今回のお勧めの1冊は、「アメリカ海軍に学ぶ『最強のチーム』の作り方」(マイケル・アブラショフ著/三笠書房)です。

ダメダメだった軍艦ベルフォルドを海軍№1と言われるまでに改革したときの数々のエピソードを通じて、最強のチームの在り方、そのリーダーシップの在り方が、臨場感あふれるストーリー展開でハラハラドキドキしながら楽しめる1冊です。

所謂自己啓発本やノウハウ本のように、固い感じではなく、小説を読んでいるかのような感覚で読めるところが面白い!に尽きます。

アメリカ海軍と聞くと、超絶トップダウン!命令は絶対!意見はするな!上官は神様!的なイメージを持ってるかと思いますが、全然違う。

艦長でありながら、現場を訪れ、一人一人の顔と名前、家族構成、趣味を覚え、声掛けし、会話を通じて、心を通わせていきます。命令ではなく、傾聴。彼らの心の声を聴くことから始まります。

リーダーの人としての一貫性を持ち、ミッションを共有する。厳格なルールがありながらも(時には破り)、自ら考え、自ら学びたいと思える環境を創り続ける、原則に沿いながらも、なるほど、と唸るシーンがたくさんあります。

私も日々、管理職研修で多くの管理職の方々にお会いします。色んなご相談も頂きます。

「組織が大きすぎて、なかなか自由に出来ないんですよね…。」

「大手企業ならそれは出来ると思いますが、うちは小さすぎるから難しいんですよね…」

「とは言え、日々の仕事がたくさんあって、なかなか時間的余裕がないんですよね…。」

もちろんそれも分かります。忙しいことも、十分分かります。でもこの本を読んで思うこと。あんなに大きな(世界一大きな組織と言ってもいいんじゃない?)アメリカ軍という組織でも出来てます。

そしてやっていることも、1つ1つはお金のかかることではありません。(すごいシステムとか、そうゆうのは入ってません。)つまり中小零細企業でも真似できます。

軍隊に入ったことはありませんが…命の危険や国を守るという業務は、私たちの仕事よりも多分めちゃくちゃやること多いんじゃないかしら??ということは、時間的余裕とか関係ないと思うんですよね。

マネジメントやチームビルディングの要素もたくさん学べるだけではなく、「私でも出来そう!」と勇気をもらえる1冊だと思います。