ついつい、何かトラブルが起こった時に「どうして??なぜ???」と原因をまずは追及しがちです。もちろん再犯防止の観点からも、その原因を明確にし対策を講じることは重要です。しかし、「どうして?なぜ?」と聞かれ過ぎると、責められている、怒られている、と感じることも多いのです。そしてついつい上司も人間ですので、感情的になってしまったり、中には結論を早く知りたいのでどんどん質問攻めにしてしまったり、という状況をよく見ます。彼らは質問攻めにすればするほど、どんどん萎縮していってしまいます。そしてどんどん自信を失くしていきます。
ですから、何かトラブルが起こった時には、まずは感情的にならずに冷静に落ち着いて、彼らの話をじっくり聴いてみてください。その際に出来る限り口を挟まずに、聴いてあげてください。時々説明に詰まりながらも、彼らは実はしっかりと問題を捉えていることが多く、その原因追及や今後の対策についてもしっかり考えられていることが多いです。しかし上司から怒鳴られたり、質問攻めにされてしまうと、単純に委縮して何も言えなくなってしまっていることが多いです。すると上司は「何も考えられていない」と誤解してしまうことが多いんですね。
そして、その原因追及や今後の対策で、あなた自身も「なるほど」と納得するところがあれば、その点について認めてあげる発言をしてあげてください。
「なるほど。そういう対策を今後すれば、こういう問題は起こりにくくなるね。」
「この時点でそこに気付けたのは、今回いい勉強になったね。」
「ご迷惑をお掛けした方々に、既にしっかり謝罪が出来ていることは素晴らしい点だね。」
といったように、この時点であなた自身が「ここは良く出来ているな、よく考えられているな、いい気付きになっているな」と感じた点について、きちんと具体的に認めてあげてください。そうすることで彼らは、自己反省から自己容認出来るようなり、自分のしてしまったミスについてはしっかり反省しながらも、しっかりそこを取り戻そうと前向きになってくれます。ここがしっかりと出来ていなければ、次の対策考案に対して前向きになれません。ですので、しっかりと認めてあげてください。
その上で、「じゃあ、次はどうしたらいい?どうすべきだと思う?」と聴いてあげてください。ほとんどの場合、彼ら自身でしっかりと対策を立てていることが多いですが、もし仮にこの対策が立てられていない、もしくは不十分と言う場合には、彼らに考えさせ、自ら答えを導き出すように促してあげてください。
「それだと、A側にはいいけれども、B側が納得しないと思うんだけど、どう思う?」
「その方法だとかなり時間的に無理があるけれども、どうしたらそこはクリアできると思う?」
といったように少しヒントを与えながら、彼らが答えを出すように導いてあげてください。前述した「認めてあげる」ことがしっかり出来ていると、ここでの会話は活発になり、彼らが自らの問題として捉えることが出来、しっかり考え実行してくれるようになるのです。