相手の心情を考えて言葉を選ぶ

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前回のメルマガで、
「相手にわかる言葉を使う」
についてお伝えしましたが、

今日はもう1つ、
相手の心情を考えて言葉を選ぶ、についてお伝えしようと思います。

少し前に、母から「ねぇ、これってどう思う??」
と1通の手紙を渡されました。

それは父が最期入院してお世話になった病院の
緩和ケア病棟スタッフ一同、からのお手紙。

中には、アンケート用紙も入ってます。
(これは印字された用紙)

もう1枚、自筆のお手紙が入ってたんです。

季節の挨拶からはじまるんですが。。。

ん???んんん???

1度読んだだけで、スッと入ってこなくて
2,3度読み直しました。

ちょいちょい、引っかかる単語や言い回しが。

例えば。

お父様は我々スタッフにとっても、本当に困った患者様でした、とか、

色んな思いがあるでしょうが、
ご家族様なりに最期はそれなりに支えてくれました、とか。

おいおい、何を言いたいん??

もしかして、嫌味を死んでからも言いたいの??

でもね、これ、きっと「良かれ」と思って書かれたんです。

ただ、言葉の使い方や言い回しがダメ。

母にそう伝えると。。。

そうかもしれないけど、こっちは気持ちがずっともやもやしてる、と。

で、私が電話して聞いてみることにしたんです。

概要を電話口の方に説明すると、師長さんがすぐに折り返してくださいました。

もう平謝り状態です。

そこで分かったことですが、、、

1、病院のフォロールールで、退院後みんなにアンケートを郵送している。

2、緩和ケアの場合、全員が亡くなって退院するので
遺族に印刷されたアンケートのみを送るのは心情的に良くない

3、なので、定型文を自筆で書き、自筆のお悔やみレターと共に、アンケートを送る

4、手紙を書いた担当看護師さんは、いい意味でうちの父に思い入れを持ってくださり、わざわざ定型文を、自分の言葉に書き直した。

5、たった2ヶ月だけお世話した自分ですら
うちの父が亡くなり、なんだか寂しいような気持ちになるのに、ご家族の心痛はもっとでしょう。。。という気持ちを伝えたかったらしい。

6、過去このようなケースもあったので
定型文を自筆で書く、が基本ルールになっており
今回私がお電話するまで、師長は「定型文以外の文章を自分で書いた」ことを知らなかった。

ここで気付きが3つです。

まず、口語だといい文章でも文語だとダメなことが多々あります。

例えばこの担当看護師さんとは、父の生前、

うちの父が我儘でご迷惑を掛けてすみません!

いいんですよ、あの状態だとどの患者さんも
みんなやっぱりかなり我儘になりますから~。

という口語をよく交わしてました。

つまり、担当看護師さんにとって、
「我儘で困った患者」という単語は口語で使っていたのでOK!
と思ったらしい。

これ、文語で使ったら、単に喧嘩売ってます。

次に、相手の心情を考えて言わないといけない。

父が亡くなり、とっても我儘で自己中な父でしたが
母としては、もっと出来ることはなかったか?と思っています。

これって、残された遺族(特に長期間看護介護が続いた遺族)は、
少なからず自責の念があるのでは?と思います。

そこへ、「ご家族なりに、それなりに支えた」
という表現をされれば、追い打ちを掛けられてるように感じます。

言い回し、表現の仕方は、相手の心情を踏まえて伝えなければいけません。

そして最後の気づき。

師長が知らなかったってことが大きな問題。

何事にもルールややり方はあり、そこにはそうなった背景や原因があるんです。

この背景や原因抜きにルールの徹底をすると、当然年月と共に、形骸化してくる。

だからこそ、背景や原因の事例となったケースを
共有していくことが大事なんです。

もしかしたら、今回のケースも、

過去文語でのトラブルって起こってるよね
だから定型文になったよね

でもどうしても今回は自分の言葉で伝えたい!
じゃ、これでいいか、相談してみよう、チェックしてもらいたい!

となったかもしれませんし、
周囲が気付いたかもしれませんね。

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