
先日ある会社様で新入社員研修を実施いたしました。
新入社員研修といっても、いわゆるマナーや敬語、電話応対などの基本的マナーではなく、
キャリア形成が主な内容でした。
このメルマガでも何度もお伝えをしていますが、若手には質問責任があります。
質問をすることで、より知識が深まるし、より理解をしようとするし、
そして何より納得感が醸成されます。
ですから必ず質問をしましょうね、とメルマガでも研修でも
何度もお伝えしていると思います。
研修中で「必ず質問をしてください」と、ランダムで数人に質問してもらいました。
ある方からこんな質問を頂いた頂いたんですね。
(コーチアビリティーをその前にお教えしていました。素直に受け止める力です。)
質問は…
コーチアビリティ=素直に受け止めるスキルとあるんですが、
中には理不尽なことを言われることもあると思います。
この理不尽なことを言われたときに、どうやって素直に受け止めたらいいんですか??
という質問です。
なかなかいい質問ですね。
研修中に私はこんなふうに返答しました。
もしかしたら理不尽だな…と思うことであったとしても、
すぐに理不尽だ!って思ってしまうと、なかなか素直に聞けません。
だから理不尽だなぁってまず思うのではなく、その中で学べる事は何なんだろうか?
その中でも自分が取り入れたら良い事は何だろうかと?考えることが大事だよ
とお伝えをしました。
研修中の質問で限られた時間なのでこのような返答に留めたのですが、
これにはもう少し深い背景があります。
新入社員の多くは、もしかしたらいろんな場面で理不尽だと思うことがあるかもしれません。
でも実際にはその9割以上が理不尽ではないんです。
これは彼らが育ってきた、学生時代からの常識や経験からすると理不尽だと思うかもしれません。
でも、社会人にとってみれば、極めて当たり前のことで、全然理不尽ではないことが
実は多いんです。
例えば…
仕事が忙しくて、お昼休憩を取れなかった。。。
でも上司や先輩からは…
●●までにこの仕事を終えないといけないから、ランチよりも先にこの仕事をやってください、と言われます。
(極めて当たり前ですよね…)
しかしその後も、仕事が立て込んでしまって…
その結果、ランチ休憩が取れなかった…これは理不尽だ!!!
と感じるかもしれませんが、、、
これ、毎日毎日この状態だと理不尽で組織として改善が必要ですが、
たまにこうゆう日がある、締め切りや月末など納期が迫ったときにはこうなる、
というのは極めて当たりまえのことで、全然理不尽ではありません。
何を意味して「理不尽」と定義づけるのか??
ここが一番理解してほしいところです。
今まで学生時代では、1時間いくら、の時給で働いていました。
でも正社員になると、月給や年俸で働きます。
この時給と月給・年俸の違いは何なんでしょうか?
時給というのは、「1時間あたり」の仕事をするというのが時給の考え方です。
月給や年俸になるとこれが月間や年年間で「どれぐらいの業務」をするかによって
対価が支払われます。
この、「時給いくらの考え方」が抜けずにいると…
お昼休憩が取れなかった。だから損をした。これは理不尽だとなりがちですが、
1日の中でその業務をすることが彼らの責任ですから、
その時間の中でできなければ自分の責任になり、お昼休憩や休憩時間を削ってでも、
その仕事を完遂するのは極めて一般的で当たり前の考え方なんです。
だからといって…サービス残業しろとか
だからといって…必要ではないのにもかかわらず、お昼休憩を削れ
と言っているわけではありません。
その時間の中で、業務が出来ている人が他にいるのであれば、出来て当然なんです。
できないのは自分のスキルのなさ、自分の力のなさなんです。
もしそれがまだ出来ていないのであれば、汗をかいて補うというのは
当たり前のことなんです。
もしかしたら新入社員の方がこれは理不尽だ!と思うことがあったとしても、
「理不尽じゃないことが実際には多い」ことも覚えておいて頂けたらなぁと思います。
最初から理不尽だ!おかしい!と捉えてしまうと、
そこから何も学べないし何も気づけないんです。
そこから学ぶ事はなんだろうか?そこから自分が何を学べばいいんだろうか?と
考えることが大事だと思います。
まだまだ新入社員研修が続きます。
彼らが自分で考え、1つでも多くのことに気づき、
そして自分の成長に取り入れてくれることを期待しています。