先日あるお客様先にて研修を行っている時のこと。
休憩時間にこんな質問がありました。
「働き方改革で、残業するなとかなり厳しく言われていますが
これまで残業代で月平均10万円くらいもらっていたのに…
それがなくてほんとに生活大変なんですよね。
でも仕事量はそれほど変わらないので、全部管理職に預けて帰宅してます。
管理職の上司は結構大変みたいで…いつも遅くまで残ってます。
管理職になると、残業代出ずに、いつも誰よりも遅くまで働いて…
そういう姿を見てると、ますます管理職になりたくないんですよね。。。
どこの企業でもそうなんですか??」
じっくり彼の話を聴いてみると…
・これまでの残業については、全く不満なく、むしろ月10万円くらいプラスして支給されているので、残業がしたい…、でもさせてもらえない…。
・残業代が出ないとかなり生活が苦しい(お子様もいるので…)
・副業してもよいと会社から言われているが、更に別の仕事を、今の仕事を終えてからするのは、精神的にも体力的にも無理。
・今の管理職を見ていると可哀想になる。そしてますます管理職を目指したくなくなってきた。
・働き方改革があるまでは、会社での将来像も描けていたが、今はなかなか描けない…。
ということらしいです。
こわいですね…。
じつはこうゆうご相談結構頂きます。
この企業ではいわゆる「働き方改革に便乗した人件費カット」を行っている企業ではありません。
経営幹部の方々とお話ししても、
「残業させてほしいという社員が多くいるが、働き方改革がある以上させてあげたくても出来ない。
会社としては、仕事量は変わらないので、人員を増やすしかないと
採用活動も同時に行っているが、なかなかこの時世採用活動もうまくいっていない…」
というのが現状です。
果たして、働き方改革で幸せになったのでしょうか??
もちろん働き方改革によって、過労の問題は軽減出来ているかもしれません。
残業したくない、という人にとっては幸せな改革かもしれません。
しかしその一方で、残業したいという社員がいるのも事実です。
情報誌によれば、副業をすれば解決する、なんてことが書いているものもあります。
もちろんそうかもしれませんが、その副業を望んでいない人も多くいるのです。
今の仕事を残業することで、たくさんスキルや経験を積めて
将来に繋がることもあるかもしれませんが、
全く別の仕事で副業しても、それは所詮「金稼ぎ」にしかならないからです。
私自身、副業については別に反対という訳ではありません。
当社も本人の希望があれば、副業を認めています。(している人はいませんが…)
ただ、私がサラリーマンだった時を思い返してみても
副業したいと思ったこともありませんし
今、あの時代に戻ってもしたいと思いません。
なぜなら、仕事は私にとっては、生活の糧でもあるけれども
それ以上に、自己表現の場であったり、交流の場であったり
何より社会貢献の場であるからです。
自分の人生の貴重な時間を、そんな価値のある仕事に費やしたいからです。
サラリーマン時代、私も多くの時間を仕事に費やしました。
死ぬほど働いた!と言える自信もあるほど働きました。
しかし、それがスキルとなり、経験となり、そして自信へとなりました。
だからこそ今の自分があります。
今の時代ですから、死ぬほど働け、とは言いませんが、
この働き方改革、残業の上限時間の設定だけで本当に幸せな働き方が出来るのか?
疑問が残るのも事実ですね…。