離職防止とは?主な原因と企業の成功事例、定着率を高める実践アイデアを紹介
離職防止は、社員が安心して働き続けられる職場をつくり、組織の力を高めるための継続的な取り組みです。人材不足が続く中で、採用だけに頼らず、定着を実現することが重要度を増しています。
この記事では、離職の主な原因を整理し、評価や働き方、育成、コミュニケーションの観点から実効性の高い施策をまとめます。人事と管理職がすぐに着手できる手順も提示し、明日からの現場改善につなげます。
目次
離職防止とは?定義と日本企業の現状
「離職防止」とは、社員の退職(離職)を防ぎ、会社に長く定着してもらうための取り組み全般を指します。人材不足が深刻化する日本では、人材を採用した後に定着させることが企業の重要課題です。厚生労働省の調査によれば、2023年の日本企業の平均離職率は15.4%に上ります。(出典:厚生労働省)
社員の約6人に1人が毎年辞めている計算となり、決して小さくない割合です。特に若手社員の早期離職が課題です。高卒では約4割に上り、業界によっては宿泊・飲食サービス業で半数以上が短期間で辞めるというデータもあります。こうした現状から、企業は離職の原因を正しく把握し、防止策を講じる必要性に迫られています。
社員が離職する主な7つの原因
社員が会社を離れる背景には、待遇・人間関係・キャリア不安など複数の要因があります。ここでは代表的な原因を具体的に整理します。
1. 労働条件や待遇への不満
給与や労働時間など労働条件への不満は、社員が離職を決意する大きな要因です。特に若い世代はワークライフバランスを重視する傾向が強く、長時間労働や休暇の取得しづらさ、低賃金に不満を感じやすいと言われます。
実際の調査では「給与が低い」が34%、「残業・休日出勤が多い」が17%と、退職理由の上位に挙げられています。(出典:エン・ジャパン)
労働条件が厳しい環境では心身の負担が増し、社員のモチベーション低下やバーンアウト(燃え尽き)につながります。その結果、より良い条件を求めて転職を選ぶ社員が増えてしまうのです。離職防止のためには、適切な給与水準の確保や業務量の見直し、休暇を取りやすい職場づくりなど、働きやすい待遇の整備が不可欠です。
2. 職場の人間関係によるストレス
上司や同僚との人間関係の悩みも、社員が会社を去る主な原因です。職場でのコミュニケーション不足や対立、陰湿ないじめ、パワハラ(パワーハラスメント)などが起これば、社員は大きなストレスを抱えます。
特に上司との意思疎通がうまくいかず、不公平な扱いを受けていると感じると、社員は「この職場では報われない」と失望しがちです。また、同僚との軋轢や職場の雰囲気の悪さが原因でメンタル不調に陥るケースもあります。
人間関係のストレスが続くと、社員は心身の健康を保てなくなり、退職という選択肢を考えるようになります。離職防止には、日頃から円滑なコミュニケーションを促進し、チーム内の問題を早期に解消する取り組みが重要です。
3. 将来のキャリアや成長機会への不安
自分のキャリアの先行きや成長機会が見えないことへの不安も、離職の大きな原因となります。社員は働きながら「このままでスキルアップできるのか」「将来の昇進やキャリアパスはあるのか」と将来像を描いています。
もし会社で新たな挑戦や成長の場が得られないと感じれば、意欲ある社員ほど他社でのキャリアを模索しやすくなります。
また、「この会社にいても成長できない」という思いが強まると、日々の業務への意欲も低下し、転職活動に踏み切るきっかけとなってしまいます。社員のキャリア不安を和らげるには、社内でのキャリア支援や研修機会を用意し、自身の成長が実感できる環境づくりが必要です。
4. 採用時のミスマッチ(期待と現実のギャップ)
採用段階で企業の実態と候補者の期待に大きなギャップがあると、入社後の早期離職に直結します。求人情報が過度に魅力的であったり、選考時に不都合な情報が隠されたりすると、「聞いていた話と違う」と失望を招きます。
5. 業務量・責任の過負荷
中堅社員などに業務量や責任が偏り、長時間労働や休日出勤が常態化する状態も離職の主因です。適正な人員配置や業務分担が行われないと、疲弊した社員はワーク・ライフ・バランスを求めて転職を考えます。
6. 不公平な評価とフィードバックの不足
評価基準が不明確で不公平感があると、社員のモチベーションは大きく低下します。頑張りが正当に認められないと感じると、会社への信頼を失い、離職へと傾きやすくなります。
7. 経営ビジョンの不透明性
会社の将来の方向性や経営戦略が社員に十分に共有されないと、将来への漠然とした不安を抱き、長く働く意義を見失いやすくなります。
離職防止に取り組むべき3つの理由
離職は企業に大きな損失をもたらします。優秀な人材の流出や採用コスト増、既存社員への負担など、放置できない理由を確認しましょう。
1.優秀な人材の流出による企業成長の停滞
人材は企業にとって最大の財産です。特に経験豊富で高いスキルを持つ優秀な社員が離職すると、その穴を埋めることは簡単ではありません。ノウハウや知見を持つキーパーソンの退職は、業務の生産性低下に直結しますし、場合によっては競合他社に人材が流出して自社の競争力が削がれてしまうリスクもあります。
退職者と同等のスキル・経験を持つ人材を新たに育成するには多大な時間と労力がかかります。その間、プロジェクトの進行が遅れたり、新製品開発が滞ったりするなど、企業成長にブレーキがかかる可能性が高まります。したがって、優秀な人材の離職を防止することは、企業が持続的に成長する上で不可欠と言えます。労働環境や評価制度を見直し、社員が「この会社で働き続けたい」と思える状況を作ることが、結果的に企業の発展につながるのです。
2.採用・教育コストの増加
社員が辞めるたびに、新たな人材の採用と教育に多くのコストが発生します。求人広告の掲載費、人材紹介会社への手数料、面接にかかる時間などの採用コストに加え、新人研修やOJTにかかる教育コストも必要です。これらが積み重なると、一人の離職が何百万円もの損失につながることもあります。
さらに、離職者の穴埋めのために他の社員が業務を負担することで残業代が増えたり、臨時の派遣社員を雇う費用が発生したりすることもあります。高い離職率は企業の人件費構造を圧迫し、利益率の低下を招きかねません。離職防止に取り組むことは、こうした無駄な採用・育成コストを抑えることにも直結するのです。
3.既存社員への負担とモチベーション低下
人手不足の状態が続くと、残った社員一人ひとりへの業務負担が大きくなります。離職者が担当していた仕事を既存社員が肩代わりするケースが増え、結果として一人当たりの残業時間が延びたり、休日出勤が必要になったりするでしょう。
こうした状態が常態化すると、既存社員にも疲労やストレスが蓄積し、仕事へのモチベーション低下を招きます。本来の業務に集中できず余裕を失った社員は、自身も離職を検討し始める恐れがあります。特にチームの中心人物やベテラン社員が抜けた場合、その影響はチーム全体に波及し、残ったメンバーの士気が大きく下がってしまうことも考えられます。
つまり、離職者が出るたびに悪循環が生まれ、さらなる離職につながるリスクがあるのです。社員の定着を図ることは、働く人たちに安心感を与え、職場全体の士気とエンゲージメントを高めることにつながります。離職防止策を講じておけば、慢性的な人員不足を避け、既存社員が安心して働き続けられる環境を維持できるのです。
離職を防止する実効性の高い6つの施策
離職防止の鍵は、現場の不満や課題に即した対策を講じることです。従業員の声を聞く仕組みから制度設計まで、効果的な施策を紹介します。
1. 従業員の声を聞く仕組み(アンケート・1on1)
まずは社員が感じている不満や意見を把握する仕組みを整えることが重要です。定期的な従業員アンケートや上司との1on1ミーティングを実施し、職場の問題点や改善点を社員から直接聞き取ることで、離職につながる不満の“芽”を早期に発見できます。
社員の声を定期的に吸い上げる仕組みがあれば、表面化していない不満や職場課題に気づけます。それらに対して迅速に手を打つことで、社員の不満が限界に達して退職を決意する前に状況を改善できるのです。経営層が従業員の声に耳を傾ける文化をつくることで、結果的に離職防止につながります。
2. 公平で納得感のある評価制度の導入
社員が会社に不満を感じる大きな要因の一つに「評価への不満」があります。「自分は正当に評価されていない」「昇給・昇進の基準が不透明だ」と社員が感じる職場では、モチベーションが低下し、やがて見切りをつけて離れてしまいがちです。
この不満を解消するには、評価制度を見直し、できるだけ公平で透明性の高い仕組みを整えることが必要です。具体的には、評価基準を社員に開示し、目標設定と評価結果について面談で丁寧にフィードバックする運用が考えられます。
また、360度評価の導入などの評価手法を取り入れて納得度を高めている企業もあります。社員が「自分の頑張りが正当に認められている」と感じられれば、会社への信頼感が増し、将来もこの会社で成長したいという意欲につながります。その結果、離職の抑制につながるでしょう。
3. 長時間労働の是正と柔軟な勤務制度
日本企業では長時間労働が慢性化しがちですが、過度な残業や休日出勤は社員の心身を疲弊させ、離職の大きな原因となります。長時間労働の是正は離職防止策の一つです。
政府も「働き方改革」によって残業時間の上限規制を導入するなど、労働環境の改善を推進してきました。企業側でもノー残業デーの設定や業務プロセスの効率化による残業削減に取り組み、社員の負担軽減を図ることが重要です。
また、フレックスタイム制度やリモートワークなど柔軟な働き方を導入する企業も増えています。勤務時間や場所に融通が利く環境は、育児・介護と仕事を両立したい社員や、自分のペースで働きたい社員の定着につながります。
4. キャリア支援やリスキリング機会の充実
社員が「この会社で成長できる」と感じられる環境を作ることも、重要な離職防止策です。具体的には、キャリア支援や教育研修の機会を充実させることが挙げられます。
社内公募制度やジョブローテーション制度を整備して社員が様々な職務に挑戦できるようにしたり、資格取得や通信教育を支援して自己啓発を促したりする取り組みが効果的です。例えば、定期的なキャリア面談を実施して社員の希望や適性を把握し、配置転換や昇進の道筋を示すことで将来への不安を軽減できます。
また、新たなスキル習得を支援する研修プログラムやメンター制度を設けることも有効でしょう。昨今ではDX(デジタルトランスフォーメーション)に対応するため「リスキリング研修」を行う企業も増え、社員の市場価値向上に積極的な企業ほど定着率が高い傾向があります。
社員が長期的なキャリアビジョンを持てるような支援策を講じることで、「この会社で頑張り続けたい」という気持ちを育むことが可能です。
5.メンタルヘルス対策とハラスメント防止
パワハラやセクハラなどのハラスメントが横行する職場では、社員が心身に深刻なダメージを受け、早期離職に直結します。社員が安心して意見を言え、失敗を責められない「心理的安全性」の高い職場を作ることは、現代の人事管理で非常に重要視されています。
まず、ハラスメントを未然に防ぎ、発生時に適切に対処するための仕組みを整えましょう。具体的には、就業規則でハラスメント禁止を明示し、全社員への研修で周知する、社内に相談窓口を設置する、通報者が不利益を被らないことを保証する等の対策が考えられます。
また、職場の心理的安全性を高める取り組みも大切です。上司が部下の意見や提案を否定から入らずに受け止める風土づくりや、失敗を否定せずチームでフォローし合う文化を醸成することで、社員は安心して働けるようになります。
心理的安全性が確保された組織では、社員同士の信頼関係が強まりエンゲージメントが高まるため、結果的に離職率の低下につながるのです。
6.福利厚生の拡充と生活基盤への支援
充実した福利厚生や安心して働ける職場環境は、社員の働きやすさと会社への愛着心を高め、離職防止に直結します。福利厚生とは、給与以外で企業が社員に提供する各種の支援制度です。
具体的には、各種社会保険や有給休暇取得の奨励はもちろん、住宅手当・家賃補助、健康診断や人間ドックの補助、カウンセリングサービス、社内食堂や昼食補助、レクリエーション活動支援、育児・介護休業制度、時短勤務制度など多岐にわたります。これら福利厚生が手薄だと感じる社員は少なくありません。
社員が安心して働けるように、たとえば育児中の社員には在宅勤務や時短勤務を認めたり、メンタルヘルス不調の予防に産業医やカウンセラーの相談窓口を設置したりすることも有効です。
また、万一病気やケガで休職せざるを得なくなった社員への休職制度や、職場復帰プログラムを用意している企業もあります。福利厚生の充実は「社員を大切にする会社」というメッセージにもなり、社員の会社への信頼感を高めます。その結果、待遇面を理由とした離職を減らし、人材の定着率向上につながるのです。
離職防止に役立つ4つの実践アイデア
制度だけでなく、日常業務の中でできる工夫も定着率向上に役立ちます。1on1ミーティングやオンボーディング、ITツール活用など、すぐに実践できるアイデアをまとめます。
1.1on1やメンター制度でコミュニケーションを強化
社員とのコミュニケーションを密にし、不安や不満を早期にキャッチするには、1on1ミーティングやメンター制度の活用が効果的です。1on1とは、上司と部下が定期的に一対一で対話する場を設ける手法です。
業務上の課題だけでなくキャリアの希望や悩みを率直に話せる機会を作ることで、部下は安心感を得て孤立しにくくなります。一方、メンター制度は先輩社員がメンティー(後輩社員)をサポートする仕組みです。新人や若手は直属の上司には言いづらい悩みも、メンターには相談しやすい場合があります。
メンターが職場のルールやスキル面を指導したり、メンタル面で寄り添ったりすることで、新入社員の不安を軽減し、早期離職を防ぐ効果があります。上司と部下、先輩と後輩といった縦の関係を活用してコミュニケーションを強化することは、組織の一体感を高め、離職しにくい風土づくりができます。
関連記事:1on1ミーティングとは?目的や話すテーマ、失敗を防ぐ進め方を解説
2.オンボーディング施策で早期離職を防ぐ
「オンボーディング」とは、新入社員が組織にスムーズに適応できるように支援する一連の取り組みを指します。入社直後の社員が仕事や職場に馴染めずに早期離職してしまうケースは少なくありませんが、計画的なオンボーディング施策を講じることでそのリスクを大きく減らせます。
具体的には、入社後数ヶ月にわたる計画的な研修プログラムやOJT、職場のルールや文化を教えるオリエンテーションの実施、定期フォロー面談などが挙げられます。
また、新人一人ひとりに「チューター」(現場で業務指導をする先輩)と「メンター」(他部署で相談役となる先輩)をそれぞれアサインし、仕事面と精神面の両面でサポートする手厚い制度を導入する企業もあります。入社直後の社員同士で交流できる懇親会を実施し、同期意識を醸成する取り組みも効果的です。
最初の数ヶ月で社員に「この会社でやっていけそうだ」という安心感と仲間意識を持ってもらうことが、定着率向上につながります。
3.ITツールを活用したコンディション管理
近年、従業員のコンディション(状態)を可視化し管理するために、ITツールを活用する企業が増えています。従業員の満足度・エンゲージメントを測定するためのパルスサーベイ(短い頻度で行うアンケート)ツールや、日々の体調・気分を自己申告できるアプリ、チャットボットによる24時間相談対応など、HRテクノロジーを駆使したソリューションが登場しています。
これらを活用すれば、従業員が抱えるストレスや不満の兆候を数値やアラートで早期に把握でき、人事担当者やマネージャーが迅速にフォローに動くことが可能になります。
日本では2015年の法改正により、従業員50名以上の事業場で年に1回「ストレスチェック」の実施が義務化されました。これは国レベルで従業員のメンタルヘルス管理を推進する動きですが、企業独自でもより高頻度かつ詳細にコンディションを把握する仕組みを整えることで、離職の前兆となるストレスサインを見逃さず対処できます。
4.採用段階でのミスマッチ防止(RJP)
「入社前の期待と現実のギャップ」で早期退職に至るケースも多いため、採用段階でミスマッチを防ぐ工夫が必要です。具体的には、採用プロセスにおいて自社の仕事内容や社風・企業文化をできる限り正直に候補者へ伝えることが挙げられます。
求人広告では魅力的に見せようとするあまり実態とかけ離れたPRをすると、入社後に「聞いていた話と違う」と候補者が失望し、短期間で辞めてしまう原因になります。
そこで近年は「リアリスティック・ジョブ・プレビュー(RJP)」といって、仕事の良い面だけでなく大変な面も事前に説明する企業も出てきています。
たとえば会社説明会や採用面接の際に、現場社員が登場して生の声を伝えたり、インターンシップや職場見学を通じて実際の働く環境を体験させたりする手法があります。また、求職者とのコミュニケーションを密に行い、価値観やキャリア志向を丁寧にすり合わせることも大切です。
社内の雰囲気や従業員の人柄を知ってもらうために、自社のSNSやブログで日常の様子や社員の声を積極的に発信する企業もあります。採用段階でお互いの理解を深め、「この会社なら自分に合う」と納得して入社してもらえれば、早期離職のリスクは格段に下がります。
離職防止に成功した企業の事例
離職率改善に取り組み成果を上げた企業の事例は、多くのヒントを与えてくれます。ここでは複数の成功事例を取り上げます。
事例1:サイボウズ株式会社
サイボウズ株式会社は高い離職率を背景に、多様な働き方を可能にする「働き方の選択制度」や副業自由化、長期育休制度を導入しました。
これにより社員がライフスタイルに合わせて勤務形態を柔軟に選べるようになり、2005年頃に28%だった離職率は4%まで低下しました。さらに育休後の復職率は100%を達成し、定着率改善と業績向上を両立しました。(出典:内閣府)
事例2:セルソース株式会社
セルソース株式会社は中途社員の早期離職防止のため、入社後90日間のオンボーディングプログラムを設けました。
現場チューターと他部署メンターによる二重体制で業務指導とメンタル支援を行い、人事面談や研修、同期食事会を通じて社内関係構築を後押ししています。結果として早期退職者が大幅に減少し、社員の満足度も向上しました。(出典:セルソース)
事例3:株式会社カーセブン デジフィールド
株式会社カーセブン デジフィールドは若手社員の定着を目的に、奨学金返済支援や運転免許取得補助など経済的負担を軽減する制度を導入しました。
奨学金は月3万円を上限に最長36カ月支給し、免許補助も3年勤務で返済免除とする仕組みです。これにより生活基盤が安定し、長期就業意欲が向上。離職率の改善と新入社員の安心感醸成に成功しました。(出典:カーセブン デジフィールド)
まとめ
社員の離職防止は、一朝一夕で達成できるものではありません。しかし、離職の主な原因を正しく理解し、効果的な施策を積み重ねていくことで、着実に離職率を下げることが可能です。
労働条件の改善、良好な人間関係の構築、キャリア支援の充実、公平な評価、柔軟な働き方、そしてハラスメントのない安全な職場づくりなど、多角的な取り組みが組み合わさってこそ、社員が安心して長く働ける環境が生まれます。
実際の企業事例が示すように、社員が「この会社で成長し貢献したい」と感じられる職場は高い定着率を維持でき、優秀な人材の流出を防ぐことで企業全体の生産性や競争力も向上します。
離職防止策に真摯に取り組むことは、社員の幸福度を高めるだけでなく、採用コストの削減や組織力強化にもつながるWin-Winの経営戦略と言えるでしょう。企業は人あってこそ成り立つものです。社員一人ひとりが意欲を持って長く活躍できる職場を築くことで、企業の持続的な成長と発展が実現するのです。


