コラム

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企業におけるリスキリングはなぜ失敗するのか?「WILL」の前に「必要とされる喜び」を磨く本質的育成術

企業におけるリスキリングはなぜ失敗するのか?「WILL」の前に「必要とされる喜び」を磨く本質的育成術

「全社を挙げてリスキリングを推進し、最先端のオンライン学習環境を整えたが、社員が形ばかりの受講で終わっている」

「若手社員に新しいスキルを学ばせた途端、自分のやりたいこと (WILL)と現在の業務が違うと主張し、離職してしまった」

DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速やビジネスモデルの急激な変化を背景に、多くの企業で「リスキリング (スキルの再習得)」が組織存続の最重要命題として叫ばれています。しかし、莫大な予算と時間を投じたにもかかわらず、現場からは上記のような「制度の空回り」に対する深い嘆きが絶えません。

最新のシステムを導入し、学ぶ機会さえ提供すれば、社員が勝手に自走し、組織の業績が魔法のように向上する――そのような甘い幻想はこの世に存在しません。最初から100%自分に都合が良く、毎日が楽しくて仕方がない「天職」や「理想の職場」など、どこにも用意されていないのです。仕事の本当のやりがいや習得したスキルの真価は、一見無駄に思える泥臭い試行錯誤を重ね、理不尽な壁にぶつかりながらも、自らの手で仕事を「おもろく創り変える」能動的なプロセスの先にしか宿りません。

本記事では、多くの企業が陥っているリスキリングの「ただの作業化(やりっぱなし)」の罠を、現代のタイパ志向やインプット偏重という病理から紐解きます。その上で、社員のキャリア自律 (WILL)を空回りさせず、目の前の仕事で「必要とされる喜び」を原動力として、自走する強い組織へと変革するための実践的な育成アプローチを徹底解説します。

リスキリングが「ただの作業」に終わる最大の原因: タイパ・インプット偏重の罠

リスキリングの本来の目的は、単に「新しい知識を脳内に蓄えること」ではありません。「変化する市場環境に適応し、新たな技術を駆使して、現場で新しい価値(成果)を泥臭く創り出すこと」にあります。しかし、導入に失敗する企業の多くは、この「価値創造(アウトプット)」というフェーズを見失い、「知識をインプットすること」自体を目的にしてしまっています。その最大の要因が、効率のみを求める「タイパ・コスパ偏重の風潮」です。

「無駄」を避ける若手と、失われる知恵

現代は、効率よく正解だけを求める「タイムパフォーマンス(タイパ)」が重視される時代です。リスキリングにおいても、多くの若手社員は「いかに最短ルートで、無駄な苦労をせずにスキルを手に入れるか」にばかり注目します。少しでも単調な業務や困難な壁に直面すると、「この仕事は自分のキャリアにとってタイパが悪い」「もっと効率的に成長できる環境に行きたい」と、摩擦を避けてしまうのです。

しかし、一見無駄に見える泥臭い下積みや、理不尽な壁に歯を食いしばって立ち向かった経験こそが、後になってその人の血肉となり、知識を応用するための「知恵」へと変わります。効率だけを求めて「無駄」を省き続けた結果、マニュアル通りのことしかできない人材ばかりが育ってしまうという皮肉な現象が起きています。

いつでも手軽に知識をインプットできる動画学習 (eラーニング)などは、現代の忙しいビジネスパーソンにとって非常に優れた学習ツールであり、育成のインフラとして欠かせません。しかし、画面越しに知識を得ること(インプット)と、実際の現場でそれを使用し、泥臭く成果を出すこと(アウトプット)の間には、大きなステップが必要になります。人間の長年の思考の癖や現場の生々しい対人関係の課題は、知識を得ただけで自動的に変わるほど単純ではないからです。

得られた「知識」を現場で使える「知恵」へと昇華させるための『実践の場』が不足していること。これこそが、インプット偏重の教育が招く「リスキリングのやりっぱなし(ただの作業化)」を生む構造的な課題なのです。

「WILL (やりたいこと)」の前に、まず「必要とされる」喜びを磨く

昨今の人事・キャリア研修において、必ずと言っていいほど強調されるのが「WILL(自分のやりたいこと・志向性)」の棚卸しです。社員一人ひとりが自律的なキャリアビジョンを持つこと自体は素晴らしいですが、現代の育成現場においては、この「WILL」の概念が過剰に肥大化していることに強い警鐘を鳴らす必要があります。

自己実現の前に、商売の本質に立ち返る

「もっとクリエイティブな業務で自己実現したい」「自分らしい仕事で市場価値を高めたい」。そう主張して新しいスキルを学ぶのは自由ですが、厳しいビジネスの現実において、どんなに高度なスキルを身につけても、目の前のお客様やチームの仲間から「あなたがいてくれて本当に助かった」 「君の代わりはいない」と必要とされなければ、そこに仕事としての価値は発生しません。周囲の期待を無視し、自分のやりたいことの実現だけを求めるのは、単なる「趣味」です。

組織の中でプロとして働く以上、まずは今与えられている泥臭い仕事に没頭し、成果を出し、周囲から「必要とされる存在」になることが大前提です。「必要とされる喜び」の原体験を味わって初めて、リスキリングで得た知識は強力な武器となり、自らの手でキャリアを切り拓くエネルギーへと変わるのです。

【比較表】受動的な学習 vs 能動的なキャリア構築

リスキリングを単なる「お勉強」で終わらせず、組織の血肉とするためには、社員のスタンスを「受動」から「能動」へと根本的に転換させる必要があります。

比較項目 失敗する社員(タイパ・受動的スタンス) 成長する社員(泥臭さ・能動的スタンス)
仕事への基本姿勢 会社が自分に対して「楽しい環境」をお膳立てしてくれるのを待つ。 どんな環境でも、自分の手で目の前の仕事を「おもろく創り変える」。
キャリアの判断基準 「WILL (やりたいこと)」 を最優先し、現在の業務とギャップがあればすぐに諦める。 「必要とされること」に真の喜びを見出し、周囲の期待に応えようと踏ん張る。
スキルの習得方法 「タイパ良く動画を見る」だけで満足し、知識を消費した時点で成長した錯覚に陥る。 学んだ知識を現場の泥臭い実践の中で試し、失敗を重ねて「知恵」を掴み取る。
対人関係の捉え方 人間関係の摩擦を嫌い、自分のテリトリー(安全地帯)に閉じこもる。 本気の挨拶など、自ら「当たり前のレベルを上げる」ことで場を創り出す。

「楽しい」という言葉は、他者から与えられる状況を待つ受動的な感情です。株式会社キャリアチアーズのパーパスである『ワクワク! おもろく働く社会を創る』が指し示す通り、仕事の真の面白さは、誰かに用意してもらうものではなく、自らの泥臭い実践において、能動的に創り出すものに他なりません。

「ゲームが半分」心を動かし、行動を変える圧倒的実践研修

頭で理解しただけの知識を、現場で即座に通用する「生きた行動」へと変えるには、「ゲームを通じた、感情の揺れ動きを伴う生々しい疑似体験」が不可欠です。

株式会社キャリアチアーズが提供する研修では、座学を最小限に留め、研修時間の約半分をビジネスゲームやグループワークという超実践的なアウトプットに充てています。最大の強みは、既製品の一般的なゲームをそのまま提供しない点です。貴社の実際の業務プロセスや、今まさに現場で起きている生々しい組織課題を緻密にヒアリングし、ゲームのルールやシナリオ設定を各社ごとに完全にカスタマイズして構築します。

具体例:リスキリング実践・新プロジェクト危機シミュレーション

リスキリングの定着をテーマにした研修では、貴社の商材や業務プロセスを模した「新プロジェクト・トラブル解決ゲーム」を実施します。受講者は、事前にインプットしたはずの「最新のフレームワークやスキル」を駆使して、次々と発生する顧客からの厳しいクレームや納期遅延の危機を乗り越えるミッションに挑みます。

しかし、時間が迫りプレッシャーが高まると、受講者の多くは焦りから「新しく学んだはずのスキル」を完全に放棄し、自分が過去慣れ親しんできた古くて非効率なやり方(安全地帯)へと無意識に逃げ込んでしまうのです。目標達成を焦るあまり新しい提案を拒絶し、摩擦を避けて業績を悪化させていくシーンが多発します。

ゲーム終了後、プロの講師が問いかけます。

「皆さんは『新しいスキルを学びたい』と言いながら、いざ本当のプレッシャーがかかった瞬間、泥臭い挑戦から逃げ、自分の一番古い癖に固執していませんか?」

「これはあくまで研修のゲームだから」という言い訳は通用しません。ゲームの設定が自社の現実そのものであるため、受講者は「うわ、これ、先週の職場で自分がやってしまった逃げの姿勢そのまんまだ……」という圧倒的な当事者意識に直面します。この本気で悔しがり、自らのスタンスの甘さを自覚する「逃げ場のない気づき」こそが、タイパ志向の壁を打ち破り、現場での自発的な行動変容を促す強力な起爆剤となるのです。

【図解】自ら仕事をおもろくするチームへの4ステップ

STEP 01

当たり前のレベルを上げる(場づくり)

新しいスキルの前に、挨拶・返事・傾聴といった「行動の基本」を徹底。管理職が背中を見せ、互いに高め合える土壌を創ります。

STEP 02

「必要とされる」喜びを知る

自分の意思(WILL)の前に、「周囲の期待」をすり合わせ。学んだスキルで誰かに感謝される経験が、自走のガソリンになります。

STEP 03

健全な衝突と「親心」の指導

耳の痛い事実も率直に伝える。成長を信じる「親心」を持って、壁を乗り越えるための歯を食いしばる経験を奪いません。

STEP 04

仕事を「おもろくする」裁量の付与

学んだスキルで「どう面白くするか」を部下に一任。能動的な試行錯誤を管理職が伴走し、仕事の真の楽しさを掴み取らせます。

自ら仕事を「おもろく」創り出す強い組織へ

どんな仕事であっても、本人のスタンスと創意工夫次第で、最高におもろいものへと創り変えることができます。厳しい指導を受け、困難な壁にぶつかりながらも乗り越えた先にある「仕事って面白いな」という感情は、仕事という真剣勝負の場でしか絶対に味わえません。その本当の面白さを部下に経験させてあげることこそが、ぬるま湯ではない「本当のマネジメント(親心)」なのです。

まとめ: 「やりっぱなし」を防ぎ、本気の組織変革を

企業におけるリスキリングの成功とは、単に社員に新しいツールの使い方を覚えさせることではありません。泥臭い実践のプロセスを通じて、自ら仕事を「おもろく創り変える」ためのマインドセットをアップデートすることです。しかし、その変革は、社員に知識を詰め込むだけの「インプット重視の作業(やりっぱなし)」では絶対に実現しません。

もし貴社が、「多額の予算をかけて教育制度を導入したけれど、現場がなかなか変わらない」 「若手がタイパばかりを気にして、泥臭い挑戦の機会を避けてしまう」 「社員が自走する強い組織を本気で創りたい」という課題に直面しているならば、ぜひ一度、株式会社キャリアチアーズにご相談ください。

キャリアチアーズの実践型研修が選ばれる理由
  1. カスタマイズされた「ゲームが半分」の研修: 貴社のリアルな課題を投影したビジネスゲームを通じ、本気で笑い、本気で悔しがる中から「逃げ場のない気づき」を引き出します。
  2. 「宿題と赤字添削」による泥臭い伴走: 研修での熱い気づきを冷まさないよう、現場での実践を「宿題」として課します。提出された内容には、プロ講師が一人ひとりに「親心」を持った丁寧な赤字添削を行い、確実な行動定着をサポートします。
  3. 「やりっぱなし」にさせない圧倒的成果: インプット偏重の教育から脱却し、定着化80%UP、戦力化40%UPの成果にコミットします。

理想の組織や、やりがいのある仕事は、誰かから与えられるものではありません。自分たちの手で泥臭く創り出していくものです。人は、適切な環境でもまれれば、必ず見違えるように成長します。その可能性を信じ、本気で向き合う変革の第一歩を、私たちと共に踏み出しませんか。

貴社の課題に寄り添った最適なプログラムをご提案いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。

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