
先週も…新入社員研修から管理職研修、クレーム研修と
毎日様々な研修を実施している山口です。
先週ある会社様でカスタマーハラスメント(クレーム対応)研修を行ったんですが、
クレーム対応に必要なスキルは、皆さんよくご存知のように「傾聴」なんです。
お客様の話を親身になって聴く姿勢そのものがクレーム対応では必須になります。
この傾聴スキル、当然上司の話を聴く時や、部下メンバーの育成、営業の場面
面接、そしてクレーム対応と様々な場面で使うスキルになります。
傾聴というのが既にもう一般的になっているので、
皆さん聞かなきゃいけない!聞かなきゃいけない!!
=質問もしなくてはいけない
と思っている方も多いです。
しかし、傾聴の一つ前の共感が実はとっても大事なんです。
共感っていうのは「そう思う」と心の中で思うだけではなく、
私もあなたの気持ちがわかりますよ。同じ気持ちですよ。
と言葉に出して、態度で示して伝えることなんです。
先日のクレーム対応研修でディスカッションを行いました。
こんなクレームに対して、具体的にどう対応する??です。
「頼んでいたものと違うものが来た!金返せ!!」
このクレームについてどう対応しますか?
とディスカッションを行いました。
多くの方が、「金返せ」の言葉があるので、これは理不尽だ!カサハラだ!と
感じられた方が多いですが…
クレームの多くは、「表面的な言葉として出ているもの」と「本心」が違うんです。
この相手の気持ちになって考えてみると、
お金を返して欲しいが主ではなく、頼んでいたものと違うんじゃないか?が
1番言いたかったことだと分かりますよね。
もちろんこれが店側の提供ミスによって間違えてしまったのであれば
真摯に謝り、返品や交換する対応になりますが、
もしこれがお店のミスではなく、お客様の勘違いで
間違ってる!と思いこんでいらっしゃる場合は、
共感傾聴のスキルが使えるんです。
研修の中で私も具体的に例を出して実演しました。
私があなたに「お水をください」とお願いしました。
あなたは私に水を出しました。
でも、私から「これお水じゃないよね。コーラだよね。お金返してよ。」
といきなり言われたんです。
さぁ、なんて返します??
ほぼ100%の方が…
「お水ですよ。どう見ても…お水じゃないですか??」と返されました。
これ、正しいんです。正論なんです。
また、どう見ても水だと分かっているので
「いやいや…私は間違えてないですよ。間違えてるのはあなたですよ。」
と犯人探しをしてしまう。
共感の正しい返答は…
まず第一声に…
「えっ!!ほんとですか!!??コーラですか!!??」
とまず一緒になって驚くこと。
これがすごく大事!!相手と同じ心境になっている!を示すことです。
そして次に
「ほんとコーラだったら絶対ダメなんで、すぐ確認しますね!」
と飲んでみたり、持って行って確かめること。
ココでのポイントは、相手にとって大切なので、確かめますね、が伝わること。
最後に…
正論を伝えます。
「今、私もひと口飲んだんですけど…これお水です。でも間違いやすいですよね。」
と伝えます。
ココでのポイントは、思い込みや思い違いをしたのは、
決してあなたのせいではないですよ、を伝えること。
共感とは…自分が相手の立場に立ってどう感じるか?を表現することです。
水を頼んだのに、コーラが出てきた!
という状況に置かれた相手の心境です。
驚いたり、残念になったり、失望したり、の感情を
一緒になって演じること。
演じると言うと、少し芝居がかってしまうかもしれませんが、
一緒になってやる!と思っていただけると分かりやすいかなと思います。
この水とコーラの例を出して実演をすると、多くの方が
ほんとだ!!!と納得感を持ってくださったんですね。
傾聴は質問をすることが大事なのではなく、
相手の立場や状況を理解し、同じ気持ちになり、
同じ立場になったつもりで発言をする、表現をすることが共感なんです。
いろんな場面で使える、使うスキルになります。
相手の心境を一緒になってやる!を意識してみてください。