの管理職研修の必須スキルとして、ロジカルシンキングやリーダーシップが組み込まれていますし、私の研修でももちろん入っています。

また、人事評価においてもKPIで管理し、生産性をどれだけ上げるのか?という視点が焦点になっているところも多いのではないかと思います。

しかし、これからの新時代においては、AIの登場により、問題解決は人間よりもはるかにAIの方が優れるだろうと予想され、これからの時代に必要なのは、解決する力ではなく「発見する力」が求められます。そして、新たに「創造する力」、これもAIではなかなか難しいところです。

リーダーシップの在り方も、皆を引っ張り導く従来の支配型ではなく、意味を与え、共に楽しむ、支えるサーバントリーダーシップが必須となってきます。というのも、じっくり考え実行するように、皆が同じ行動をするように指導するだけの時間的余裕がないからです。刻一刻と変化し、正解がない新時代においては、自らの規範にしたがい、とにかく試す、トライアルするという指導の仕方が必要になるからです。

というように…思考法、働き方、生き方、キャリア、学び方など様々なことが新時代に突入している今、管理職以上の古い世代のパラダイムシフトが必要になり、その考え方やノウハウがしっかり学べる1冊となっています。

この本を読んで、、、確かに新時代ではありますが、その根本は7つの習慣に代表されるような「人格形成」の根本に通じるのではないかと思います。つまり、また第一次戦争以前の時代に戻った「新しい世界の創造」という時代に戻っている、そんな感覚を受けました。

モノが溢れかえり、モノが充実しすぎている新時代だからこそ、コトの重要さやコトを生み出すことを訴求しているのではないかと思います。だからこそ、人としての「個人個人の規範、道徳」が「効率化=生産性を上げる」こと以上に重要な時代に、また戻ってきているのではないかと思います。改めて、著者の山口先生もすごいと思いますが、コヴィー先生のすごさを感じた1冊です。

【若者にもおすすめ】革命のファンファーレ(西野亮廣著)

昨年購入したけど、他の本を優先してしまっていて、ずっと本棚にあった1冊。まずは、なぜもっと早く読まなかったんだろう、という後悔、ですね。キャッチ―なタイトルと、西野さん著作ということと、クラウドファンディングのことだろう、という程度にしか思っていなかったんですが、見事その予想をはるかに裏切られ、これは本当に衝撃に尽きました(笑)。

本を通じて感じたことは、やはりパラダイムシフト、の一言です。これまで常識と思っていたことが、違うこと。ココが一番衝撃でした。もちろん「えんとつ待町のプペル」も、それに伴う展示会などの仕掛けも知っていましたが、全てが計算され、そしてその全てがパラダイムシフトの産物であることに気付きました。

私たちの今の時代は、情報革命の時代。インターネットがもらたしたこの情報革命によって、様々なことが大きく変わっています。そんな時代を生き抜くヒントがたくさんある本でした。

本から感じるのは、新しい時代を生き抜く、新しい価値観や考え方、ですが、しかしその根底にあるのは、7つの習慣に代表される根本、「人格主義」であることが、この本の一番の面白みというところではないでしょうか?

「努力の方向性」「信用を形成する」「win-winを築く」

共通して書いているのは、小手先のテクニックではなく、その根底にある「自分が描くゴール」へのすさまじい努力と覚悟、それを支える人との信頼関係の築き方ではないかと思います。

今の時代を生き抜く若者には、単に、クラウドファンディングの仕方とか、お金の儲け方とか、そういうところだけではなく、是非こうゆう根本にある視点で読んで頂けると、さらに奥の深い1冊になるのではないかと思います。