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組織開発・職場改善

コミュニケーションゲームとは?効果からおすすめのゲーム事例・導入ステップまで徹底解説

職場での人間関係やチームワークは、組織の成果に直結する重要な要素です。近年注目されているのが、楽しみながら協力や対話を体験できる「コミュニケーションゲーム」です。アイスブレイクとして初対面の緊張を和らげたり、チームビルディング研修で協働の大切さを学んだりと、さまざまな場面で活用できます。

この記事では、コミュニケーションゲームの効果や導入のメリット、実施の流れ、そして職場で実際に取り入れやすい具体例を紹介します。この記事を読むことで、職場に最適なコミュニケーションゲームが見つかるでしょう。

コミュニケーションゲームとは?

コミュニケーションゲームとは、組織やチームのメンバー同士が楽しみながら対話し協力することで人間関係を深めるゲームです。話す・聞く・伝えるといった行動をゲーム形式で行い、メンバー間の壁を取り払い円滑な交流を促します。

新入社員研修や懇親会でのアイスブレイク、チームビルディング研修や問題解決研修などに幅広く活用されており、楽しみながら学べるという点が大きな特徴です。

コミュニケーションゲームには多様な種類があり、目的はチームワーク向上から情報伝達力の訓練まで様々です。共通するのは、参加者同士の会話や協力を自然に引き出す設計になっている点です。

ゲームを通じて対等に意見交換し、互いを知ることで理解や信頼関係が深まります。単なる遊びではなく、日常業務におけるコミュニケーション改善に直結することが特徴です。

組織におけるコミュニケーションの重要性

組織で成果を上げるためには、メンバー同士のスムーズなコミュニケーションが欠かせません。ここでは、なぜコミュニケーションが重要なのかを、組織運営の観点から解説します。

人間関係のトラブルや離職を防ぐ仕組み

職場の人間関係が円滑であれば、日々の小さな誤解や対立を未然に防ぐことができます。逆にコミュニケーション不足の職場では、些細な行き違いが大きな人間関係のトラブルに発展しがちです。その結果、ストレスを感じた社員が退職を選ぶケースも少なくありません。

日頃から何でも話しやすい風土があれば、悩みや不満も早めに共有・解消でき、社員の定着率向上につながります。コミュニケーションゲームは社員同士の距離を縮め、信頼関係の基盤を作ることで、人間関係が原因の離職防止につながります。

チームワークを強化する役割

チームで仕事をするには、お互いが連携して効率的に動くことが求められます。その土台となるのが、情報や意見をスムーズに交換できる良好なコミュニケーションです。

コミュニケーションが活発な職場では「今どんな課題があるか」「誰が助けを必要としているか」といった情報共有が迅速に行われるため、自然と協力し合う体制が整います。

特にプロジェクト型の業務では、報連相が滞るとミスや二重作業につながります。日頃から意見を言いやすい雰囲気を作っておけば、メンバー同士でフォローし合い問題解決に取り組めるでしょう。

コミュニケーションゲームは協力体験を通じて、助け合いや声かけの重要性を楽しく学べるきっかけになります。

組織全体の成果や雰囲気に与える影響

社内コミュニケーションが円滑になると、組織全体の成果や環境に大きなプラス効果があります。

  • 情報共有と意思疎通の精度が上がり、業務ミスが減る
  • やり直しや無駄が減り、生産性が高まる
  • 日常的な会話が増え、職場が明るく前向きになる

また、社会人として会話のしやすさは新しいアイデアや改善提案を生みやすく、イノベーションの土壌を育てます。風通しの良さは心理的安全性を高め、チャレンジしやすい文化形成にもつながります。

コミュニケーションゲームは、社員の笑顔や会話を増やし、活気ある組織風土をつくる後押しとなります。

初対面・部署間交流に効くコミュニケーションゲーム

ここでは、初対面の壁を壊し、打ち解けるのに効果的なコミュニケーションゲームを紹介します。短時間で盛り上がれて簡単に実施できるものばかりなので、新人歓迎会や部署交流イベントのアイスブレイクに活用してみてください。

バースデーライン

項目内容
ゲームの特徴誕生日順に一列に並ぶ。言葉を使わずジェスチャーで伝える
用意するもの特になし
人数5〜30人程度
かかる時間5〜10分
効果・おすすめポイント非言語コミュニケーションを体験でき、初対面の緊張を和らげる

手順

  • ランダムに並ぶ
  • 誕生日を非言語で伝え合う
  • 誕生日順に並び、最後に答え合わせをする

共通点探しゲーム

項目内容
ゲームの特徴グループ内でできるだけ多くの共通点を見つける
用意するものお題カード(任意)
人数4〜10人程度
かかる時間10〜15分
効果・おすすめポイント意外な共通点を発見でき、親近感や会話が自然に生まれる

手順

  • グループを作る
  • 「好きな食べ物」などテーマを設定
  • 制限時間内に共通点を探し、最後に発表する

グッド&ニュー

項目内容
ゲームの特徴最近24時間以内にあった「良いこと」「新しい発見」を発表する
用意するもの特になし
人数5〜20人程度
かかる時間5〜10分
効果・おすすめポイントポジティブな空気を共有でき、会話のきっかけになる

手順

  • 一人ずつ順番に発表する
  • 短く「良かったこと」や「新しい発見」を伝える
  • 拍手やコメントで盛り上げる

2つの真実と1つのウソ

項目内容
ゲームの特徴自分に関する3つの話のうち2つは真実、1つはウソ
用意するもの特になし
人数5〜15人程度
かかる時間10分程度
効果・おすすめポイント意外な一面を知ることで会話が弾み、親近感が深まる

手順

  • 各自が3つのエピソードを考える
  • 順番に発表する
  • 他のメンバーがウソを当てる

漢字一字自己紹介

項目内容
ゲームの特徴自分を表す漢字一文字を書き、その理由を発表する
用意するもの紙やペン、ホワイトボードなど
人数5〜30人程度
かかる時間10〜15分
効果・おすすめポイント一文字に込めた意味で個性が伝わり、印象に残りやすい

手順

  • 各自が自分を表す漢字を一文字書く
  • 理由やエピソードを発表する
  • 質問や共感を交わす

チームワークと相互理解を強化するコミュニケーションゲーム

次に、既に顔見知りのチームや部署内のメンバーを対象に、更なるチームワーク強化や相互理解の促進に役立つゲームを紹介します。これらは単なる自己紹介に留まらず、みんなで協力して課題を達成することでメンバー間の結束を深めるタイプのゲームです。研修やミーティングの中盤に取り入れて、チームの協働スキルを楽しく高めましょう。

ペーパータワー

項目内容
ゲームの特徴A4用紙だけで最も高い自立タワーを作る
用意するものA4用紙(30枚程度)
人数4〜6人チーム
かかる時間15〜20分
効果・おすすめポイント試行錯誤と協力体験を通じて一体感を高められる

手順

  • 各チームに同じ枚数の紙を配る
  • 制限時間内でタワーを作る
  • 最も高いチームが勝ち

マシュマロチャレンジ

項目内容
ゲームの特徴パスタやテープで塔を作り、頂上にマシュマロを置く
用意するものスパゲッティ、テープ、ひも、ハサミ、マシュマロ
人数4〜5人チーム
かかる時間18分
効果・おすすめポイント創造力と協力性を試し、失敗から学ぶ姿勢を育てる

手順

  • 材料を配布する
  • 制限時間で自立する塔を作る
  • マシュマロを頂上に置く

ヘリウムリング

項目内容
ゲームの特徴フラフープを人差し指で支え、全員で地面に下ろす
用意するものフラフープ
人数6〜12人
かかる時間10分程度
効果・おすすめポイント呼吸を合わせる重要性を実感し、協調性が高まる

手順

  • 全員でフラフープを支える
  • 声を掛け合いながら地面に下ろす
  • 指を離さず成功させる

ピンポン玉リレー

項目内容
ゲームの特徴ピンポン玉をスプーンなどに載せてリレー形式で運ぶ
用意するものピンポン玉、スプーン
人数10〜30人
かかる時間10分程度
効果・おすすめポイント応援や協力が生まれ、チームの一体感を高める

手順

  • 各チームでスタートラインに並ぶ
  • ボールを落とさず次の人へ渡す
  • 最も早くゴールしたチームが勝ち

ボールトスチャレンジ

項目内容
ゲームの特徴全員が一度ボールに触れる順番で投げ合い、時間短縮を目指す
用意するもの軽いボール
人数6〜15人
かかる時間15〜20分
効果・おすすめポイント工夫と改善を繰り返し、チームの創意工夫力を鍛えられる

手順

  • 円になって順番にボールを回す
  • 所要時間を計測
  • より早くできる工夫を考え再挑戦する

問題解決・合意形成を鍛えるコミュニケーションゲーム

ここでは、コミュニケーションの中でも特に意思決定や問題解決、合意形成にフォーカスしたゲームを紹介します。これらのゲームは一見難しそうに思えますが、シナリオに沿って議論したり意思疎通したりする中で、楽しみながら論理的思考力やチームで意見をまとめる力を養うことができます。管理職研修やプロジェクトチームのワークショップにも適したゲームです。

NASAゲーム

項目内容
ゲームの特徴月面で生還するために必要なアイテムの順位を合意形成で決める
用意するものアイテムリスト資料
人数5〜10人
かかる時間30〜40分
効果・おすすめポイント合意形成の難しさと重要性を体験できる

手順

  • 各自でアイテム順位を考える
  • チームで議論して合意形成する
  • 模範解答と比較して振り返る

コンセンサスゲーム

項目内容
ゲームの特徴無人島や災害時などの設定で必要な物を順位付けする合意形成ゲーム
用意するものシナリオとアイテムリスト
人数5〜10人
かかる時間30〜40分
効果・おすすめポイント傾聴力や論理的な伝え方を磨ける

手順

  • 各自で順位を考える
  • チームで話し合い合意を作る
  • 結果を共有し学びを整理する

条件プレゼン

項目内容
ゲームの特徴複数のキーワードを必ず使い、即興で物語やプレゼンを作る
用意するものお題カード
人数4〜6人
かかる時間15〜20分
効果・おすすめポイント発想力や即興力を養い、協力してアイデアをまとめる訓練になる

手順

  • チームにキーワードを配る
  • 制限時間でストーリーや企画を作成
  • 発表して盛り上がる

マネジメントゲーム

項目内容
ゲームの特徴会社経営を模擬体験する経営シミュレーション型ボードゲーム
用意するもの専用キット
人数5〜20人
かかる時間半日〜1日
効果・おすすめポイント経営視点と意思決定力を養い、議論や学びを共有できる

手順

  • 各自が社長役で会社を経営する
  • 数期分の意思決定を行う
  • 成果を比較し振り返りディスカッションする

ロケットPDCAチャレンジ

項目内容
ゲームの特徴紙製ロケットを試作・発射しながらPDCAサイクルを学ぶ
用意するもの紙、部品カード、予算シート
人数4〜6人チーム
かかる時間標準は7時間程度
効果・おすすめポイント改善思考とチーム協働力を実践的に鍛えられる

手順

  • 予算内で部品を購入しロケットを作る
  • 発射テストを行い結果を分析
  • 改善を重ね、成功を目指す

コミュニケーションゲームを導入するメリット

職場にコミュニケーションゲームを取り入れると、単に楽しい雰囲気が生まれるだけでなく、組織の対話の質が向上し、信頼関係や協力体制が強化されます。

ゲームには参加者同士の心理的な壁を下げ、自然な交流を促す力があります。ここでは、導入によって得られる代表的な効果を整理します。

自然な会話が生まれやすくなる効果

ゲームを通じて笑いや達成感を共有すると、社員同士の距離が縮まります。安心感が芽生えることで「話しかけても大丈夫」という雰囲気が醸成され、日常のやり取りも活発になります。

上司や先輩と一緒に取り組んだ体験は上下関係を和らげ、部署や世代を超えた会話のきっかけになります。その結果、雑談や相談が増えて情報の流れがスムーズになり、生産性向上に結び付きます。

楽しみながら共通体験をつくれる利点

人は共通の体験を通じて仲間意識を深めやすいものです。短時間のゲームでも、笑い合った出来事は記憶に残り、困難な状況で支えとなります。

役職や立場に関係なく参加できる点も利点であり、普段接点の少ない同僚とも自然に親近感が芽生えます。こうした経験が積み重なることで、業務連絡がしやすくなり、職場全体の空気が前向きに変化します。

お互いの理解や信頼を深める効果

ゲームでは業務だけでは見えない一面が現れます。普段は控えめな社員がリーダーシップを発揮したり、同僚が意外な発想力を示したりすることもあります。そのような発見は新しい理解につながり、信頼関係の基盤となります。

さらに、成功や失敗を一緒に経験することで「任せられる」「支え合おう」という気持ちが育まれます。その結果、結束力が強まり、チームは難しい課題にも一体となって取り組めるようになります。

コミュニケーションゲームの実施ステップ

コミュニケーションゲームの効果を最大限に引き出すには、計画的な準備と振り返りが欠かせません。目的を定めて適切なゲームを選び、ルールを簡潔に伝えたうえで実施し、最後に学びを整理することが大切です。この流れを守ることで、短時間でも確かな成果につながる実践になります。

目的やテーマを明確に設定する

最初に行うべきことは、ゲームの目的をはっきりさせることです。緊張をほぐすのか、協力を体験させたいのか、それとも問題解決力を養いたいのか、狙いを一つに絞ると効果が高まります。

目的が明確であれば、進行役が適切に問いかけを行い、参加者自身が気づきを得やすくなります。

参加人数や時間に合ったゲームを選ぶ

次に重要なのは、人数や時間に応じたゲームを選定することです。少人数の場合は議論や対話を中心としたゲームが適しており、大人数であれば一斉にできるシンプルな形式が効果的です。

短い会議前なら5〜10分で終わるものを、研修の一部として組み込むなら30分以上かけて行うものを選ぶと良いです。

ゲームのルールをシンプルに説明する

どのようなゲームであっても、ルールは簡潔に伝える必要があります。成功条件や禁止事項を端的に説明し、必要に応じて実演を加えると理解が深まります。

説明が複雑になると混乱を招きやすいため、シンプルでわかりやすい案内を心がけることが重要です。

実施後に振り返りを行い学びを定着させる

ゲームを終えた後は、必ず振り返りの時間を設けることが望ましいです。体験から感じたことや学んだことを言葉にして共有することで、業務に活かせる知見が残ります。

全員が発言できる場をつくることで前向きな雰囲気が生まれ、チームの信頼関係がさらに強まります。振り返りを重ねることが、ゲームを「楽しかった時間」で終わらせず、組織の成長につながる実践へと変えるのです。

まとめ

コミュニケーションゲームは、楽しさの中に学びを取り入れることで、社員同士の心理的な壁を取り払い、自然な会話や協力を引き出す有効な手段です。初対面の交流から既存チームの結束強化、さらには問題解決力や合意形成力の向上まで、目的に応じて多彩に活用できます。

導入にあたっては、目的の明確化、人数や時間に合ったゲームの選定、シンプルなルール説明、振り返りを行うことが重要です。ゲームを単なる余興に終わらせず、実務に活かせる学びへとつなげることで、組織はより風通しの良い活気あるチームへと成長していきます。

次回の研修や会議に取り入れ、職場の雰囲気を変える第一歩として活用してみてはいかがでしょうか。

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