「すごく簡単に、今日からすぐ出来て、効果もバッチリの、そんな方法ないですか???」
よく研修の参加者に聞かれる質問です。
部下のモチベーションを上げ、社員の定着率を上げ、更には仕事の成果も上げていきたい。経営者はもちろんのこと、管理職の方々にはこんな課題、日常茶飯事ですよね。
社員の定着率を上げるには、仕事に遣り甲斐を持たせ、公平公正な評価を実現し、理念浸透を深め、目標を高く持って仕事を楽しみ、そして会社風土を良くし…とやるべきこと、やらなければならないことが山ほどあります。
しかし!!!そんな時間なんてないんです!というのが皆さんの本音ではないでしょうか?簡単に出来て、そして比較的すぐに効果が表れて、なんて魔法の方法はありませんか?とよく質問されます。
答えはシンプル明快です。魔法の1手はありません。
しかし、ほんの少しの言動を変えていくことで、思った以上の効果が見込める、そんなコミュニケーション術はあります。
もちろん本質は上記に挙げた正攻法をきちんとすることではありますが、今回ご紹介するコミュニケーション術も組み合わせて頂くと、更に効果的、という訳です。
なぜ挨拶をしなければいけないのか?
挨拶は仕事の基本。当たり前ですが、皆さんしっかりとご理解されてますよね?でも挨拶の仕方、真剣に考えたことってありますか?ただ単に呪文やお経のように「おはようございます。」って会社に入ってくる人、案外多いですよね。これまで様々な業種のお客様で育成のお手伝いをさせて頂きましたが、最近では時々ちょっとびっくりするようなこんな質問をもらいます。
「なぜ挨拶をしなければいけないんですか?」
「挨拶しても何の成果が上がるんですか?」
そんなとき、皆さんはどう指導しますか?
「挨拶をすると、お互いに気持ちよく仕事が始められるから。」
「実は挨拶で成果って左右されるんだよ。」
「会社は人の集合体。挨拶でチームワークも良くなるし…」
私はいつもこうお応えさせて頂いています。
「挨拶することに理由はない!」
人をだましてはいけない。殺めてはいけない。傷つけてはいけない。嘘をついてはいけない。思いやりを持って人に優しくする。正直である。なんだか幼稚園のお約束のようになってきましたが…
この幼少期にどの家庭でもどの園でも教えるもの、いわゆる道徳、倫理観の形成を図るもの。挨拶とは、そういう類のものなのです。
なので理由はありません。みんな当たり前にするものです。躾は躾、「厳しく」です。
そこはしっかりと教えてあげた上で、毎日の挨拶のコミュニケーションを少しアレンジするだけで、1日の働きぶりが良くなってくれる、そんな挨拶の仕方があるんです。
社員の定着率が上がる挨拶とは
つまり、この挨拶を少しだけアレンジするだけで、グンと部下のモチベーションを上げることが出来ます。
「○○さん(くん)、おはよう。」
「○○さん(くん)、お疲れ様。」
と部下の名前を入れてみてください。
プラス、一人一人の顔をしっかり見て、笑顔で挨拶をしてあげてください。
さらに、慣れて来たら…何かプラスの一言があれば、なおgoodです!
例えば…
「○○さん(くん)、おはよう。今日は例のお客様のプレゼンの日だね!頑張って!」
「○○さん(くん)、おはよう。昨日は本当に遅くまでお疲れ様でした。今日はなるべく早めに帰れるようにしてくださいね。」
という感じで、彼(彼女)にしか通じない事柄を交えた挨拶をしてみてください。
それだけで、彼らはしっかりと上司に『見てもらっている感』を感じます。部下は上司に見てもらっていると感じると、仕事の頑張りが違います。見てもらえることが嬉しい、もっと見てほしい、とどんどんアピールをしてくれます。しっかりと、私はあなたを見ているよ、と伝えてあげましょう。