2019年 1月 の投稿一覧

恊働…心を合わせて共に働く。

管理職研修で学んだことは「自分自身を振り返ること」だった。

 

先日最終回を迎えたある企業様での参加された管理職の方の気付きと学び。

どうしたら部下を育てられるのか?を学んだが、

それ以上に「僕は部下にどうなってほしいのか?」を

自分自身で深く問うた研修だったと発表されました。

その内容と想いに、心打たれるところがたくさんありました!

 

「あれも出来ない…」

「なんで、仕事が出来ないんだろう?」

「どうしたら、成果が出るようになるんだろう?」

 

と研修を受ける前までは、そんな想いばかりを抱いていました。

しかしこの研修を受けて、そんな上司だと誰もついてこない、と気付き…

では、自分は部下の彼らにどんな人になってもらいたいのだろう?

と考えるようになりました。

 

そもそも彼らはどんな仕事をして、どんな人間になりたいんだろう?

あっ!!!!

自分はこれまで何年も彼らと接してきたのに…

彼等の想いも夢も聞いたことがなかった…。。。。

 

部下の夢を聞いてみよう。

もしその夢がないなら、一緒に考えよう。

そこから部下との本当のコミュニケーションが始まりました。

 

それまでは、仕事の指示命令、報告、たまに部下からの愚痴文句

がコミュニケーションの主な内容でした。

しかし、今では相談と語り、「共に考える・学ぶ」が

主なコミュニケーションになっています。

 

不思議なことに、彼等から愚痴や文句は出なくなりました。

「あれ、やっていいですか?」「もっとこうしたいんですが、いいですか?」

報告よりも相談が多くなりました。

毎日すごく楽しそうに仕事をしてくれるようになりました。

本当にみるみる変わっていきました。

 

指導面や営業面において、僕は特に何も変わっていません。

何か特別な具体的なアドバイスもしていないし、

何か特別な施策もしていません。

今までと同じやり方、同じ商品です。

3か月終わってみると、売上が約1.3倍になってました。

 

変わったことは、たった1つです。

それは、上司である僕自身の変化です。

これまで「出来ていないところを詰め、叱咤激励する」上司でした。

それが、「彼らのやり方・考え方を認められる」上司に変わったことです。

 

研修の回を重ね、色んな宿題をしていくうちに…

結局は、僕自身が「こうだ!」という確固たるものを

持っていなかったことに気付きました。

僕自身が今の自分の目の前の仕事に追われ、

仕事に対する遣り甲斐も明確に感じられず…

でもやらなくてはいけない…

その責任感だけで毎日仕事をしていた感じがします。

それでは、人はついてきてくれない…。

それに気づいた研修でした。

結局、人は人にしかついてこない。

僕自身が自分自身を振り返り、自分の人間力を上げることでしか

部下はついてきてくれないんです。

 

素晴らしい発表に心を打たれました。

学んで頂きたいこと、気付いて頂きたいことに到達して頂けて

私自身本当に嬉しく思いました。

恊働という考え方を私自身大事にしています。

普通は協力して働くという協働という字を使いますが

心を合わせて力を集結して働く、という考え方です。

これは単に上司の考えを押し付けるのではなく、

部下(部下はもちろん部下以外の人ともですが)と心を通わせ

お互いに、お互いの立場や気持ちを思い図り、

真の思いやりを持ちながら、同じ夢を持って成果を上げていくという考え方です。

共に働く仲間として、是非「恊働」「恊学」取り入れてみてください。

「遣り甲斐」は勤務して10年、でつかめるもの!?

今、どの会社も採用情報に「当社の仕事のやりがい」掲載していますよね。

私自身、ながく自社やお客様の採用活動に携わってきて、

学生から「御社の仕事のやりがいを教えてください」

という質問をたくさん受けました。

 

もちろんどの仕事にも色んな遣り甲斐があります。

お客様のお役に立つ、働く仲間と一緒に達成感を味わう、

自分自身の成長を感じる、上司や周囲から認められる、

自分の仕事が社会の役に立っている、社会に貢献していると感じる…などなど。

 

職種や業種は異なれど、その遣り甲斐は

おそらく共通しているのではないでしょうか。

しかし、その遣り甲斐、いつ感じるのか?

上司に褒められる、お客様に感謝される、

など刹那的な遣り甲斐は仕事を通じて日々感じます。

しかし刹那的な遣り甲斐では、辛くなった時にすぐに辞めたくなります。

 

遣り甲斐が本当に本物になって、

自分自身の天職とおもえるほどになるのは

いつくらいになれば感じるのか?

(本物になれば、多少の辛いことが起こっても辞めようとは思わなくなります。)

私自身の経験や多くの企業人のヒアリングから、

それは10年単位ではないかと思います。

 

楽しいことも面白いことも、

辛いことも逃げたくなるようなことも、

会社に行きたくないということも、

繰り返し繰り返し歯を食いしばって経験して、

初めて「これが自分の天職だ」と

思えるようになるのではないかと思います。

 

だからこそ、

ロイヤリティの醸成には長く時間がかかるのです。

 

一人前になるまでに10年かかる、

そういう理由はここにあるのではないかと思います。

 

自分の仕事が「これが自分の天職だ」と思えるようになれば、

人や周りから「遣り甲斐を享受されなくても」、

自分自身で遣り甲斐を感じられるようになるのではないかと思います。

 

しかし、それまでに間は、お客様や上司、共に働く仲間に

「遣り甲斐を享受してもらう=与えてもらう」

ことが必要なのではないかと思うのです。

 

特に最近のゆとりさとり世代においては、

幼少期から思春期にかけてのコミュニケーション量の不足から

「自己肯定感」が自分自身で醸成出来ていないという傾向があります。

つまり、誰かから常に

「あなたのことは必要だ」

「あなたのことは大好きだ」

と言ってもらわなければ、

自分自身の存在価値を感じにくい、という傾向があります。

これは職場においても同様です。

 

「仕事にやりがいを持て」

自己肯定が出来ていない彼らに、それが通じるでしょうか?

ましてや入社数年間はキャリアも浅く

仕事のスキルもまだまだ未成熟です。

自分自身の存在、スキルそのすべてに自信がなく、

自己肯定出来ない、

しかし彼らは「やらなくてはいけない」という

責任感は非常にある世代なんですね。

 

仕事にやりがいを感じられない自分はダメな人間だ…。

これだけ一生懸命頑張っているのに、

遣り甲斐を感じられないのは、

この仕事が合っていないのではないか?

そしてそんな気持ちを持っていることを誰も分かってくれない…。

 

これらのジレンマにより鬱状態になる若者が多いのです。

 

「仕事にやりがいなんて持たなくてもいいよ。」

私はいつも新入社員研修や、キャリアの浅いメンバーにはそうお伝えしています。

だって、60歳になっている人だって、管理職だって、

たとえ自営業をしている人だって、

遣り甲斐を持っていない人は世の中たくさんいます。

金曜日の安い居酒屋に行ってみてください。

多くのサラリーマンが「仕事面白くないよな」「あいつ、ムカつくよな」

って仕事や上司の文句や愚痴を言っています。

文句や愚痴が出ないほど、それほど本当に仕事に遣り甲斐を感じている人は、

実は結構少ないのではないかと思います。

仕事に遣り甲斐を感じない…。それでもいいんです。

それ自体が悪ではないのです。

 

ただ、私は有難いことに仕事に遣り甲斐を感じています。

遣り甲斐は絶対あった方が楽しい。

仕事だけではなく、人生そのものが楽しくなります。

だからこそ、矛盾しているようにも聞こえますが、

出来れば仕事に遣り甲斐を感じてほしいです。

そのためにはどうしたらいいのか??答えは簡単です。

 

仕事に遣り甲斐を探そうとするな。

今の仕事に夢中になれる素直な心を持て。

これだけです。

 

青い鳥症候群ではないですが、

遣り甲斐を探して探して転職を繰り返し、

結果どんどん落ちていった人を多く見てきました。

遣り甲斐は探して見つかるものではないんですよね。

誰かに与えてもらうものでもありません。

自分でも不思議なほど夢中になってみて、

初めて本当の「遣り甲斐」を感じるものです。

 

「仕事に遣り甲斐なんて持たなくてもいいよ。

きっとそのうち勝手にやってくるから。

でも、それには10年くらい掛かるから、

その間にしんどくなったら

「遣り甲斐」のおすそ分けを周りの人からもらったらいいよ。」

と伝えています。

 

特に管理職の方々には、部下の方に「遣り甲斐のおすそ分け」

をしてあげることが上司の仕事ですよ、とお伝えしています。

決して遣り甲斐を与えること、教えることが上司の仕事ではありません。

それは彼らが自分で苦労しながら見つけていかなくてはいけないものなのです。

ただ、上司として「遣り甲斐のおすそ分け」を、

時々彼らがしんどくなった時にしてあげることで、

彼らはまた山を一つ越えられるのです。