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知ることがスタート

先週、熱海の海へダイビングに行ってきました。お目当ては、
海の底に眠っている沈船です。これが本当にすごすぎて、
水の中に大きな船体が現れた瞬間、思わず息をのみました。
まさにタイタニックの世界なんです…!もちろん、
あのタイタニックポーズもしっかりやってきました(笑)

以前にもお伝えしましたが、私はダイビングが大好きです。
超はまってます。
でも実は、ダイビングを始めるまでは、沈船を見に潜るという
楽しみ方があること自体、まったく知りませんでした。
沈船なるものがあることすら、知りませんでした。

ところが潜るようになると、どんどん海に興味が出てきて、
熱海にはこんな沈船があるらしい、と知るようになったんです。
知ってしまったら、もう行きたくて仕方がない。
1年前からずっと、行きたいと思い続けていた場所でした。

知らなければ、行きたいとも思わなかったはずなんですね。
興味は知ることから生まれるんだな、と改めて感じました。

そしてもう一つ、先週は「知る」ことの大切さを
痛感する出来事がありました。今週の火曜日は娘の誕生日で、
その日は私も仕事が入っているんです。平日は娘も学校があるので、
前後のどこかで一緒にプレゼントを買いに行ったり、
ご飯を食べに行ったりすればOKだろう、と考えていました。
仕事があるくらい普通のこと、と自分の感覚で思っていたんですね。

ところが娘に伝えたら、「ひどい」と泣かれてしまいました。
誕生日は当日じゃないと意味がない、と言うんです。
正直、最初は「そんなもの??」と思いました。
でもよく考えたら、私は中学生の頃の気持ちを、
すっかり忘れてしまっていたんですね。
自分と一緒と思ったらあかん!と、深く反省しました。

そこで日曜日に、娘の希望でステーキを食べに行きました。
すると店員さんが「親子でディナー、いいですね。
今日は何か特別な日ですか?」と声をかけてくださったので、
「火曜日が誕生日なんです」とお話ししたんです。
そうしたらなんと、サプライズで花火付きの
お誕生日デザートプレートが出てきたんです!

店員さんが「お誕生日おめでとうございます!」と
お祝いしてくださって、サービス精神、本当に最高でした。
この店員さんも、知ったからこそ祝ってあげたいと
思ってくださったんだと思います。

ダイビングも、娘の誕生日も、お店のサプライズも、
共通しているのは「知ることがスタート」だということ。
相手のことでも、興味のある分野でも、まず知らなければ、
関心も湧かないし、行動にもつながらないんですね。

これは職場でもまったく同じです。部下や後輩、お客様のことを、
皆さんはどれだけ知っているでしょうか??
ここからは、「知る」を始めるためのポイントを
3つお伝えしたいと思います。

まず1つ目は、自分の物差しを一度脇に置くことです。
私が娘に対してやってしまったように、人は無意識に
「このくらい普通」「自分ならこう思う」と考えがちです。
でも年代も立場も違えば、大事にしているものは違います。
サラリーマンで管理職をしていた頃の私も、自分の感覚で
部下を見てしまっていたことが、きっとあったと思います。
「相手は自分とは違う」という前提に立つことが、
知ることの第一歩なんですね。

次に、一歩踏み込んだ質問をすることです。
あの店員さんの「今日は何か特別な日ですか?」という
ひと言がなければ、サプライズは生まれませんでした。
職場でも「最近どう?」だけで終わらせずに、
「今いちばん力を入れていることは?」と、
相手が話したくなる問いを投げかけてみてください。
質問は、あなたに関心がありますよ、というメッセージにもなります。

3つ目は、知ったことを小さな行動に移すことです。
知っただけで終わってしまうと、相手には何も伝わりません。
資格試験を受けると聞いたら、結果を気にかけて声をかける。
好きだと言っていた分野の情報を、そっと共有してみる。
そんな小さな行動の積み重ねが、「この人は自分のことを
見てくれている」という信頼につながっていきます。

分かってもらえない、分かり合えない、と嘆く前に、
まずは自分から知ろうとしてみる。そこからすべてが始まります。
ぜひ皆さんも、身近な人のことを「知る」ところから、
日々のコミュニケーションに取り入れてみてください。

9月も半ばになりましたが、まだまだ暑い日が続きますね。
これからの秋の行楽シーズン、皆さんもぜひ新しい何かを
「知る」お出かけを楽しんでみてはいかがでしょうか。

情報は出して初めて価値になる

先週は、ある企業様で、参加者の層は若干異なりますが
情報整理と共有の研修コンテンツを実施させていただきました。
2社とも内容は少し違うのですが、どちらでも同じワークを取り入れました。
参加者それぞれにバラバラの情報カードを配り、それを出し合って
1つの答えにたどり着いてもらう、という情報整理のゲームです。

面白いのは、2社ともまったく同じところでつまずかれたことです。
制限時間が来ても、答えが出ない。
種明かしをすると、必ず誰かの手元に、まだ出されていないカードが
残っているんです。

「なんで言わなかったんですか?」と聞くと、
返ってくる答えもだいたい同じです。
これは関係ないと思ったので…
みんなもう知ってると思って…
わざわざ言うほどのことでもないかなと…

そうなんです。情報が足りなかったのではなく、
情報は全員がちゃんと持っていた。
ただ、出されなかっただけなんですね。

これ、私自身も本当によくやってしまいます。
社内でメンバーに仕事を頼む時、自分の頭の中にある背景を全部は言わずに、
結論だけ渡してしまうんです。
このお客様にはこういう経緯があって、だからこの資料はこの順番で…
という前提が、私の中では当たり前になっているので、
わざわざ言うことでもないと思ってしまう。

でも受け取った側からすると、判断する材料がない。
出来上がってきたものを見て、あれ?と思って、
そこで初めて「あ、あの話してなかったな」と気づくわけです。
言わなかった私が悪いのに、一瞬「なんでやろ」と思ってしまうんですから、
なかなか人間の思考とは…自分勝手ですね(笑)

自分が持っている情報の価値は、自分では判断できない。
これが、このゲームの一番の学びだと思っています。

では、どうすれば情報が出てくるチームになるのか。
ポイントは3つです。

まず1つ目は、「関係ないかもしれませんが」を前置きにして、
とにかく出してしまうことです。
その情報が要るのか要らないのかを決めるのは、自分ではなく場です。
自分で取捨選択してしまった時点で、
チームはその情報を検討する機会すら失います。

2つ目は、口頭だけで済ませず、書いて見えるようにすることです。
研修でポストイットを使うのには、ちゃんと理由があります。
口で言った情報は、その場で流れて消えてしまうんですね。
紙に書いて机に並べると、全員が同時に全体を見られるようになり、
何が足りていないのかも一目で分かります。

3つ目は、リーダーが「他に何かある人?」と
全体に向かって聞かないことです。
この聞き方だと、たいてい誰も手を挙げません。
そうではなく、「〇〇さん、手元には何が残ってますか?」と、
一人ずつ名前で聞く。
これだけで、埋もれていた情報が驚くほど出てきます。

会議で結論が出ない。認識がずれる。
後から「聞いてない」が出てくる。
その原因は、情報がなかったからではなく、
持っている人が出さなかったから、ということが本当に多いです。

そして出さなかった理由は、たいてい悪意ではありません。
気を遣った、遠慮した、大したことないと思った。
ただそれだけなんです。
だからこそ、出しやすい空気をつくることが、
リーダーの大事な仕事になります。

先週は福岡まで足を運びましたが、業種も地域も違う会社で
同じ場面に出会うと、これは業界の問題ではないな、と改めて感じます。
うちの中学生の娘も、先週から2学期が始まりました。
夏が終わって、いよいよ後半戦です。

今週の会議で1つだけ、「関係ないかもしれませんが」と言ってみる。
ぜひ皆さんも試してみてください。
そこから話が動き出すことが、本当によくあります。

ロジカルは訓練で身につく

先週ある会社で、ロジカルシンキング研修を実施させていただきました。
参加者は若手から中堅の皆様です。
研修の冒頭でいつも聞くのですが、「ロジカルシンキングが得意な方?」と聞くと、
ほぼ手は挙がりません。

逆に「苦手な方?」と聞くと、ほとんどの方の手が挙がります。
私は感覚で仕事をしているので…とか、頭の中では分かってるのに、
話すとぐちゃぐちゃになってしまうんですよ〜とか。
そもそも理屈っぽい人だと思われたくない、という声もよく出てきます。

その気持ち、本当によく分かります。
というのも、以前にもお伝えしましたが、私自身が超感情人間で、
昔はロジカルシンキングがとても苦手だったからです。

若い頃の私は、なんとなくこっちの方がいい感じがする、絶対こっちの方が面白いやん、
で物事を決めていました。
ですから提案をしても、上司から「で、根拠は?」と聞かれた瞬間に固まってしまう。
熱意だけで押し切ろうとして、伝わらないのは相手のせいだと思っていたことも
ありました。

今思うと、なかなかの自己中ですね(笑)
ただ20代後半の時に、これではあかん!と思ってロジカルシンキングを学び、
意識して実践するように心がけてきました。

すると今では、論理的に考えることは意識しなくてもできるようになりました。
つまりロジカルシンキングと言うのは、生まれ持った性格やセンスではなく、
完全に訓練で身に付くスキルなんですね。

私が実際にやってきたのは、とても地味なことです。
まず1つ目は、話す前に「結論は一言で言うと何か?」と自分に問うことです。
頭の中で一度だけ、この問いを挟む。それだけです。
最初はとても不自然ですし、時間もかかります。
でもこれを何百回と繰り返していると、勝手に口が結論から動くようになります。

2つ目は、「なぜそう思うのか?」と「だから何が言えるのか?」を、
自分の意見に対して何度も問いかけることです。
感情型の人は、実は理由がないわけではありません。
感覚の下にちゃんと理由が眠っているのに、それを言語化していないだけなんです。
ですからこの問いかけを繰り返すと、自分の感覚がだんだん言葉になっていきます。

3つ目は、頭の中で考えずに、必ず紙に書き出して並べることです。
頭の中でこねくり回すから、ぐちゃぐちゃになるんですね。
書き出して、似たものをまとめて、順番に並べる。
これだけで話は驚くほど整理されます。

このロジカルシンキングが身に付くと、ビジネスにおいてはとても有利です。
まず提案が通りやすくなります。
相手が納得するための材料を、こちらから渡せるようになるからです。

次に、意思決定が速くなります。
自分が何で迷っているのか、その論点がはっきりするからです。

そして何より、この人は物事を整理して考えられる人だ、と信頼されます。
任される仕事の質そのものが、変わってくるんです。

ただ、ここで一つお伝えしておきたいことがあります。
ロジカルになるということは、感情を捨てるということでは決してありません。
熱意や共感は、人を動かす最大のエネルギーです。
ただ、そのエネルギーを相手に届けるには、通り道が必要なんです。
ロジックはその通り道であり、器なんですね。
ですから感情型の方がロジックを手に入れると、
実は一番強いんじゃないかな、と思っています。
中身の熱さは、元々持っているわけですから。

研修の最後に、冒頭で「苦手です」と言っていた方が、
これって才能じゃないんですね、練習なんですね、と笑って言ってくださいました。
まさにその通りです。
苦手だと思っていることの多くは、才能の問題ではなく、単に練習量の問題だったりします。

早いもので、8月ももう終わります。
9月からの後半戦、まずは「結論は一言で言うと何か?」の問いかけ1つだけでも、
ぜひ皆さんも普段の会話の中に取り入れてみてください。
そうすることでトレーニングされ、無意識にできるようになります。

未来を明るく描くことが今の解決になる

先日、社会福祉法人様向けに「キャリアデザイン研修」を行ってきました。
今回の研修の1つのプログラムで、「20年後の未来」をリアルに想像し、
そのうえで、何を今しようか?を考える、
なんともワクワクする時間を過ごしてきたので、
今日はその時のことを共有させていただきますね。

まず、20年後である2046年の日本と福祉業界を想像してもらいました。
人口は減少し、AIや介護ロボットが当たり前になった世界です。
そんな社会を前提に、自分が2046年の経営陣になったつもりで、
「最強の自社」を妄想し、ビジネス誌の表紙を飾る見出し
を考えるワークを行いました。

ルールはただ一つ、「『今の自社には無理だ』という
現状の延長線上での思考(制約)を完全に捨てること」です。
最初は「ええ〜、20年後なんて…」「今のままで精一杯やのに…」と
戸惑っていた皆さんも、制約を外してはなしていくと、
少しずつペンが進み始めました。

そして、そのうえで次のプログラム、新規事業企画ゲームです。
ランダムに引いた2枚のカードを掛け合わせて、
「今のうちの会社じゃ絶対無理だろう」と思うくらいの斬新なアイデアを
どんどん短い時間の中で出し続ける、というゲームワークです。

「予算の心配も、上司の顔色も、今の法律も、一切気にしないでください!」
と伝えると…。

「これ、AIと○○掛け合わせたらめっちゃ良くない!?」
「いやいや、それやったら施設ごと空飛ぶようにしたらどう?」
「それ最高!これが出来る会社やったら、一生働きたいわ〜!」

あちこちから笑い声と熱い議論が飛び交い、
誰も否定することなく本気で面白がっていて、
参加者の皆さんの表情はめちゃくちゃキラキラしていました。
会場全体が、未来を創るおおもろさ、いっぱいでした。

この研修での皆さんの姿を見て、私自身も大きな気付きがありました。
それは、「制約を取っ払って未来を考えることで、
今まで思いつきもしなかったアイデアが広がり、
現状の壁を越えるヒントが見つかる」ことです。

日々の忙しい現場にいると、
どうしても「人が足りない」「予算がない」「ルールで決まっている」
という制約ばかりに目がいってしまい、
「今は無理やな」と諦めてしまうことが少なくありません。

でも、一旦そのリミッターを外して「こんなサービスがあったら絶対に楽しい!」と未来を明るく捉えてみる。

すると不思議なことに、そうやって自由に広げたアイデアを眺めているうちに、
「あれ?これ全部は無理でも、この部分なら今のやり方を少し変えれば
できるんちゃう?」と、今抱えている課題への解決策に繋がっていくんです。

制約をなくして未来をワクワクしながら描くことが、
結果的に「今の具体的な対策」への第一歩になる。
研修後の皆さんのスッキリとした笑顔を見て、改めてそう確信しました。

これからも、皆さんが「今」の限界を越えて、
ワクワクする未来を一緒に創っていけるよう、
全力でサポートしていきたいと思います!

海とAIに触れた夏休み

今年の夏休みは、思い切って「ダイビング三昧」のスケジュールを組んでみました。
まずは和歌山の豊かな海でしっかりと潜り込み、
そこから韓国の済州島(チェジュ)へ。
ひたすら青い海と向き合う、なんとも贅沢な日々を送っています。

今回のチェジュ旅行は、娘との2人旅。
普段のバタバタとした日常から離れ、
南国のゆったりとした時間の中で心底リラックスしています。
娘もすっかり大きくなり、他愛のないことから少し真面目なことまで、
ゆっくりと色々な話ができるのは、親としてとても嬉しく、
かけがえのない時間だなと感じています。

さて、そんなチェジュでのダイビングですが、
今回潜ってみて一番驚いたのは「日本とのシステムの違い」でした。

日本のダイビングといえば、1つのポイントに向けて船を出し、
終わったら港に戻るか、同じ船で次のポイントへ移動するスタイルが一般的ですよね。
ところがチェジュのダイビング船は、まるで「海の路線バス」なんです。

大きな船に大勢のダイバーを一度にドサッと乗せて出発したかと思うと、
ポイントA、ポイントB、ポイントC……と、
順番にダイバーをどんどん海へ降ろしていきます。
そして、ダイビングが終わって浮上する時間になると、
また同じ船が順番にポイントを回って、
海面で待つダイバーたちを次々と回収していくのです。

「なるほど、これなら船の稼働に無駄がない!」と唸ってしまいました。
国が変われば、海の楽しみ方だけでなく、それを支えるシステムや合理性もまったく違う。
文化の違いを肌で(しかも海の上で)感じる、とても面白い体験でした。

日中たっぷり海を満喫し、美味しいものを食べてホテルへ戻る。
ここからは、のんびり南の島のリゾートタイム……と言いたいところですが、
現実はそう甘くありません(笑)。

夜になると、私はホテルの部屋でPCを開き、ガッツリ仕事モードに突入しています。
そして私のすぐ隣では、娘がノートを広げて夏休みの宿題と必死に格闘中。
(ちなみに、休みの終わりが近づいているのに、宿題は全然終わっていません。
横でうんうん唸っています……!)

リゾート地特有ののんびりした空気が漂う窓の外とは裏腹に、
部屋の中は親子の静かな、しかし熾烈な作業空間となっています。

そんな夜のPC仕事中、私の中でちょっとした、
いや、かなり大きな衝撃体験がありました。

つい先日から、Cloud Codeを本格的に使い込んでみたのですが、
その精度が尋常ではない!!凄すぎる!!!
これまでもGeminiやマナスといったAIツールを活用してきましたが、
それらとは全く違う次元、数段も上のレベルです。
(とっくに私のレベルは超えてます!!)

こちらの意図を深く汲み取り、的確で無駄のない!
そして瞬時に生成してくれる。
まるで、超優秀なアシスタント(私よりもはるかに優秀な)が
数人以上いる感覚です。

自然とテクノロジーの両方の凄みを感じた今年の夏休み。
このエネルギーを胸に、休み明けからの仕事もさらに加速させていきたいと思います。

まだまだ暑い日が続きますが、皆様もどうか充実した夏をお過ごしください!
(まずは隣で唸っている娘の宿題が、無事に終わることを祈るばかりです……)

パーパスを生きたものにする

先日、ある企業様で管理職研修を実施させていただき
その時に感じたことを今日は共有したいと思います。

会社が掲げる立派なパーパス。
しかし、研修に参加された管理職の方々に話を伺うと、
「正直、壁に貼ってあるお題目にしか感じられない」
「日々の数字に追われて、それどころじゃない」
という、本音と諦めが入り交じった感じです。

管理職でさえ腹落ちしていないのだから、
現場の一般社員に浸透するはずないですよね。

でも今の時代、パーパスはめちゃくちゃ大事です。
正解のない環境(ものすごい勢いでどんどん変化する環境)で、
迷ったときの判断基準だからです。

では、このお題目になってしまっているパーパスを
どうすれば浸透(生きた言葉にする)できるのか?

会社の大きなパーパスを一旦横に置き、
自部署のパーパス、マイパーパス(自分自身の働く意義)を
ディスカッションして作るワークを行います。

「自分たちのチームは、誰の、どんな不を解消しているのか?」
「わたし自身は、この仕事を通じてどうありたいのか?」

はじめは戸惑っていた管理職の皆さんでしたが、
具体的にエピソードを話しているうちに、変化が起こります。

「うちの部署の仕事って、社会にこんな影響を与えてたんや…。」
「自分が若手時代に大切にしていた思いと、会社のパーパス、実は一緒やったやん」

遠くにあった会社のパーパス(お題目だった)が、
自部署や自分自身と結びついた瞬間、皆様が自分の言葉で話し始めます。
やらされ感や他人事だったパーパスが、自分ごととして見えた瞬間でした。

パーパスは、上から降らせるだけでは浸透しません。
全員で唱和する、暗記させる、テストして確かめる、なんてことは
愚の骨頂と言われています。(やらされ感しかない…)

現場のリーダーたちが、自分の言葉で翻訳するプロセス(=マイパーパスとの接続)
があって初めて、パーパスは強力なマネジメントの武器になります。
パーパスの言葉を使って指導する
パーパスの体現化する言動に対してほめる
パーパスを具現化しているエピソードを傾聴する

これは直接的な業務内容だけではなく、
特にマイパーパスについては、プライベートにも大きく影響してきます。
どんな人になりたいか?
どんな人生にしたいか?
それを支え応援するのも、仕事です。

ワークライフバランスという言葉が独り歩きを始めて
ワークとライフが完全に切り離され
どちらか一方が重くなれば、どちらか一方が軽くなる、
と思われがちですが、その一方で
ワークとライフが相乗効果を発揮することも多々あります。

私自身はワークもライフもどんどん境目がなくなり
どっちをしていても、どっちにも影響があり
どっちかで得た知識や経験は、片方でも大いに影響を及ぼし
その相乗効果で、何もストレスに感じない、
という非常に有難い環境にいます。(経営者だから、と言われればそうですが…)

ワークもライフも充実したい、今の時代だからこそ
パーパスはなくてはならないもの、なんですね。

熟練たちへのマネジメント

先週は、連日さまざまな企業様で「管理職研修」に登壇してまいりました。
現場で奮闘する管理職の皆様のリアルな悩みに触れる中で、
多くの企業様で共通して挙がった「ある切実な課題」について今日はお伝えします。

「40〜50代の『もう変わりたくない』というメンバー
(特に長年ルーティン業務を支えてきたベテラン事務職層)に対して、
どう指導・育成すればいいのか?」という悩みです。

私自身、ひとりの働く女性としてこのご相談を受けるたび、
非常に複雑な思いです。
正直なところ…
「自分はあんな風に変化を拒む姿勢にはなりたくない」と自戒する一方で、
「彼女たちがそうやって心を閉ざしてしまうのも、無理はない」と、
その背景にある現実も痛いほどわかるからです。

彼女たちの多くは、入社から長年
「決められた事務作業を、正確にミスなくこなすこと」を期待され、
その役割を何十年も忠実に全うし、縁の下の力持ちとして会社を支えてきました。
(もちろん女性だけではなく、男性も該当すると思いますが
圧倒的人数の多い女性という意味で「彼女たち」としています。)

ですが…
昨今のDXや業務効率化の波の中で、
突然「自ら業務を改善してほしい」「新しいITツールを使ってほしい」と求められる。
これは彼女たちからすれば、
「会社から突然、評価のルールを変えられた(後出しジャンケンをされた)」
という理不尽さに感じてしまうのは…気持ちは分かります。

これは決して「女性だから」「事務職だから」という個人の問題ではなく、
過去の組織システムと現在の変革期との間に起きた構造的なギャップです。

だからこそ、若手向けのマネジメント論をそのまま当てはめても通用しません。
では、彼女たちに前を向いてもらうためには、どうするか??

1. 「成長」の押し付けではなく、「実利」を共有する
長年、正確性を武器にしてきたベテラン層に
「スキルアップして市場価値を高めよう」という言葉は響かず…
むしろ「今までの自分を否定された」と自己防衛を招きかねません。
(私もこれ、何度も経験しました…)

変化を促す際は、「このシステムを入れると、月末の締め作業が1日早くなる」
「お互いに気兼ねなく有休が取れるようになる」といった、
日々の働きやすさや効率性(実利)のメリットに翻訳して伝えることがポイントです。

2. 「抵抗」の裏にある戸惑いに寄り添う
「変わりたくない」という頑なな態度は、単なる怠慢ではなく、
「これまで自分がやってきた仕事の価値がなくなるのではないか」
という恐怖や戸惑いの裏返しではないかな、と思います。
まずは管理職側が、その「ルールの急な変更に対する不安」を理解し、
頭ごなしの正論で追い詰めないスタンスを持つことが重要です。
不安に寄り添う感じです。

3. 過去の「貢献」に敬意を払い、プロとして頼る
長年部署を支えてきた彼女たちは、マニュアル化されていない暗黙知を握る
ある意味職場の熟練さんたちです。

「これまでミスなく業務が回ってきたのは〇〇さんのおかげです」と
過去の貢献に最大限の敬意(リスペクト)を払うこと。
その上で、
「今の課題を一番知っている〇〇さんの視点から、新しいツールの使い勝手を見てほしい」
と、事前にアドバイザーとして巻き込んでいく、が本当に大事です!(これなくしては、何もかもうまくいきません!過去これが面倒…と思ってすっ飛ばして何度も痛い目見ました…)

仕事でもプライベートでも…
正論だけを武器に真正面からぶつかると、空気が凍りつきます。
人間は機械ではなく、心がありますから、まずは心にアプローチ!です。
これを面倒くさくなって、正論突破しようとすると…
管理職自身もメンタル消耗してしまいがちです。
相手のプライドとこれまでの蓄積を尊重しながら、少しずつ変化の波に乗せていく
「熟練たちへのマネジメント」が求められます。

研修では、こうした「現場の泥臭いリアルな課題」に真正面から向き合い、
参加者の方が「明日から使える」実践的な解決策ろ武器として手に入れ
「お!!できるかも」と思って頂ける
プラス元気になる!を共に創ってます。
さすがに週5日、6日の研修続きになると、身体的にはハードなんですが…
でも心はあったかくなる、そんな山口です。
ということで今週も研修連続週。
元気に登壇したいと思います。

「ぬるま湯の仲良しクラブ」にならないために

最近、いろんな企業様でハラスメント研修を実施させていただく機会が
本当に多いのですが、現場の管理職の方々と本音でお話しすると、
ちょっと心配になる声をよく聞くんです。

「指導して『パワハラだ』って言われるのが怖い」
「そこまでリスクを負うくらいなら、最初から部下とは少し距離を置きたい…」
「いろいろ面倒くさいから、だったら言わない(任せない)。」

圧倒的に多いのが、こういう戸惑いの声なんですよね。

昔のような理不尽な指導がなくなるのは、もちろん良いことです。
でも、その反動で
「とにかく波風を立てないようにしよう」
「相手を否定しないようにしよう」
という防衛本能が働きすぎている気がします。

その結果、どうなっているか?
当たり障りのない意見しか出ない、「ぬるま湯の仲良しクラブ」になってしまっている
組織がめちゃくちゃ増えているんです。

ハッキリ言ってしまうと、全員が「それ、いいですね!」と
ただ賛同するだけの会議や仕事なら、
わざわざ集まってやる意味ってないと思うんです。

新しい価値やイノベーションって、異なる意見や価値観が少しぶつかり合う中から
「じゃあ、こういうアプローチはどう?」と生まれてくるものです。

「心理的安全性」はすごく大事なキーワードですが、
それを「誰も反対意見を言わないこと」だと勘違いしてしまうと、
組織はただ衰退を待つだけになってしまいます。

今の時代、経営層や管理職が仕掛けないといけないのは、
表面的な馴れ合いではなく「健全なコンフリクト(生産的な衝突)」だと思います。

では、人間関係を壊さずに、どうやって意見をぶつけ合うのか?

1. 「ヒト」と「コト」をきっちり切り離す
私たちは「自分の意見を否定される=自分自身を否定された」と
受け取ってしまいがちです。
「あなたの『案』には反対やけど、あなたの『人柄や能力』はリスペクトしているよ」
という共通認識を、組織のカルチャーとして根付かせることが第一歩です。

2. あえて「悪魔の代弁者」を任命する
会議や意見交換の場で、
「今日は〇〇さんに、あえて反対意見を言う『ツッコミ役』をお願いします」
と最初に設定してしまうんです。
役割として反対意見を言うなら、角も立ちません。
「それって本当にそう?」という視点が入るだけで、
議論の質はグッと上がります。

3. 経営陣・管理職から「自分の非」を認める
健全な衝突を生むには、上の立場にいる人が「完璧なふり」
をやめるのが一番早いです。
「この前の私の判断、ちょっとズレてたかもしれん。みんなはどう思う?」
と、リーダー自らが「突っ込まれどころ」を見せる。
これが最高のカンフル剤になります。
この方法、私はしょっちゅう使っています(意図的ではなく、結構素です)
間違えることは多々あるし、ほぼ色んなものを忘れてしまうし
結構その時のノリみたいなもので物事決めてしまうし…。
なので「あっ。ちゃうわー。ごめんごめん。」は日常茶飯事です。

ハラスメントを恐れて「波風を立てない組織」を作っても、
それは一見平和そうに見えるだけで、
実は組織の成長が止まってしまっている状態です。

表面的な「仲良しクラブ」ではなく、
時にはしっかりと意見をぶつけ合える「本当の意味で強いチーム」
が、今まさに必要な時代になっていると日々強く感じます。

早いもので、今年も半分終わりました。
梅雨が明けた瞬間、夏本番の暑さと蝉の声がやってきましたね。
暑さに負けず、強いチームで、更に加速度を上げていきたいと思います。

食わず嫌いをなくすには?

先日、会社のイベントでメンバーたちとスキューバダイビングに行ってきました。
私にとっては最高のリラックス方法の一つなのですが、
今回はちょっと嬉しいことがありました。

私はライセンスを持っていて、ご存じのように年に3~4回宮古島に
潜りに行っていますが、メンバーは体験ダイビングをしてもらって
私はその横でファンダイビングを楽しんできました!(別行動(笑)!)

これまで私が何度勧めても、
「海に潜るなんて絶対に怖い!」
「息ができなかったらどうしよう…」と
頑なに断っていたメンバーが、今回思い切って挑戦してくれました。
(無理やり私が超説得した、という背景がありますが…)

潜る前はガチガチに緊張していたメンバー。
しかし、いざ海から上がってくると……

「思った以上に怖くなかったです!」
「海の中ってすごい魚がいっぱいですね、すごく楽しかった!」

と、満面の笑みで言ってくれたんです。
その姿を見て、
「やっぱり、何事も実際にやってみないと本当のところは分からないし、
やってみたら印象は大きく変わるものだな」
と改めて実感しました。

これって、ビジネスの現場でもまったく同じことが言えますよね。
身近な例を挙げると、最近話題の「AIツールの導入」です。
何を隠そう、私自身も最初は
「操作が難しそう」「本当に仕事の役に立つの?」
と、どこか冷ややかな目で見ていた一人でした。

しかし、「まずは試しに…」と少しずつ触り始めてみたところ、
その印象は180度覆りました。

今では、議事録作成、データ分析、資料作成など、
ほぼすべての事務作業でAIをフル活用しています。
(AIなかったら、仕事がマジで回っていません)

以前なら数時間かかっていたデスクワークが、
AIという優秀なアシスタントに任せることで、
あっという間に終わるようになりました。

おかげで自分自身は、より本質的な考える仕事や、
お客様と向き合う時間に集中できています。
(実際に商談件数もものすごく増えています)

とはいえ、新しいことに対して「難しそう」「失敗したらどうしよう」
と抵抗感を覚えるのは、人間の防衛本能として当然のこと。

だからこそ、組織の中で新しいツールや手法を浸透させるには、
メンバーが「小さく試せる環境」をマネジメント側がどう整えるかが鍵になります。

いきなり「明日から全部AIでやれ!」と海に突き落とすのではなく、
まずは足の着く浅瀬で、ほんの少しだけ水に顔をつけるのを手伝ってあげる感覚です。

そのために必要なのは、失敗を許容し、心理的ハードルを極限まで下げる声かけです。
例えば、私がメンバーに新しいことを勧める時は、こんな言葉をかけるようにしています。

「まずは1週間だけ、とりあえず、お試しでやってみたら?」
(期間を限定してハードルを下げる)

「今回AIに書かせてみて。変な文章になったら、笑い話にすればいいし」
(一部だけ任せる・失敗を許容する)

「使ってみて使いにくかったら、元のやり方に戻して全然OKやし」
(逃げ道を用意して安心させる)

「設定だけ一緒にやろか。とりあえず触ってみよ~」
(最初の面倒な部分を伴走する)

「完璧にこなさなければ」というプレッシャーを取り除き、
「ダメなら戻せばいい」という安心感を与えられるかどうかが、
メンバーが最初の一歩を踏み出すための最大のモチベーションになります。
「ダメで元々、ちょっと試してみようよ」と、
声をかけてみるのが効果的です。

案外メンバーも、
「それならやってみようかな。……なんだ、思ったより簡単で便利ですね!」
と、笑顔を見せてくれるかもしれませんね。

何もしないことが失敗。
チャレンジをして、そこから軌道修正していくのが成功。
だから失敗したらダメ、ではなく
失敗いっぱいしようよ、がすごく大事ですね。
今週もたくさんチャレンジし、トライ&エラーをしていきましょう!

広い意味のコンプライアンス

先日ある企業様で実施したコンプライアンス研修で、
非常に深い気づきがありましたので、今日はそれをお伝えしようと思います。

コンプライアンスと聞くと、皆様はどのようなことを思い浮かべますか?
横領やデータ改ざん、情報漏洩といった「明らかな法律違反」を
イメージされる方が多いのではないでしょうか。

今回の研修では、参加者に
「マナーやモラルの欠如も、広い意味でのコンプライアンス違反になり得るか?」
という問いを投げかけました。
(ケーススタディ問題を研修前に、コンプラ違反になるか否か?をしてもらったんです)

すると、驚くべきことに…
「ほとんどの人が、マナーやモラル違反はコンプライアンス違反ではない」
と回答されていました。(研修前は)

たしかに、法律に違反していなければ警察に捕まることはありません。
しかし、現代のビジネスにおいて「コンプライアンス(法令遵守)」の定義は、
単なる法律の範囲を超え、「社会的規範や企業倫理を守ること」
へと大きく広がっています。

では、法律違反ではないけれど「コンプライアンス違反」として
企業に大ダメージを与えるのは、どのようなケースでしょうか。
現場でよくある「身近にも潜んでいそうな具体的な例」
= 法令違反ではないが「アウト=広い意味でコンプラ違反」  
を5つご紹介します。

1、SNSでの「ちょっとした悪ふざけ」(モラルの欠如)
 従業員が個人のSNSで、特定の顧客や取引先を揶揄するような発言をしたとします。
 発覚すれば「モラルのない社員を放置している企業」として大炎上し、
 企業のブランドイメージや社会的信用は一瞬で地に落ちます。

2、度重なる遅刻やルーズな対応(ビジネスマナーの欠如)
 「いつも会議に数分遅れてくる」
 「メールの返信が極端に遅い」
 単なる個人のマナーの問題と片付けられがちですが、
 組織全体で蔓延すると「あの会社はだらしない」という評価に直結し、
 取引先からの信用を失います。

3、威圧的な態度や言葉遣い(コミュニケーションのモラル)
 明確なパワハラ認定されるレベルでなくても、
 常に機嫌が悪く、周囲に威圧的な態度をとる人がいるとします。
 職場の心理的安全性を著しく低下させ、離職率の増加や生産性の低下を招くため、
 企業倫理の観点からは明らかな「違反」です。

4、常態化している「ギリギリ出勤」(職場モラルの低下)
 始業時間の1分前やジャストに駆け込んでくる出勤態度。
 労働法上は「遅刻」ではなくても、
 周囲に「今日も来るのだろうか」と無用な心配をかけたり、
 朝の業務のスタートダッシュを遅らせたりします。
 また、そのような時間管理しか出来ない人に重要な仕事は任せられません。
 (社内でも顧客からも)
 こうした「自分さえルール(時間)に間に合えばいい」という利己的な姿勢は、
 チームワークを乱すモラル違反と言えます。

5、外出先や通勤時での「態度の悪さ」(公共マナーの欠如)
 「歩きスマホで人にぶつかりそうになる」
 「駅や路上で大声で話す」
 「指定外の場所での喫煙」など。
 これらも直接的な法律違反に問われにくいものですが、
 もし会社のロゴ入りバッジをつけていたり、
 社名がわかる状態であったりすれば、
 「〇〇会社の社員はマナーが悪い」と、
 地域社会からの信頼を根底から崩す重大なリスクになります。

これらの例からわかるように、現代のコンプライアンスは
「世間や周囲から見て、正しい(恥ずかしくない)行動ができているか」
という社会からの期待に応えることと同義になっています。

「法律違反ではないから(就業規則違反ではないから)大丈夫」という認識は、
実は非常に危険です。
日々の小さなマナー違反やモラルの欠如が積み重なることで、
企業のブランドは少しずつ削られ、
最終的に大きなコンプライアンス違反(不祥事)へと繋がっていきます。

という研修をして、お昼休みに休憩場所でランチを取ってたら
(レンタル会議場で、休憩場所がありました)
同じビルで研修をしていた、別の会社の参加者たち(おそらく2-3年目くらい?)が
昼休憩に、ランチをとっていたんですが…
社内情報(誰がどんな人か(良くない情報)も業務内容も)も
顧客情報(どんなお客様に対してどう思っているか?=良くない情報)も
大きな声でわぁわぁ言っていて…
耳に入り、不快感を感じる内容が盛りだくさんでした…。
表の案内板をみると、誰もが知ってる大手上場企業の名前が…。
あぁ、残念…。
という、正しく!!コンプライアンスの重要さを痛感した次第です。