経営について

経営者はなぜ管理職研修に最も力を入れるのか???

先日、管理職研修をご依頼頂いて、もう3年目となる企業様にて研修を行ってきました。

冒頭、社長から「この管理職研修への取り組み方」と称して講和があり、なるほど、と思うところが多くありました。この社長のお話にプラスして、私の意見も交えて、「なぜ管理職研修が必要なのか?」を述べたいと思います。

 

なぜ、会社は管理職研修に最も力を入れるのか?

 

第一に、それは経営ビジョンの実現のため、です。

現場では日々色んな課題が起こります。しかしその解決に当たって、この経営ビジョンに基づいて解決してほしい、それが結果経営ビジョンの実現に繋がるからです。

経営ビジョンとは、何を?なぜ?が記してあります。

私たちは、何を?なぜ?この会社で働くのか???

もちろん社員にとっては、生活の糧のため、これもあるでしょう。もちろんそれは否定しません。生活するにはお金が必要ですし、誰もが少しでも良い生活をしたいと望むものです。しかし、突き詰めて考えていくと、お給料が出ること、これは会社の永続的な発展があってこそ、であることを忘れてはいけません。管理職がここを忘れると、会社は簡単に倒産してしまう時代になっています。競争も激しく、そしてそのスピードもどんどん早くなっています。だからこそ、管理職には、この経営ビジョンに基づいた判断が出来るようになってほしい、そしてそれこそが会社の永続的な発展には必要不可欠なのです。

 

第二に、新たな事業領域への挑戦のため、です。

今の事業をしているだけ、これでは発展はありません。知らないうちに、気付かないうちに緩やかに停滞しているものです。攻撃は最大の防御なり、とも言います。その通りです。新しいことへの挑戦なくして、会社の永続的な発展はない、とも言えます。そしてその新たな領域へ挑戦するときに絶対必要な人員が管理職なのです。知識、智恵、経験、これが揃っているのは管理職です。そして何より、新たなことへ挑戦するには「想い」が必要です。想いの醸成、スキルの習得、これを管理職研修にて確固たるものにしていってほしい。

 

第三に、会社を支える人材の育成と風土の醸成のため、です。

会社というのは、人で成り立っています。社長も役員も管理職も社員も、全員がそれぞれ成長していくこと、これが会社の成長です。そして、毎日働いていることに感謝し、笑顔あふれる職場であること、この風土が、一人一人の働く意欲を更に湧き上がらせます。いくら資金があっても、どれだけ素晴らしい施設や設備が整っていても、それを活かすのも殺すのも結局人なのです。その人づくり、それは管理職に任されているところがやはり大きいのです。

 

当社の管理職研修では、必ず経営ビジョンのプログラムが入っています。経営ビジョンを組織ビジョンへと落とし込む、そして最終的には個人のビジョンへと落とし込んでいきます。このプロセスを経ることで、より経営ビジョンへの理解を深め、そして自らの日々の業務と経営ビジョンを近く感じることが出来ます。

 

もちろん研修ですから、コミュニケーション、ソリューション、チームビルディング、ロジカルシンキング、リーダーシップといったスキルの習得もあります。しかし、そのスキルだけではダメなんですね。そのスキルは何のために習得するのか?どう活用するのか?それは、経営ビジョンを実現させるため、なんです。

 

想いのあるところにしか道は開けない。

全ては、やはり想いなんだと、痛感します。

経営理念とは…ダイレクトに生き様!

昨日ご縁を頂いて、30代の若い社長様から社員育成のご相談を頂きました。

さすが!という方で、非常に熱い志をお持ちの社長様で、

日々ご自身での多くのセミナーや研修に参加され、毎日学んでいるとおっしゃっていました。

そして、いよいよ本題の社員育成の話へ。

「結局、社員育成って言うけど、、、

いくらこちら側(会社)が色々研修したり、育成しようと思っても、

本人が『こうなりたい!』とか心の中から湧き出るものがないと、

どうにもならないのではないか??

研修ではいわゆるマネジメントや論理的思考などといったテクニックスキルも重要だが、

それ以上に、心の中からの湧き出るものを刺激してほしいと思ってるんだよね。。。」

 

まさしくその通りなんです!

私はいつも研修の冒頭でもお伝えしますが、所詮テクニック論はどこまでいってもテクニック論!

まさに、心の中から湧き出るもの、これが『想い』だと思いますが

これがないことには、人は成長しません。

 

そしてこの想い、そしてその情熱、

これを表現したものがダイレクトに経営理念なんです。

つまり経営理念とは、社長・経営者の想い、情熱なんです。

社長・経営者の夢であり、描くビジョン、そして絶対やってやるというミッション

そのために行動をこうしていくという行動指針。

つまり経営理念とは、社長・経営者の生き様なんです。

 

対外的には、当社はこういう考え方、想いを持って事業をさせて頂いています。

社内的には、同じ方向を見て一緒に頑張っていこうと意思表明しているものなんです。

 

理念浸透とは、この想いが社員一人一人も同じように思っていることなんですね。

ただ、現実問題として、どうなのか?

それはやはり経営者と社員。隔たりがあっても仕方がないものです。

そして経営理念と現実問題現場の毎日の業務とはかけ離れていることもしばしば。

 

なので、研修では、経営理念を自分の部署に置き換えて

自分自身の言葉で表現する、というプログラムがあります。

ここにいつも管理職の方々はかなり頭を抱えます。

なかには、このプログラムに3時間もかけた、なんて企業様もあります。

もっとこうした方がいいのではないか?

こういう表現の方がいいのではないか?

など、意見交換やアイデアがどんどん出てくるものです。

そうして同じ仲間とディスカッションしたり、これまでの自分の仕事の仕方や考え方を

振り返ったり、という時間を経て、創り上げていくと

ある意味それが、自分自身の「生きる芯」になっていきます。

 

そしてそれを各メンバーに伝えていく。

もちろん、日々の業務に即していなければいけませんし、

経営理念ともリンクをしていかなくてはいけません。

そして、力のある夢のある言葉でなくてもいけません。

 

宿題で各メンバーへしっかり伝えていくことにより

「今まで以上に、仕事に対する遣り甲斐が明確になった」

「自分の今の仕事が大きな夢の1つにちゃんとなっていることを実感した」

といった言葉をよく聞きます。

 

これが、「心に火を付ける」ということなのではないかと私は思います。

是非皆さんも実践していってみてください。