女性活躍推進

本当の女性活躍推進って??

先週、もう4年目になる企業様での女性キャリアアップ研修を実施しました。

参加者の方々も、2年目研修でお会いした方々がほとんど。

2年目の時に出会ってから、ライフイベントを迎える年齢になられて、

これからのキャリアについて
共に学ぶ機会となりました。

以前の2年目研修から、ずいぶんお顔がしっかりされてきたな~
と自分の部下のように感無量になりました。

こうゆうの、ほんとに嬉しいし有難いですよね。

さてさて本題。

この企業様と女性活躍に向けて
4年前から共にお取り組みさせて頂き
色んな制度が出来、多くのロールモデルも出来ました。

これまで一方的に女性キャリアについて講義したり
自分自身のキャリアプランを考えたり、
という基礎部分だったんですが、

今回はよりステップアップした内容にしました。

現状のワークとライフ、両方の課題を
事前に30個以上ピックアップしてきます。

そして研修内でグループごとに整理して1つに絞り
解決策を出す、提案書を作り、プレゼンしてもらいます。

当然提案プレゼンですから、費用対効果についてや
定性的メリットについても訴求してもらいます。

具体的根拠となる数値データも必要になるので
調べたり分析も必要になります。

研修時間は限られた時間なので、各自分担して
宿題となり、何度かグループでwebミーティングも
宿題で実施します。

何度か質問ももらいながら、私も全力でサポート!

すると発表当日、すべてのグループが
PP10枚近くのプレゼン資料が出来ていました。

内容も、どのグループも素晴らしい内容です。

女性だけの営業部署設立
転勤時の別居婚への手当(単身赴任制度とは別)
男女問わずキャリア形成への教育支援

などなど。

福利厚生制度については
人事部の方々が思案していた内容がほぼ出てきて、
社員が求めているものとそれほど大差がないことがわかった、
という感想もありました。

このプレゼン、企業様により多少の差はありますが
社長含めた役員クラス、人事部の方々にも採点して頂き、

内容が良いものについては
その後プロジェクトなどに進化させていきます。

プレゼンしたチームの女性社員がプロジェクト責任者に
任命されたことも過去ありました。

女性活躍推進法が施行されて約5年。

多くの企業で様々な取り組みや制度改定を行い
試行錯誤しながらやってきましたが、

女性活躍が成功している最大のポイントは、
経営者や会社が一緒に取り組むこと。

彼女たちの意見が研修を通じて
経営者サイドに届き、内容によって実現していく。

もちろん女性活躍だけではなく、
全社員対象となっている施策もあります。

社員の意見が反映される。
これはエンゲージメントの高い会社の特徴の1つです。

女性活躍が進んでいる会社は

エンゲージメントも高いですね。

いつの日か女性活躍!!と言われないことが
本当の意味で女性の社会進出が進んだことだと思います。

これからも色んな企業様と共に、
女性も男性もみんながワクワクおもろく
働く社会を作っていきたいと思います。

【議論するのにお勧め】お姫様とジェンダー(若桑みどり著)

今回のお勧めの1冊は、「お姫様とジェンダー(アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門)」若桑みどりさん著作(ちくま新書)です。

はっきり言って…この本は議論するのにおススメですが、この内容に私は全然理解も共感も出来ません。シンデレラや白雪姫、その他諸々のおとぎ話が「女性を受動的に」してしまっている、という内容です。確かにそうかもしれません。歴史としてはそうかもしれませんし、事実そうなんだと思います。ただ、この現代において、「待っているだけでいつか白馬の王子さまが来てくれる」「そのために美貌を磨き、おとなしく主張せずただただ待つことが全てである」と、私たち女性は思うでしょうか?

私も小さいころからプリンセスは大好きです。私の娘もプリンセスが大好きです。でも自分自身がプリンセスのように、仕事もせず「きれいで思いやりがあり、男性を支える存在になれば、人生ハッピーになれる」と思っていませんでした。それはそれ、これはこれです。小さいころからプリンセスのようにかわいくありたい、とは思ってましたが、それは、男性に受け入れられやすいから、や男性を支えるために優しさが必要と思ったことはありません。ただ、自分がキラキラしているプリンセスって素敵と思ったに過ぎなかったように感じます。

ジェンダーの歴史や、それを取り巻く時代などを学ぶのにはいい1冊だと思いますが、この本が書かれた2003年を思い返しても、本当に女性はそんな風に思っていたのか?と疑問を感じずにはいられない1冊です。ただ、この本の中で大学生の彼女たちの感想や感じたことがそのまま掲載されているのですが、ただその内容に驚嘆せずにはいられません。

この本が書かれてから約20年。時代は大きく変わりました。当然ながら男女の別なく働ける社会になりつつあります。もちろん男性が女性を理解し、育成方法や指導方法に取り入れていくことは、これからの時代ますます必要になるでしょう。

この本で著者が最も伝えたいメッセージとして「自ら目覚めよ」とあります。つまり女性たちに対して「待ってるだけではだめよ。自分で自分の人生を切り開いていかなければ、幸せにはなれないわよ!」と伝えています。ここには大いに共感できます。ただ、20年経った今、これは女性だけではなく、男性でも言えることで、何も若者だけではなく、年配者にも同じように言えることです。

時代は今、大きく変わっているし、まだまだもっともっと変わっていくでしょう。この時代の変化を感じることと、それに備えることが必要です。しかし、時代の変化を感じない人、感じているけれども変わりたくない人、変わりたいけれども何も行動しない人、ここが多いように感じるのです。

この本はこれまで読んだ「役に立つ」や「なるほど」といった納得や共感は、残念ながらあまりありませんでした。読みながら何度も「腹立つ!」と読むのを中断したくらいです。しかし、是非この本を基に、女性たちと男性たちと「どう感じたのか?」を議論していきたいと思える1冊です。

【管理職以上にお勧め】妻のトリセツ(黒川伊保子著)

今回のお勧めの1冊は、「妻のトリセツ」(黒川伊保子さん著作/講談社+α新書発行)です。

ここ数年、女性活躍推進の動きが各企業様でもかなり活発になっており、有難いことに毎年色んな企業様にて女性活躍推進研修や女性キャリアデザイン研修を実施させて頂いております。女性に向けての研修はもちろんですが、女性を多く持つ男性管理職向けの「女性部下とのコミュニケーション研修」もここ数年、飛躍的に多くなっています。

「女性の考えていること、よく分かりません。」

「どうして、今そうなるの??」

という男性からの質問が研修でも多く、なかなかご理解して頂くのが難しいところです。そこで、知識を増やそう&もっと分かりやすい例えが出来ないかなと、昨年読んだ1冊です。

ジェンダーコミュニケーションの基礎から、脳の仕組み、そして太古の昔からの培った男女間の習性や役割の違いなど、ものすごく分かりやすく書いてあります。また、例え話もタイトル通り「妻」なので、非常に腑に落ちやすい。

同じ女性ですが、なるほど、ふむふむと頷く場面がたくさんあります。 男性だと「そんな風になってたのかぁ…」と思うところ満載ではないでしょうか? また、「え?これ普通でしょ?」と思うところも多々あり、「これが男女の違いかぁ」と男性とのコミュニケーションを学ぶ1冊としても有りな1冊です。

コミュニケーションとは、相手を理解し、また自分自身を理解してもらうために取る方法であること。そのためには、相手のことをまず理解する必要があります。言葉ではなく、なぜそう感じるのか?ここにジェンダーの違いがあり、記憶の残り方や整理の仕方も異なります。

女性部下を持つ管理職の方々には、彼女たちをよく知る1つのきっかけになる1冊であり、また女性にとっても、男性にはこうゆう風に理解されやすいのだと理解する1冊でもあると思います。